【2章・王立魔法学園】7
アルスは一日の授業が終わり、寮に向かっていた時アルスは数人に監視されている事に気付いた
(誰だろうな……悪意は無いけど…1…2…3…4人か……)
アルスは寮に向かっていたが監視を寮に入れる事は危険だと判断して学園から出ていく
(ついて来てるな……)
アルスはそのまま王都の路地裏に入っていく
「あの、なんでしょう?」
「我々は聖騎士マスティマ様が任務達成の為、弊害となりうる存在を排除する者だ」
「ご丁寧にどうも、俺も貴族だから金はある方なんだが……金では解決出来ないか?」
「そんなものは要らない、お前が死ねば任務達成率が高くなる。金より命で解決だ」
淡々と告げる様に喋る白いローブの男達からは感情を感じず、仕草も4人共統一されており、身長以外で見分けるのは難しそうな印象だ
「はぁ……俺はなガーネットの護衛なんだよ……護衛対象が命狙われてるのに護衛が死んだらお終いじゃないか……」
「第三王女を殺す直前にお前を殺したらお前の断末魔といういい冥土の土産を送れるぞ」
「なんで俺が死ぬ前提なんだよ、先にお前らの魂を冥土に送ってやる………かかってこい」
白いローブの4人組は剣を抜いて走ってきた。走り方は暗殺を生業にしている人そのものの走り方でエストの聖職者とは思えない
一人目は身体強化だろうか高く跳び路地の壁を伝い空中から攻撃してくる
二人目は正面から突っ込んでくるが二人目の真後ろに三人目が続いていて三人目の不意討ちを狙っている
四人目は何かの詠唱をしている
アルスは一人目を結界魔法の結界で弾く、アロンダイトを抜き一人目の左右の肩関節と肘関節と股関節と膝関節を切断する
二人目と三人目の攻撃を一旦、雷魔法『迅雷』で躱しつつ四人目の背後に移る
「《……よ大地の力を以て穿》…ぁっ……」
詠唱途中の四人目を真後ろからアロンダイトで突き刺す
ここで二人目と三人目は勝てないと分かったのか路地の家の屋根に乗って逃げようとする
しかし屋根に乗ろうと跳んだものの空中で何かに当たったかのように二人目と三人目が地面に落ちてくる
「あぁ、結界魔法でこの空間は囲んであるから逃げれないよ、それに気付かなかった?俺さっき雷魔法使っても人が来なかったよね?実はこの空間遮音にも優れてるいい結界なんだよ」
「ならば、お前を殺して去る」
二人目と三人目は凄まじいスピードでアルスに迫る
「まとめていくぞっ『破撃』」
アルスの破撃により二人は身体が弾け飛び、所々欠損した身体の一部が撒き散らかされた
「よかったよ、お前らが路地裏まで着いてきてくれて、学園でこんな事したらセレスとガーネットに嫌われてしまう」
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アルスは路地裏を出て学園に帰って行く、学園に着いたアルスは真っ先にカルセインの部屋に向かう
「カルセイン殿下、アルスです」
「アルスか、入れ」
カルセインから許可が出たので入って行く
「アルス、何故殿下を付けた?」
「護衛任務の事なので、公的な呼び方の方が良いかと」
「………分かった、話せ」
「先程、エストの聖職者と思われる白いローブの集団に襲われました」
「何っ!?大丈夫かは……聞くまでもないな」
「はい、目的はやはりガーネット殿下の殺害です。私を殺しに来た者達は聖騎士と近しい者だと思われます」
「ではもう、近くに来ているという事だな?」
「恐らく」
「分かった、俺から陛下に伝える。アルスはこれから今まで以上に警戒しておけ」
「……言われなくても」
アルスはボソッと呟く
「あ?」
「いえ、分かりました」
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アトランティス王国〜王都の教会〜
王都の教会では聖騎士マスティマが4人の帰りを待っていた。報告次第では何時でも動けるように準備したマスティマだが報告が何時もより遅れているため動けない
「遅いな……」
「な、何がでしょう?」
「俺の配下に仕事を頼んであるんだが、帰りが遅い」
「教会の者に探させましょうか?」
「頼んだ、俺は祈りを捧げてくる」
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翌日、アルス達はいつも通りの教室に入り魔法学の授業を受けていた。内容は同時魔法発動による効果の変化という授業だ
(へぇー、面白いな)
「ここで火魔法と風魔法を組み合わせると、どうなりますかストレイフ君」
「強力な火魔法が発生する?」
「そうです、低位の火魔法と低位の風魔法で中位から高位の魔法に匹敵する火魔法を生み出せるのです」
「しかし、これは今の所二人がかりで出来る技術でとても実用的では有りません」
(へぇーやってみたら意外と出来るかも知れないな)
アルスが授業を聞いている時、教会では司祭が顔を青くして教会内を歩き回っていた
「どうされました司祭殿」
「おぉ…聖騎士殿…先程王都のある路地裏で聖職者が殺されていたのです」
空気が変わり暖かい雰囲気の聖騎士から体が凍りそうな程の悪寒が出る
「それは……どのような聖職者でした?」
「し、白いローブの4人組です」
「あぁぁぁ…恐ろしい…恐ろしい……神に仕えし我らを殺すとは……万死に値する」
聖騎士マスティマはローブを翻し、教会を出ていく
「ど、ど、何処へ行かれるのですか?」
「……私本来の仕事を片付けに」
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王立魔法学園〜Sクラス〜
「………であるからして、この魔法は使い方によって味方に被害を与えてしまうわけなのです」
(……ん?これは…)
アルスは空間知覚に凄まじい殺意をもった者が一人入った事が分かり、立ち上がってカルセインを呼ぶ
「カルセイン”殿下”、奴が来ました」
「行くのか?」
「はい」
「先生、少しトイレに行きたいので退出の許可を」
「いいぞ」
「アルスどうしたの?」
セレスティーナが聞いてくる、決してトイレでは無い事は空気感で感じているだろう
「帰って来たら必ず言うよ」
アルスは教室を出てそのまま学園の門まで歩いていく、学園の前には灰色のローブを纏った男が居た
「先程から視ていたのは貴様か?」
「あぁ」
(空間知覚がバレてたか……)
「一つ聞きたいんだが、昨日聖職者を見なかったか?」
「白いローブの4人組かな?勿論、殺したが?」
「ほぅ、度胸があるじゃないか」
灰色のローブの男が腰に手を伸ばした時
「『空間移動』」
アルスは空間移動の魔法を使い辺りに何も無い丘のような場所に移動する
「なっ……時空間魔法…っ……」
「学園でやり合うのは色々まずいだろ?」
「それは貴様だろ、人を殺す場所なんて俺には関係ない事だ。所詮人間の集まりでしかないお前らは絶対的な存在に勝つ事など”有り得ない”んだよ」
アルスは確信したこの聖騎士は神に通じる何かがあると、”絶対的な存在”という言葉が出る事自体怪しいが有り得ないと割り切るその自信は恐らく神の誓約の事だろう
『鑑定』
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《マスティマ》
[スキル]
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(なんだこれは………)
アルスは目の前の聖騎士を鑑定したがマスティマという名前以外見たことも無いような文字で埋め尽くされており、スキル欄を読み取る事が出来なかった
「貴様では視る事は出来ない、俺の身体は人間と神が混ざっている。神のスキルを人間は見ることが出来ない」
「……どうでもいい、スキルが見えないからと言って勝敗が決まる訳じゃない」
「どうでもいいだと?貴様ら人間が崇めている神の血が俺には流れているんだぞ、人族は神に勝つ事は出来ない。そういう決まりだ、平伏しろ、這い蹲れ」
聖騎士マスティマは神と人間のハーフなのだろうか、神のスキルとはなんだろうか
「五月蝿い、黙れ。俺の平穏を奪う者は誰であろうと殺すそう誓ったんだ」
「殺すだと?俺を?………やってみろよ!」
アルスは雷魔法『迅雷』で後ろに跳び『雷霆』で聖騎士の身体を抉ろうとするが、アルスから一直線に放たれた雷霆は聖騎士を包み込んだものの無傷だった
(やはり、神器でなければ倒せないという事か)
アルスは神器保有者であれば、その保有者の魔法も神に有効なのだろうか、と多少の希望を抱いていたが今のコンマ数秒で希望が打ち砕かれる
アルスはアロンダイトを抜く、心做しか花紺青の剣身が輝いているように見える
三年の鍛錬の後、試験でアロンダイトを抜いた後から、アルス自身の心持ちが変化するように感じられた
鍛錬ではない実戦をアロンダイトが望んでいるかのような昂りを感じたのだ
聖騎士を前にアロンダイトを抜いた時もそうだ気持ちが昂り、アロンダイトも煌めいている
「貴様……その剣はなんだ魔剣か?」
「どうだろうな……聖剣でも魔剣でもどっちでもいいだろ」
「…………」
聖騎士マスティマはアルスの持つ剣から二つの恐怖を感じていた。それは剣から感じる謎の恐怖、そして人族には決して殺されること無い自分がアルスの持つ剣を前に恐怖を感じる理由が分からない恐怖
「……貴様は、今直ぐ此処で抹殺する」
聖騎士マスティマがアルスに肉薄する。聖騎士の振り下ろされた剣はアロンダイトによって防がれ、アルスは『四閃四死』で四肢の切断を狙うが聖騎士マスティマに届いたのは右脚を狙った斬撃のみで他は全て聖騎士マスティマの剣で弾かれる
唯一届いた右脚の斬撃も鎧を砕くも右脚の切断には及ばず深く切り裂くのみに終わる
「貴様……何故っ!俺の身体を傷付ける事が出来るっ!!!」
聖騎士マスティマが焦る。流石半神と言うだけか右脚が半分ほど切り裂かれているのに脚を気にしている様子はない、寧ろその過程が気になるようだ
「さぁ?人族は神を殺せなくても半分人間のお前は人族でも殺せるのかもな」
「そんな事はないっ!!俺は神の誓約に守られているはずだ!!」
聖騎士マスティマは手の平をアルスに翳す
「………はぁぁぁぁぁぁぁぁ『聖貫通砲』死ねっ!」
聖騎士マスティマから放たれた白い光線をアルスはアロンダイトで受ける
(…っ何だこの魔法っ!!)
聖騎士マスティマは白い光線を受け止めているアルスの背後に回りアルスの上腕に剣を叩き込む
アルスは吹き飛ばされて地面を転がる
「神に逆らうとどうなるか分かったか!人族は神に逆らう事は出来ないんだ!」
地面に伏せていたアルスが立ち上がる、腕から少し血が垂れる
「たった一撃当てただけで粋がるなよ聖騎士」
「なっ………な、何故だ!」
「俺は少し身体が頑丈な……」
アルスが言い切る前に飛んで来た聖騎士マスティマの前蹴りを雷魔法『迅雷』で躱す
(喋ってる途中なんだが……)
「『聖付与』『天斬』」
アルスは聖騎士マスティマの剣を受け止めるが、地面が陥没してしまい体制を崩す
体制を崩しながらもアルスは『絶影』で聖騎士マスティマの背後を取り左腕を切り落とす
「………っぐ……貴様ぁぁぁ」
アルスは数メートル後ろに飛び腰を低く落としてアロンダイトを構える
「黙れ、今楽にしてやる」
鼓膜が破裂する程の轟音共にアルスは旧王国流剣術『無牙突』を放つ
無牙突は見た目は単純な剣の突きだが、音速を超える程の速度で突く事で空力加熱を起こし、剣自体を溶けるほどの温度まで加熱させ突く事で相手の受け止めようとする剣や防具、更には相手の身体を溶かし、衝撃波で吹き飛ばす技である
本来『無牙突』は使用者の片腕と剣を犠牲にして放つ技だが、熱で溶けず持ち手が無事なアロンダイトを持つアルスは何度も放つ事が出来る
アルスは『無牙突』を一撃目で聖騎士マスティマの顔面に二撃目は心臓を貫く
周囲は結界で囲ってある為、無牙突の轟音で人が集まることは無いが、仮にも人が多い王都だ
「…………よし、帰るか……」
アルスは時空間魔法で予備の制服を取り出し、血と土で汚れた制服を仕舞う
(神と人間のハーフね……半神か、様子見なければ一撃でいけたかな…)
アルスには魔力量が足りず一日一回が限界の正に奥義とも言える技がある。時空間魔法の『次元断裂』と旧王国流剣術の剣撃を併せた『次元斬』である
次元斬は次元ごと敵を切り離す為、魔力さえあれば”絶対に”殺せる技だ、これを使えば聖騎士マスティマだって一撃で屠れたのだ
しかし、魔力を使い果たしてしまう為学園で授業がまだ残っている現状では一生徒として一貴族として首席として魔力を使い果たし魔法が使えなくなるのはあってはならない
(20分〜30分位かなギリギリトイレで押し通せるか……?)
アルスは『空間移動』で教室の前に移動する。中ではまだ授業をしていた。扉を開いて退席した事を教師に謝りながら席に戻る
「カルセイン”殿下”片付けました」
アルスはカルセインに報告すると目を見開いた後安堵した様な顔になる。
「アルス、後で話があるわ」
セレスティーナが無表情で言う
「あぁ、分かった」
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アルスとセレスティーナとガーネットはまた学園の中庭に来ていた
「アルス何か隠してない?」
「何も隠してないよ」
「………嘘つかないで」
「どうしたのセレス、あなたアルスがトイレに行った時からおかしいわよ?」
「……ガーネットはアルスを見て何か気付かないの?」
「えっ?なんだろう……分からないわ」
「アルス、正直に言って……制服変えたわよね?」
(……なんで分かるんだ!?)
「えっ!?嘘っ!!」
「アルス、嘘は言わないで正直に教えて欲しい。トイレと言って出てった後何をしていたの?」
少し沈黙が流れる
「……エストからの刺客を倒しに行ってた」
「……ほら隠してた、制服を変えたのは怪我をしたせい?」
「……あぁ、少しだけ」
「だめよ…もっと自分の身体を大事にして!」
「ごめん……これからは気を付けるよ」
セレスティーナの説教は長く続いた、周りで色んな人に見られているとは知らずに
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エスト神聖王国〜大聖堂〜
「聖騎士マスティマが殺された、相手は特定出来ず、神槍、聖剣の仕業では無い事は把握済み、魔剣、神弓が出現した可能性あり。と法王様に伝えろ」
「はっ!」
(何者だ……マスティマは決して油断する性格ではないはず……新たな保有者が出現したとしたら、厄介な奴だな…)
「マルジェラ大司教ー!報告ですっ!敵軍にアトランティス王国の炎帝、雷帝を確認!」
「何!?直ぐにSランク冒険者で迎撃しろ!あの二人には数で仕掛けるな、質で仕掛けろ!」
「はっ!」
(何故、炎帝と雷帝がストロヴァルスに協力している……ストロヴァルスが負ける事くらい分かっているはずだろうに)
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大聖堂〜地下〜
大聖堂の地下にある牢屋、そこに鎖で繋がれた一人の男が居た。
西条拓斗
西条拓斗は都内の高校に通う極一般的な男子高校生だった、あの日は学校の帰りだった歩道を歩いていたら隣の工事現場の上空から鉄骨が落ちてきた頭に当たってからは記憶が曖昧だった。
一瞬で頭が潰れ意識が無くなった西条は辺り全てが白い謎の空間で目を覚ました
(ん……なんだ…ここ)
「ようこそ、死後の世界へ貴方は魂の無差別選抜で選ばれたので冥府から特別に魂を蘇らせました」
「死後…選抜…冥府?な、何を言っているんだっ!ま、まずお前は誰だっ!」
「随分と混乱していますね、では簡単に説明しますね。まず、貴方は死にました、冥府に送られるはずの貴方の魂を”私の気まぐれ”で数ある魂から選び抜き蘇らせて今に至ります」
「私の事は下っ端の神だと思ってくれれば」
「……死んだ事は……分かる…が、なんで蘇らせた?何の為に?」
「今から貴方が向かう世界を救ってもらいます」
(世界を救う?)
「魔王とかからか?」
「いえ、魔王はとっくに死にました。貴方が倒すのは神です」
「神だと!?そんな悪者みたいな事出来るかっ!」
「いえ、神が決していい存在とは限らないのですよ、西条殿。この私ですら長年こうやって死んだ者の魂を勝手に蘇らせて遊んでいますし、神の中には向こうの世界を眺めているだけの神も居ます」
「なんだ……それ…良いのかよ、神がそんな体たらくで」
「いいのです、神なので」
「その……俺が行く世界でどう神を殺せばいい?」
「いいですね、話が早いです。今から貴方にスキルという物を与えます、それから…………」
(どうやらスキルという物でそこら辺にいる神を殺せば良いらしい。3000年前より神の個体数は減っていっており、昔よりは簡単らしい、半神と呼ばれる半分神、半分人間みたいな存在も殺せ。というのが俺の仕事というわけだ)
「はぁ……なんで神側に捕まっちゃったんだよ俺は……」
西条拓斗は神から得た【消滅】を使おうとするも使うことが出来ない。鎖の効果か、それともこの世界の神が薬でも飲ませたのか分からない
(俺って、何なのかな……まぁいいや寝よ)
西条拓斗は謎の思考に陥り眠りにつく
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アトランティス王国〜王城〜
王城の一室では二ーヴル王太子と数人の家臣が話し合っていた
「王太子殿下、どうやらエストの監視は相当深い所まで及んでいる可能性があります」
「どうやら、そのようだな王国内で殺されているのを見ると……まだ多くの間者が居るようだな」
この部屋で話されている内容は先日、虚無の大森林の遺跡の調査で分かった”エストの主神の変更と無くなった王国”の事を死刑囚に教え言いふらすように王国からエストに旅立ってもらうという計画の事だ
一見死刑囚をただ逃がすだけにしか見えない計画も遺跡にあった”神は人族を何時も監視している”という妄言の様なものの事実確認の為に行われたのだ
この計画で死刑囚は王国からエストに向かう小さな町の宿屋で死亡が確認され、王国内にエストの間者がまだ隠れているとの結論が出た
「これからの方針を決める……再度虚無の大森林の遺跡に潜る」
「「なっ……」」
「数は五千、冒険者数名をを斥候に出し、攻略よりも内部の情報、過去の情報を探りに行く。遺跡のモンスターは強力だ、その為今年から兵力の底上げを行う。今日の所はこれで以上だ」
「「「はっ!!!」」」
 




