第4話「魔王の側近もつらいよ」
ピカッ
バリバリバリッ
ズゴーン!
ここは乱雲たれ込める魔王連合軍の超大要塞超絶魔王城。
今ここで魔王連合軍の一大会議が行われているのであった。
超絶魔王「何? 勇者との戦いに引き分けになったと?」
超魔王「情けない。魔王の名を語るに落ちる」
大魔王「勇者ごときただの人間。叩きのめせば良い物を」
魔王「次こそは、かならず、この手で。」
超絶魔王「よし、あとの事は側近たちに任せた。報告を待て。」
ガシャーン、バリバリーン!
雷鳴一発、4人の魔王はズシリズシリと立ち去って行く。
そのあと、四方からさささっと4人の小さな側近たちが輪になって集まっていく。
超絶魔王側近アン「魔王の側近さん、白黒つけないと、降格されて準魔王になっちゃいますよ。」
魔王側近ゾン「それはわかってるんですけどー」
超魔王側近ポン「でも、引き分けって事は、白黒ついてない、って事だから、魔王様が準魔王に降格はないと思うのだけど。」
大魔王側近タン「そうよね〜。白黒はっきりするのはいい事だけど、決着ついちゃうと、私たち失業しちゃうし〜」
超絶魔王側近アン「失職したあと、元魔王連合軍側近って、箔がつくのかな〜。」
魔王側近ゾン「どうですかね〜。」
超魔王側近ポン「悪い事を考えてる王や領主に取り入るってのもあるけど、こっち負けてるわけだし交渉難しいし。」
大魔王側近タン「そうよね〜。逆に負けて弱ってるってバレて、貼り付け獄門城内引き回しの可能性もあるし。」
魔王側近ゾン「ですよね〜。」
一同「う〜ん。」
超絶魔王側近アン「やっぱ引き分けね!」
超魔王側近ポン「そうですね!」
大魔王側近タン「引き分けで!」
魔王側近ゾン「そーしましょう!」
かくして、各々自身の生命をかけた、談合は行われるのであった。