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THE BLACK KNIGHT  作者: じゃみるぽん
一章・物語の始まり
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【1章・動き出す歯車】2

各国に動きが出てきました

 アルスは殿下に別れを告げ我が家に帰る為馬車に乗り込む、アルス個人は早く家に帰り鍛錬したい気持ちでいっぱいだった。屋敷は遠いが今日中には着くだろう



 暫くして屋敷が見える位置まで来た、エルロランテの屋敷の周りはそこそこ栄えている。はしゃぐ子供に笑う店主、非常に見ていて微笑ましく和む場所である。


「「おかえりなさいませ、アルス様」」


メイドのヴィオラとユリスが出迎えてくれる



 早速父にアロンダイトの事以外を報告する。時空間魔法のスキルを得た事にとても喜んでいた父の喜ぶ姿を見て母は笑い、セバスは鍛える事が増えましたねと呟く、セバスの“鍛える”は意識が飛んでしまうほどキツいもので執事とは何なのか疑問に思ってしまう事も多々ある



報告を済まし自分の寝室でアロンダイトを持ち上段の構えをとる


十歳の筋力と体格では上手く構えることが出来ず父上の訓練で使うことは難しいと感じた


父上はどんな訓練をしてくれるのだろう



 魔法はセバスに鍛えてもらう予定である。セバスは時空間魔法が使える魔法士と知り合いだったらしく、色々教えてくれるらしい


「はぁ……今日は疲れたな…」




アルスは眠りについた



ドタドタドタドタドタ



(誰だこんな朝早くに……)



ウルグは朝から頭を抱えた



ガチャッ



「父上今日から僕に剣術を!」


「まだ早いっ」


「いえ、早くないです!」


「何故、そこまで拘る?」


「伯爵家継嗣として、男として何者にも負けぬ様になりたいのです」



「……はぁ、お前は少し兄に似てるかもしれんな…」



「父上に兄が?…初めて聞きました…」


「そうだな……言うのは初めてか」


ユリアーナとはアルスの母でマリアが姉である


「血を分け、傍観者として、真実を知る者として共に生きた実の兄だ」



(傍観者?、真実は何となく想像がつくが傍観者とはなんだろうか)


「父上、傍観者とは何でしょう?」


「今はまだ話すべきではない、何れ話すだろう…もし、興味があるなら徹底的にやるぞ、鍛錬というのが聞こえがいいように感じる程」


思わずゾッとする。父上の気迫で全身に鳥肌が立つ



「………お願いします、父上」


「よし、鍛錬場に出ろ。早速始めるぞ」



 鍛錬場に父上、セバスと共に出る。お互い刃を潰した両刃の剣を持ち向かい合う。張りつめた空気感でアルスの緊張が高まる




「……本気で行くぞ」



突然父上が視界から消えた



バキィ


父上の剣が俺の上腕に叩きつけられる、刃を潰しているとしても鉄製の剣はとても硬く俺の上腕の骨を砕く


(…っく、全く見えない…)


 アルスの習得しようとしている剣術は元を辿れば今は亡き王国剣術、当時最凶とまで言われたが修得している者の少なさと修得方法の過酷さ故に今は片手に数えるくらいしかいない剣術



何故、最強ではなく、最凶なのか、それは習得方法の過程にある



 習得するには本来人では有り得ない体の動き、スピード、物理法則を無視しているとしか思えない動きが必須であり、修得者は皆、圧倒的な強さと習得方法から狂人と言われていたためである


「そこで右足を起点にして飛べ」


「この状態からっ!?、どうやって…?」


グシャッ、、バキィ、、ボキィ




「グァア“ア“ア“ア“ア」

痛すぎる、涙が止まらない



「セバス…治せ」


「はっ」



骨を折り、筋肉を引き裂き、再生させていく技を習得するまでそれを繰り返すのがこの剣術の習得方法であった


 二年たった頃、身体付きもだいぶ変わりアロンダイトで打ち込む事も出来るようになった、最初は父上に剣のことを聞かれたが自分の好きな剣で構わない。とあまり詮索はされなかった。


一日中、伯爵家の庭で人間から発せられているとは思えない程の苦痛の叫びが鳴り響く


アルスは僅か三年で全ての技を習得し【剣術10】へと至った


 三年後今度はセバスから魔法を教わる事となった。雷魔法は宮廷魔法士には及ばずとも学生の中でトップクラスになれる程まで、時空間魔法は魔力量が少なく一日一回なら王都まで一瞬で移動出来る程まで成長した


更に一年が経ち、アルスは十四歳になると学園入学まで残り一年となったのだった



▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢


〜王城〜



 玉座の間には国の中枢を担う数十人の貴族と近衛騎士団長と王国騎士団長、宮廷魔法士が二人と、豪華という言葉で足りない程のメンバーで緊急会議が開かれていた


「一体誰がこんなことをっ!!!」


一人の貴族が机を叩き叫んだ



「陛下の前で喚くな」



別の貴族が言う



「でもよ〜、今回の件は落ち着いて居られる方がおかしいだろー?」



そう話すのは宮廷魔法士“雷帝”の称号を持つ男、数年前【雷魔法9】を皇帝に認められた男エル=ドゥ=フェルだ



「今回の転移者だったか? 相当強かったらしいぞ。火魔法のレベルも相当だったらしいが-----炎帝はどう思う?」




「…………ガーネット王女殿下の精霊魔法程ではないが恐らく5〜7程のレベルはあるのではないだろうか。いくらこの世界に来て四年しか経っていないとしても決して弱いとは言えないだろう……」


「エル、カルナ、今回は転移者が殺された事を話し合う為に集まったのではない!」


国王、シュトゥルム=ヴァン=アトランティスが言う


「今回注目するべき所は、暗殺された事ではなく、暗殺をした者についてだ、転移者は特別な存在、帝国でも丁重に扱われ、帝国の重鎮になる者も過去には居たという、その者を殺すなど………相当な恐れ知らずで先を見据えぬ者のようだっ……この事で皇帝が怒る事は誰でもわかるだろうに」



「やはりエスト神聖王国が刺客を送ったのでしょうか?最近エストではSランク冒険者が増えたそうですし、暗殺が得意な冒険者がいても不思議ではないでしょう」




「アーバンドレイク公、それが我の最大の懸念点だ….近年エスト神聖王国の動きが怪し過ぎる」



「エストが何か仕掛けてくると?」


「我とて全能ではない、だが、勇者の世代交代に異世界転移者の暗殺、エストが勢力を伸ばしつつあるのを鑑みるにエストがなにか企んでいるのは確実。」



「はぁぁ….何かいい報告でも無いものか……、お!そう言えば…アーバンドレイク公貴殿の娘の体調が最近良くなったそうだな!」



「そうですな、最近回復しましたが何せ七年体を動かしてないもので体力の回復も必要でしてな社交の場には出せそうにないですが」


「そうか!、そうか!」



少し和んだ空気感のまま会話は続き、話題はアーバンドレイク公爵の娘の話に完全に移っていた



▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢




 アルスは町外れの丘、鮮やかな花が咲いている場所で素振りをしていた。一通りの技を習得してからはウルグと模擬戦をしたり、セバスと魔法の鍛錬をしたりしていたが大半の時間を素振りに回していた


 アルスの振るアロンダイトはしっかりアルスの手に馴染んでいた、アルスはアロンダイトに秘められた力を最近知ることが出来た。アロンダイトの能力は『不壊・絶対防御』


 神器を解放することで一定時間、全ての攻撃が効かなくなるのかは試していないが神器の能力だ。どんな攻撃も効かなくなると願いたい

質問等あれば!!!

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