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開闢の剣  作者: 神里
二章 『学園トーナメント編』
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二章16 「決勝戦へ」



 忍びの者、シュウメイはニーハイの裾をあげた。


 バキラが勝負を見送ったことで、準決勝は不戦勝。

 戦わずして決勝に進む事になったが、彼女にとっては心底どうでもいい話だ。それよりも藍色の髪を梳く櫛やアイジュエリー等、身の回りの物を新調した喜びが優っている。


「アレと戦ったとしても、戦いにはならなかったけど」


 待機室で着替えながらバキラを評価した。

 少女は端からバキラに興味が全くない。


 前に取り乱したのはバキラの悪質な戦いで親友が弄ばれたからであり、加害者本人へ特別な感情は無い。そもそも自分が彼と戦うなら即座に場外に持ち込み勝負にすらしないつもりだった。


 ただ。


「ミア=ツヴァインに場外は通用しない」


 準決勝。コウキとミアの映像を何度も見る事でミアの動きを研究し続ける。流れるように勝利している上に、ギフテッドを奪われた後の数十秒以外で、弱点という弱点が全く存在しない。


「コウキが与えたダメージが回復魔術後に残ってるといいけど」


 どうしたら負けるのか、リスクは考えられる。

 どうしたら勝つのか、そのビジョンは見えない。


「きっと貧血である事以外、弱みはほとんどない」


 ふと映像を速戻ししていると、負けて倒れているコウキが映った。「こっちは大丈夫かな?」等と適当な心配をしてみるが、それ以上シュウメイが干渉する事はない。


「まぁどうせ、ミアの事だから甘やかしてるけど」


 吐き捨てるような評価を2人にして真顔でもう一度映像を見る。

 何度も繰り返してミア=ツヴァインを追う。


「コウキが追い詰めた以上、それを超える」


 アンニュイで脱力感がある見た目で、中身は負けず嫌いのシュウメイ。

 内に秘める血の気を滾らせて映像を眺めている。


「絶対に勝つ」


 シュウメイは言霊を信じるタイプだ。

 言葉にする事で自分を奮い立たせる。

 幼少期の思い出やこれまでの学生生活を振り返る。


 何一つ手を抜かずに登り詰めた秀才が、画面の前の天才を睨んだ。


「よし」


 決勝戦は間も無く行われる。

 

 鏡を見てツインテールの紐を強く結び直した。

 ニーハイの中には仕込み針をいれて手裏剣を体の至る所に忍ばせる。中に着込んだ網のタイツは“クノイチ”の誇であり筋力サポートを行う特殊な衣類だ。慣れた仕草で手のテーピングを済まし、そして最後に表情を確認する。


 問題なく、万全。


「行こう」


 この日が最強との初めての戦いだった。



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