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THE BLACK KNIGHT  作者: じゃみるぽん
二章・学園
23/183

【幕間・もう一つのエルロランテ】

結構重要になるかも

とある街の高級バーで三人の男が酒を飲んでいた


「エルロランテ卿!お客様が来ました!」



「おい、弟もエルロランテ卿なんだよ、被るから俺の事はギャスパーでいいって言っただろ!!」


通常家名が同じになる事は無い、国王が新しい家名を独立した家に与える為だ。ウルグ=シス=エルロランテとギャスパー=トロワ=エルロランテは実の兄弟だ


国王はエルロランテの家名をウルグに継がせ、ギャスパーには新しい家名を与えたがエルロランテの家名を誇っていたギャスパーはエルロランテの家名を簡単には捨てられなかった


公の場には与えられた家名を名乗るようにしているくらいだ



与えられた家名はバラムトレス


この名は地域によっては恐れられる家名だ



「す、すいません!お客様が来ました!」



「通せ」


男の一人はギャスパーと言うらしい筋骨隆々の身体に腰に提げた魔法剣がとても映える


見た目は40から50だろうか


左右の二人は両方20歳位の青年だ。剣を持つ男と銃を持つ男がいる



「失礼します、ギャスパー殿アーバンドレイク公爵様から召集がかかりました。いつもの屋敷に集まれとの事です」



「ご苦労、了解した準備でき次第向かう」



アーバンドレイク公爵の使いだろう、要件を言い終えるとバーを出ていく



「ジョン、ディーンこの街に違法奴隷商会がある俺が帰るまでに潰しておけ」



「「あぁ」」



ギャスパーはバーを出ていく




▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢




「ディーン商会潰した後の奴隷はどうする?」



「俺は買わないぞ、今年10歳の従兄弟に贈るか?」



「おいおい、10歳は早いだろ…後5年は待て」



「そろそろ行くか?」



「そうだな」


二人はグラスに残ったウイスキーを飲み干し金貨を一枚置いてバーを出ていく



「ディーン煙草あるか?」



「あぁ、はい」



ディーンとジョンは煙草に火をつける



「この街で違法奴隷商会か…ジョンどう思う?」



「まず間違いなく、貴族が関わっているな」



「やっぱりそうだよな……」



二人は街を歩きながら奴隷商会の背後関係を考察する


「バラムトレスの御二人〜今からアレですかい?」



「「あぁ」」



「あの商会冒険者を雇っているから気を付けてな」



「ランクは?」



「そこまでは分かんないですよ〜顔は見た事無かったんでSでは無いのは確実です」



「なら、全然問題ないな。なぁディーン」



「あぁ、瞬殺だ」



▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢



街の中央に最近建てられた建物がある外観は綺麗で中で違法奴隷が販売されているとは誰が思うだろうか



違法奴隷は普通の奴隷と違う



普通の奴隷は何らかの犯罪でなる事が多いが違法奴隷は文字のまま、拉致られ奴隷にされた者が多い



「おい、お前ら早く降りろ」



馬車の外から声がする。人が隙間なくが詰め込まれた馬車には男女それぞれ10人程乗っている


馬車の中はとても臭い、汗の匂いから排泄物の匂いまで様々な匂いがする


馬車の人は全員目の光が消えていて生きた屍のような風貌ばかり



私は外に出る。空の光が眩しくて目の前が真っ白になり周りがよく見えない、腕を捕まれ何処かに入っていく


金属音がして扉が開く、牢屋だ



「お前は買い手がつくまでここで暮らすんだ。いい買い手がつくといいな」



目の前の太った男は笑いながら乱暴に牢の扉を閉じる



私はここで死ぬのだろうか、父と母はモンスターの大群に殺され、自分は奴隷にされた。貞操はまだ守れているものの買い手がついたら一瞬で犯されるだろう



今年で13歳になる私はあまり豊かではない男爵家の次女だった



長女は結婚して男爵家に嫁いで出ていった



私と長女以外家族はみんな死んだ。呆気なすぎる死に涙も出ない



初めてこの牢屋に入って2日経った。ご飯は一日一回でお腹が空く


(誰が良い人買ってくれないかな……)





▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢






「いらっしゃいませー、今日はどういったものをお求めで?」


ここに誰かが来たらしい、いらっしゃいませという事はここは店で奴隷販売店なのだろう



「そうだね、何か欲しいものある?ジョン」









「命かな」



バァン


店内に銃声が響く


「ここは違法商売を行っている!エルロラ…あ違う違うバラムトレスが差し押える!!」



数回の銃声と地面の血溜まりを踏む水の音が聞こえた後牢屋の扉が開く



俯いていた顔を上げると青年が二人立っていた



「奴隷はこの子で最後かな、君ってもしかして貴族?」



「……はい、買ってくれるんですか?」



自分を救ってくれた二人は少女の目に輝いて見えた



「買わない買わない」



手を振りながら否定する姿に落胆する



「俺らそこまで良い奴じゃないぞ」



「そ、それでも私何でもします!買ってください」



「嫌だね、自分をもっと大切にしな。今から奴隷全員王都の正式な奴隷商に送る。そこでもっとまともな貴族に買ってもらうといい」


「ジョンの言う通りだ、王都の貴族は基本的に性格は悪くても汚い貴族は少ない。あくまでも少ないだがな」




「そ、そんな…」




さらに落胆する私を見て二人は何やら話し合っている



「もし、もしだぞ。王都の奴隷商にエルロランテという名を名乗るやつが店に来たら其奴に買ってもらえ」



「あぁ、名前はアルス。アルス=シス=エルロランテだ。実は俺達も顔は見た事ないんだが俺達の従兄弟だ」


「アルスの父親がいい人だからな、アルスも良い奴だきっと」


「そうだなきっと」




「分かりました!王都でアルス様が来るまで待ってます!!」






アルスと少女の出会いは5年後になる





▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢


ジョンとディーンはいつものバーに居た


「さっきの少女無事アルスに買われるといいな」



「いや、大分難しいぞ。アルスが良い奴だったとしても良い奴ほど奴隷商には行かないからな」



「そうだな、神のみぞ知るってやつだ」



「ハハハ、違いない」



煙草とウイスキーのいつものセットで寛ぐ二人に向かって歩いてくる人影



「ジョン、ディーン仕事だ」



父のギャスパーだ



「「相手は?」」



「転移者」



「面白い」

「楽しみだな」



グラスを置き、吸いかけのタバコを踏みつぶし三人はバーを出る



日の目を見ない仕事ばかりして来たバラムトレスの三人。褒められる仕事かと質問された場合どちらの意見も出そうな仕事だ


貴族でありながら汚れ仕事を進んで行い、血で血を洗うような一家だが平民からは信頼が厚い


この一家の功績はあまり知られない、今回も



転移者の殺害だとしても

次回、アルスとおっきくなった少女の邂逅かな

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