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THE BLACK KNIGHT  作者: じゃみるぽん
二章・学園
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【2章・王立魔法学園】9

あの説教から暫く経ち、今日は学園生活入って初めての休日



ガーネットの護衛は休めないが、学業が無いのはとてもいい



王都を巡ろうと決めセレスティーナとガーネットを誘うが、ガーネットは国王陛下に呼ばれて来れないとの事



護衛して行こうか?とアルスが聞くとガーネット一人で来いとの事であっさり断られた



セレスティーナは喜んでいたが、別に何かするわけでもない為、変な期待をしてもらっても困る



制服で王都を廻るのは初めてだが、意外と休日は学園の生徒がいる為特に目立った様子はない



「セレスは何処か行きたい所はある?」



「そうね……まずはスイーツを食べましょう!」



「いいね!行こうか」




▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢




アルスはこの一週間で成し遂げたことがある。学園の生徒のスキルチェックとスキルレベルチェックだ



アルスは剣術10になっており、神の領域に入るレベルらしいがそんな事は決してない事は前の聖騎士戦で分かっている



それでも指標にはなる為、学園中のスキルレベルをチェックしたのだ



特筆したスキルは主にSクラスのメンバーが持っており、生徒会も中々凄かった



会長のスキルの中で最も目を引いたのは 【極・身体強化】と【銃10】だ



身体強化のスキルは筋トレなどしていると普通に得られるスキルだが極はあまり見ない



アルスも極だがアルスの体は異常な筋肉と骨格を持っている為あまり極になった事での変化は感じない。少し身体が強化されたかな。くらいだ



副会長はやはり【剣術9】と【弱点看破】と【抜刀術9】だろうか



剣術スキルが高く弱点看破という相手の弱点を見破るスキルに初手最速を出せると言われている主に対人戦用の抜刀術スキル持ち


ゼロ副会長も十分化け物と言えるだろう




ルナ・ミナは似ている様なスキルだった


ルナが【火魔法7】ミナが【水魔法7】を持っていた



「ねぇー、アルス聴こえてる?」



「………っあ、ごめん何?」



「なんのケーキにする?」



「チョコケーキかなー」



「じゃあ私もチョコケーキで」




ケーキを食べ終え、二人の時間を十分に楽しんだアルスとセレスティーナは王都の道を歩いていた



(ん?なんだ?)


アルスは不意に右を向く


(本当になんだ?)



「どうしたの?アルスその店が気になるの?」

「……此処奴隷商よ」



「え!?いや、何となくこっち向いただけだよ」



「まぁ、入ってみましょ」



「え!……入るの?」



「入った事無いもの……少し気になるわ」



そう言って二人は奴隷商の中に入っていく”何か”に導かれるように


「いらっしゃいませー、今日はどの様なご用件でしょうか?」



「少し、気になってな」



「失礼ですが、お二人共貴族の方でしょうか?制服ということは学生とお見受けしますが?」



「そうです、私達は貴族でも学生でもありますが?」



「いえ、特にどうとかは無いのですが奴隷はお金がかかるものですからね」



「……そうですね」



二人は王都奴隷商の”商品”を見ていく、中には暗い顔の者も居るが意外と雰囲気は悪いものでは無かった



十数分で奥の奥まで吟味した二人は奴隷商の隅まで見て折り返して帰ろうとする


「アルス、そろそろ帰りましょう」



セレスティーナが奴隷商の入口まで歩いていくがアルスはセレスティーナに着いていく事が出来ない


胸騒ぎがする。何か忘れている様な、ここに来た目的を果たしていない様な




「ちょっと”アルス”何してるのー早くー」



セレスが大声でアルスを呼ぶのと同時に一つの牢で大きな物音がする



「あ…あ…アルス?」



アルスは自分の名前が呼ばれた気がして横を向く



横の牢にはセレスティーナより少し年齢が上の女性がアルスをまじまじ見つめていた



「もしかして……アルス=シス=エルロランテ様ですか?」



「おい、女失礼だぞ」



「ちょっとアルス何してるの?」



奴隷商人が叱責し、セレスティーナが駆け寄ってくる。アルスは二人に止まる様に指示を出す



「何で、俺の名前を知っているんですか?」



「何年か前にエルロランテを名乗る者に買ってもらえって、アルス=シス=エルロランテに買ってもらえって……」



女性は泣きながら言う



「落ち着いて、その話は誰から聞いたの?」



「アルスの従兄弟って言ってたわ、家名は確か…………」



「バラムトレスですか?」



「そ、そうよ二人組で……」



「片方剣で片方魔法銃ですか?」



「そ、そうです……」



(この女性は何年前から居るのだろう…)


「商人さん、この方は何年前にここに来ました?」



「んんー、この女は確か……5年前だったかな」



(五年前だと……五年間も来るかも分からない俺を待っていたと?これは……)



「商人さん、この方を買います今すぐ手続きを」



「えっ!?あっ、はい、今直ぐに!」



「アルス、なんでその女性なの?」



「理由という理由は無いかもしれない……でも運命的なのを感じたんだ」



準備が出来て、女性が牢から出る。髪はボサボサで肌も荒れているが素が良いのだろうとても整っている様な雰囲気はある


奴隷は基本的に奴隷紋という、何でも言う事を聞かせる紋章を入れるらしい。主人に反抗する奴隷が多いからだ


しかし、アルスは今回奴隷紋を入れなかった。


信用出来るからだ、勿論最初の会話は女性が牢を出る為についた嘘なのかもしれない


歳下の坊ちゃんだからと舐められているのかも知れない。しかし



アルスには鑑定がある



鑑定にはドゥのミドルネームがある為男爵家の令嬢なのだろう


男爵令嬢だからと決めた訳では無い、一番惹かれた所スキルだ




【光魔法8】




アルスは突然の悪寒に全身を震わせた


これは有り得ないと言っても過言じゃないのだ。属性魔法の中でも雷、氷よりレアでレア度言えば時空間魔法に匹敵する。時空間魔法が扱いが難しいのに比べ魔力量が少なくとも扱いが簡単な光魔法は即時国の最高機関に入れられ重宝される程


これと同じ系統の闇魔法があるが、闇魔法は現在では確認出来ておらず、過去にも魔族にしか発現しなかったという


そのくらい貴重な物が何故奴隷が持っているのか、そして何故今まで誰にも気付かれずに居たのか


そんな事出来るのは神しかいない。それもハデスの言っていた本当の主神側の神だ


神がアルスの為に用意したとしか考えられない、一人の人生を削ってここまでするか。という恐怖での悪寒だ


アルスは会計を済ませ奴隷の女性を店の外に連れ出す


日光に慣れていないのか目をすぼめ俯く女性



「今一緒に居た女の子が服を買って来てくれます。待つ間少し座りましょうか?」



アルスと女性は近くのベンチに腰掛ける



「あ、あの私の名前は何にしますか?」



「奴隷は確か主人が名前を決めるんだったね……君には立派な名前が既にあるのに……ねぇ」



その言葉に女性は驚き、目を見開いてアルスを見る



「ヴァイオレット=ドゥ=イシュタルフォーゼさん」



「ど、どうしてそれを?」



「俺、鑑定持っているんで分かるんです」



「凄いですね、ご主人様は」



「アルスでいいですよ、俺の事は」



「アルス様?」



「はい、ヴァイオレットさん宜しく」



ヴァイオレットは仮だが、アルスの専属メイドになった



▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢




セレスティーナが買ってきたメイド服などを着させ髪を整え肌も整えるとスレンダーな美女に変身した


これにはセレスティーナも感嘆の声を上げ、着せ替え人形のようにヴァイオレットで遊んでいた



学園の寮は一人までなら従者を入れられるのでヴァイオレットをアルスの部屋に泊めた



特に変な事はしないがヴァイオレットが落ち着かないのか椅子で寝ている。その寝顔はどこか気を張っているようにも見え、どこか安心した様な顔にも見えた



日が沈み出した頃ガーネットが寮に帰ってきた。カルセインと一緒の所を見るに何らかの報告なのだろうか、それともただ家に帰っただけなのか



「アルス、話があるわ明日の9時王城へ来て。これは貴方の主人としての命令よ、絶対に来なさいセレスは連れずに」



「了解しました」



アルスは王城に行く事になった

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