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THE BLACK KNIGHT  作者: じゃみるぽん
一章・物語の始まり
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【1章・動き出す歯車】


男爵ーーーードゥ

子爵ーーーートロワ

伯爵、辺境伯ーーーーシス

侯爵ーーーーセーズ

公爵ーーーーディズヌフ

王族ーーーーヴァン




 王城に到着した。一国の王女の迎えにしては王都が閑散としており、以前訪れた際の王都とは全く違った雰囲気を出している


 アルスはガーネット殿下が国王に儀式の事を報告する必要がある様でクシャトリアと二人で玉座の間の扉を開いて入って行く。いくら伯爵家の人間だとしてもただの十歳児では玉座の間に許可無く入って行く事は許されない



(それにしても……)



アロンダイトを腰に提げてからというものの、不可解な圧をアルスは感じていた。互いが互いを引き合って


近衛騎士団長、フロイド=セーズ=トランツェル



 侯爵家当主を務め、齢二十七という若さで近衛騎士団長まで登り詰めた男。セバスと父上でさえあまり良く知らず、俺の鍛錬でボコボコにしてくる父上でもお世辞だろうが敵わないと言っていた。王国に住む騎士の中で最強の男だ



(神槍ゲイボルグがどんな武器かとても気になるが…今ここで神器を持っているのバレたら大変な事になる、自制しなければ……)




「エルロランテのとこの子息じゃないか」



横から声が掛けられる



「これはっ、メルウッド伯爵!」



「ハハハッ、そこまで畏まらなくて良いぞ、ところでアルスよ、玉座の間の前で何をしておる?」



「今回ガーネット第三王女の護衛として洗礼の儀式を受けに行っておりました。今はその帰りで陛下にご報告をなされている間、扉の前で待機しております!」



「ほぅ、アルスも今年で十歳だからなー、王女の護衛に選ばれるとは余程信頼されているのだろうな」



(メルウッド伯爵の息子も今年で十になり洗礼を受けた筈……どんなスキルを得たのだろう、王女の護衛は父から告げられただけで直接陛下から命じられた訳では無いから信頼なのかは分からないな)



 ウルグが陛下の信頼が篤い事になる、確かにウルグは数年前、極東のストロヴァルス帝国との戦争で戦果を上げ子爵から伯爵に陞爵したが、それが原因なのだろうか?それとも俺が知らないところで何かあったのだろうか?




「いえいえ、陛下に覚えて頂けるほどのことをした覚えは残念ながらありません」


「うむ…そうか、エルロランテ伯爵に宜しくと伝えておいてくれ」


メルウッド伯爵が去っていく、何だったのだろうか


 十歳は基本的に洗礼の儀式以外の行事がない、その代わり十五から始まる学園生活に向けて勉学や武術の鍛錬をする事が多い。未来の有望な人材を見つけるため十歳のうちにスキルによっては貴族の家に囲われたり、貴族に養子として迎えられることも少なくない、メルウッド伯爵は俺のことが心配だったのだろうか


 家でセバスに礼儀作法や、その他諸々習っておいて良かったと思う、習っていなかったらここまで長い時間直立するのは不可能だっただろう、振る舞いによって人は態度を変えその後の関係にも影響してくる。貴族として舐められたくない


スキルや使える魔法によってある程度貴族として見定められることがあるが



(精霊魔法?剣聖?全て正面から破ってやる)



伯爵家の泊が付いていたとしても家柄で判断されるような男にはなりたくない



玉座の間の扉が開くと中からガーネット殿下が出てくる、少し緊迫した表情なのは気の所為だろうか…



「アルスさん…どうやら帝国が動いた様です」




「……ん“〜」



 国の情勢に疎いアルスは反応に困る、しかしこの件については少しだけ今後の動向を予想していたのだ。帝国と王国は数年前に戦争が終わったその時から睨み合いが続いている



「どうやら帝国を監視していた砦が先日制圧されたらしく……「えっ、彼処って」…… はい、王国軍五千ほど駐留していたのですが……」


「破られたと……」



「えぇ」


帝国はこの大陸随一の大国であり、“異世界召喚”魔法を扱うという



(異世界召喚魔法を使える帝国の事だ、異世界召喚魔法で転移者を召喚して襲ったのだろう)




「強いのかな……」



「えっ…?」



「いえ、なんでもありません」



 今まで記録に残っている転移者の情報はとても少ない、単騎で戦争の流れを変え勝利に導いた者、自国の政治に疑問を持ち挙句の果てに処刑された者、一見眉唾物だが、元は神が与えた魔法で召喚された者達だ、神器保有者に匹敵する可能性も考慮しなければならない。



▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢



〜アトランティス王国のどこか〜



一人の男が煙草を銜え大通を歩いている、軍服には略綬や勲章が多く付いていて身分が高いことが伺える


砂利を踏みしめる音は大きく、歩く速度からは当人の焦りが現れ、表情からは感情がひしひしと伝わってくる



男は貴族の屋敷だろう大きな屋敷に入って行く



屋敷の中を迷う様子もなく進み、一際目立つ扉を開けた、中では既に酒を片手に二人の男が話し合っていた



一人は髭を伸ばした四十超えているであろうふくよかな男



一人は筋骨隆々な五十は超えてないだろう白髪混じりの紫髪の男



「先日、帝国を監視していた砦が破壊された」



二人の男は特に驚く様子はなく頭を抱え頬杖をつく



部屋の中が静まり、二人の男が言う



「「……………転移者が動いたのかもしれん」」



 この場に居るふくよかな男と筋骨隆々な男の一族は王国ができる前、建国前に存在した今は亡き王国時代から続く一族であり、崇拝する神の変化に地上にいる神の存在、神器を用いて地上を荒らす神を殺す英雄、神と人族の間で結ばれた神の誓約などの情報を長年子孫に語り継いできた家


長い間”傍観者”として国々を見てきた中で近年奇妙なことが増えたのを三人は薄々感じていた



 エスト神聖王国での法王の交代、エストのSランク冒険者の誕生、オニキス共和国の勇者の世代交代、虚無の大森林に生息する魔物の亜種の増加



 魔物の亜種化は何らかの急激な環境の変化を一部個体が耐え抜き、凶暴性や、生態、骨格、が変化し起こる。最近では目撃情報も増え、危険なスキルを持っていることも多い



今起こっている様々な変化がいい変化とは到底思うことが出来ず、ふくよかな男が口を開く



「……どうする?異世界の転移者の件は早急な判断が必要だぞ、放置すると今後どうなるのか検討がつかんっ!」



怒気を含んだ声で言う



「そうだ。王国軍としても近頃一万の兵で砦を渡る予定だ、その場で出くわしたら最期、全滅も免れんっ」



 王国軍が全滅でもすれば軍部の威厳がガタ落ちである。軍部が縮小でもすれば訪れつつある国の崩壊に拍車がかかる事となるだろう



「よし、我々は異世界転移者の暗殺を進める」



筋骨隆々な男が結論を出す



 他のふたりもこの結論に納得したようで小さく頷く、果たしてこの選択が後にどんな影響を残すのか“神”ですら知らないのかもしれない



「私は早速騎士団の遠征への我が私兵の派遣を申請するとしよう。”エルロランテ”卿も弟殿に問い合わせたらどうだろう?貴殿を超える化け物じゃないか」



「ふっ、“アーバンドレイク”公は中々面白い事を仰る。俺が彼奴を頼ると?」



質問等あれば!!

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