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龍に喰われる前に喰ってやる  作者: 珀武真由
序ノ舞。プロローグ『住人』の挨拶
1/63

『プロローグ』

おはようございます。こんばんは。こんにちは。


 すみません。改稿しました。よろしくお願いします。


 

 俺が、夢もきちんと見るようになり、物心つき始めた頃。『住人(ソイツ)』は語りかけてきた。


『やぁ、お邪魔するよ小さな部屋だね、まぁ。歳を重ねるごとに大きくなるかな』

「……?」

『初めまして、僕は○龍、またしては◯◯って俗名(あざな)が……』

「?????」

『ふふ、その内慣れるよ。僕の○主○さま』


 そして、今に至る。


 ソイツはどうやら、俺の頭に住みつくことが当たり前のように振る舞い……

 就寝した時には、頭の中に現れベラベラ、それは饒舌に──。

 とりあえず俺は、ソイツを『住人』と呼ぶことにした。


 俺が寝始め、夢の中に『住人』が現れる時はなぜか紅色を帯びた(もや) が発生し、辺りを赫桃(ピンク)色に染める。

 まぁ、この靄は『住人』の気分で赤や青、時には紫と変わるのだがほとんどがピンクだ。

 そして、今日もまた赫桃ピンク色の(もや)がかり───。


 『住人』は、俺が夢を見ると姿を現し、今日も勝手に話し始める。図々しい奴だと気付くも頭から追い出すことは出来ず……、どうにもならない。


 銀の長髪、赤い瞳、甘い声に優しい口調。

 俺の頭の中に住みつく『住人』は、いつも人の気を掛け、様子を見張るように話しかけてくる。


 そう、必ず俺に話しかけてくるのだ。


 また、たあいない話しを始めた。かと思うとすぐ口を語もらし、また話し出す。相変わらず、柔らかな声色でそれが逆に俺の神経を逆なでした。

 しかし、最後は決まって俺をなじりこう吐き捨てる。


『私は、お前の母が嫌いだ』


 必ず決まり台詞のように、母の悪口を言う。

 母の悪口は、俺の悪口を言ったようなもの。俺はいつものように反論する。


「嫌いって俺ではなく母? いやおかしいし、何故ここにいる?」

『私の姿は、人間には簡単に見えんので、見える翔クンの中に住んでるのさ。色々とぼやいても私は翔クンが好きなんだですよ。知ってる癖に』


 住人は誇らしげに言いたいことだけを告げ勝手にサヨナラをする。


 俺は、いつもの悪口に付き合わされる。そして文句を言うころには……。


『おややっ?』

(! おいっ!)


 文句を言いたくて睨んでいるのにも関わらず『住人』は嘲笑い、俺の姿を焼き付けるように見ると手を振り始めた。手を振ると同時に(もや)は薄くなり、白やんでいく……


『意識が浅い。もう目を覚ますのか。では、また明日』

「おいっ! 待てよ」

(俺にも一言文句ぐらい……)


 『住人』は俺の代弁を聞く余裕すら与えずに、やがて暗闇へと落ちたような感覚になった。


 そう。毎日たあいないやり取りで俺は麻痺していた。


 この『住人』が、やがて俺や周囲を巻き込ませる因縁そのもだったのだ。




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