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煙の中の君

作者: 遊佐日

私と君は最高の友達だった。でも実は私は君に密かに好意を寄せていたんだ。でも君には別の好きな人がいた。振り向いて欲しいけど、アプローチする勇気もなくてさ。気づいたら君に彼女ができちゃってた。悲しかったけど笑顔で祝福したし応援だってしたよ。だって好きな人が好きな人と結ばれて幸せになれば私も幸せだと思ったから。でも全然そうじゃなかった。君のとなりは私がいいなって思う日々だった。でも私はこれからも君にとって最高な人間でありたいから友達でいるって決めた。だから最高の友達だった。君から恋愛相談されることも多くて、君の恋愛の事は何でも知っていた。そんなある日「別れた。振られた。こっちも別にもう好きじゃないし。」って言われた。振られただけじゃなくて相手のこと好きじゃなくなったなんて。ちょっと嬉しかった。でも、その日を境に君は急に煙草を吸うようになった。急すぎたから「なんで?前から吸ってたっけ?」って聞いてみた。そしたら「いや、なんか急に煙草かっこいいなって思っちゃって笑」って言ってきた。けどね私は知ってたんだ。前の彼女が煙草吸ってたこと。そこで、もう好きじゃなくなったって言ってたくせにまだ未練あるって事に気づいちゃって、悔しくて、もう最高の友達は辞めたくて、気づいて欲しくて、勢いで君にキスした。そして想いを伝えた。「ずっと好きだったの。付き合ってよ。」これは完全に弱みにつけこんでる最低の人間って分かってるけど止まらなかった。止まれなかった。でも意外にも君は「いいよ。」って言ってきた。今の君には私への愛は無いと分かっていたけど、そんなことどうでも良くて、ただただ君が欲しかった。だから付き合うことになった。でも人間は欲深いもので、君を手に入れたら次は君からの愛が欲しくなっちゃって、ちょっとアピールしてみた。いい匂いの香水使ったり、肩が出てる服を初めて着てみたり。そしたら君は私にアピールされてる事に気がついて少しだけ恋人っぽいことをしてくれるようになった。何度も何度も愛らしきものをくれた。それが本当の愛だったかは分からないけど。でもあなたは恋人っぽいことをしたあとは必ず煙草を吸っていた。煙の中のあの人を思い浮かべているんだろうなと思うと悔しかった。だからある日「煙草やめたら?体に悪いよ。かっこよくないよ。」って言ってみた。そしたら君は「いや、かっこいいよ。だから辞めない。」って言ってきた。言い返されちゃった。結構長い間愛を伝えたから振り向いてくれるかと思ってたけど、やっぱ私より前の彼女の方が好きなんだなって改めて思い知らされた。悔しくて、気がついたら私は君の口から煙草を奪い取って吸ってた。なんせ煙草を吸うのは初めてなもんで案の定噎せた。「私じゃダメなの?」言っちゃった。君は苦笑いしながら「君は吸わない方がいいよ。笑」と言った。「私じゃダメなの?」に対しての返事がなかった。もうちーはれはそうゆうことじゃん。だから「前の彼女煙草吸う人だったんでしょ。知ってるよ?未練あるのに私と付き合っちゃダメじゃん笑まぁ告白したの私なんだけどさ笑」って言っちゃった。そしたら彼に「ごめん、別れよ。」って言われた。振られた。彼が振り向いてくれないから、いつか振られるだろうと思ってたから、そんなに悲しくなかった。自然と涙は出てきたけどね。笑


〜2年後〜

私は別の人に告白されて付き合うことになった。それから私も煙草を吸うようになった。煙草を吸うと君を思い出すから。煙の中に君がいるから。あぁ、悲しくないとか思ってたけどちゃんとあの時悲しかったんだな、未練あるんだな、って思った。多分私はこれからも煙の中の君に逢いに行くだろう。

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