『プロローグ』
おはようございます。こんばんは。こんにちは。
すみません。改稿しました。よろしくお願いします。
俺が、夢もきちんと見るようになり、物心つき始めた頃。『住人』は語りかけてきた。
『やぁ、お邪魔するよ小さな部屋だね、まぁ。歳を重ねるごとに大きくなるかな』
「……?」
『初めまして、僕は○龍、またしては◯◯って俗名が……』
「?????」
『ふふ、その内慣れるよ。僕の○主○さま』
そして、今に至る。
ソイツはどうやら、俺の頭に住みつくことが当たり前のように振る舞い……
就寝した時には、頭の中に現れベラベラ、それは饒舌に──。
とりあえず俺は、ソイツを『住人』と呼ぶことにした。
俺が寝始め、夢の中に『住人』が現れる時はなぜか紅色を帯びた靄 が発生し、辺りを赫桃色に染める。
まぁ、この靄は『住人』の気分で赤や青、時には紫と変わるのだがほとんどがピンクだ。
そして、今日もまた赫桃色の靄がかり───。
『住人』は、俺が夢を見ると姿を現し、今日も勝手に話し始める。図々しい奴だと気付くも頭から追い出すことは出来ず……、どうにもならない。
銀の長髪、赤い瞳、甘い声に優しい口調。
俺の頭の中に住みつく『住人』は、いつも人の気を掛け、様子を見張るように話しかけてくる。
そう、必ず俺に話しかけてくるのだ。
また、たあいない話しを始めた。かと思うとすぐ口を語もらし、また話し出す。相変わらず、柔らかな声色でそれが逆に俺の神経を逆なでした。
しかし、最後は決まって俺をなじりこう吐き捨てる。
『私は、お前の母が嫌いだ』
必ず決まり台詞のように、母の悪口を言う。
母の悪口は、俺の悪口を言ったようなもの。俺はいつものように反論する。
「嫌いって俺ではなく母? いやおかしいし、何故ここにいる?」
『私の姿は、人間には簡単に見えんので、見える翔クンの中に住んでるのさ。色々とぼやいても私は翔クンが好きなんだですよ。知ってる癖に』
住人は誇らしげに言いたいことだけを告げ勝手にサヨナラをする。
俺は、いつもの悪口に付き合わされる。そして文句を言うころには……。
『おややっ?』
(! おいっ!)
文句を言いたくて睨んでいるのにも関わらず『住人』は嘲笑い、俺の姿を焼き付けるように見ると手を振り始めた。手を振ると同時に靄は薄くなり、白やんでいく……
『意識が浅い。もう目を覚ますのか。では、また明日』
「おいっ! 待てよ」
(俺にも一言文句ぐらい……)
『住人』は俺の代弁を聞く余裕すら与えずに、やがて暗闇へと落ちたような感覚になった。
そう。毎日たあいないやり取りで俺は麻痺していた。
この『住人』が、やがて俺や周囲を巻き込ませる因縁そのもだったのだ。
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