【2章・王立魔法学園】6
アルス達Sクラスは模擬戦場に集まっていた。しかし模擬戦場に居たのはSクラスだけじゃなかった
「よーし、各自武器を持てー、急遽Aクラスから模擬戦場を使いたいとの要望が出たので合同で使う事にしたぞー」
(Aクラスか……Sクラス皆の実力を完全に把握していないからな……果たしてAクラスがどれ程なのか……)
「ゼアル先生、うちのAクラスがSクラスと模擬戦をしたいと言っているのですが」
「ほう、うちとですか…ちょっと聞いてきますね」
「Sクラス集合!Aクラスが我々と模擬戦をしたいと言っているらしいんだがどうだ?」
「先生」
「なんだカルセイン君」
「私もですが、この場の全員がお互いの得意武器、得意魔法を知らないと思うんですが」
「そうだな…まずそこからだな……」
どうやら、ストレイフが剣、エリゴスが剣、オロバスがハルバード、セーレが双剣、シトリーが弓らしい
ストレイフとエリゴスの剣は魔法剣だろう
オロバスのハルバードは2メートル程の白いハルバードだ
セーレの双剣は左が赤く、右が青い特殊な双剣
シトリーの弓は装飾が凝った弓だが弦と矢が無い変わった弓を持っている
カルセインは魔槍だろうかセレスティーナの白龍の剣の剣身と似た様な輝きを持っていることからオリハルコンが使われているのだろう
アルス達は模擬戦に賛成したもののメンバーの選出に手間取っていた
アルス達は10人しかいない、武闘大会はチーム戦で行われる為模擬戦で戦うという事は数少ない手の内を晒すことになる
Aクラスは20人いる
「先生、戦うのは何人でしょうか?」
オロバスが聞く
「何人でもいいと言っていたぞ、だが分かっているよな?」
「はい、極力少数で且つ手の内を晒さないまま勝つ事ですよね」
オロバスが答える
「そんな事出来るのって……」
ガーネットが呟く
「「「アルスしかいない」」」
(ちっ、やっぱりそう来たか……護衛が率先して戦うなんて聞こえ悪すぎるだろ……)
「俺は認めたくないがアルスならば、一瞬だろう?」
ストレイフが言う
「そうだね、アルス君の戦う姿見てみたいなぁー」
セーレが言う
「んー、分かったよ、一瞬で終わらせてくる」
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「では、これよりSクラスとAクラスの親善試合を行うっ!!」
「構えっ!」
お互い軽くお辞儀をする。相手は剣を抜き正面で構える。対してアルスはアロンダイトを抜かない
「良いのか?」
審判が聞いてくる
「はい、魔法を使おうと思いまして」
「分かった、それでは………始めっ!!!」
「はあぁぁぁぁぁ」
相手が雄叫びをあげて突っ込んでくるがただ突っ込んできているだけでは無い
無詠唱で発動した『水弾』を音でバレないようにする為だろう、しかしアルスには『空間知覚』で知覚している為相手の真後ろで準備されている水弾の存在は筒抜けである
アルスは手の平を地面と並行にして指を揃えた後に呟く
「……『雷電穿刺』」
アルスは見た目は派手では無いが速さと貫通力がある雷電穿刺を使う
相手はアルスの雷電穿刺に貫かれ、走った勢いのまま前に倒れて動かなくなる
「勝者!Sクラス!」
Sクラスの皆の拍手が聞こえる
「流石に早すぎじゃないか?Aクラスは何を考えているんだ?」
エリゴスが言い皆が頷く
「分からないね、何か特殊なスキルを持った子が居るのかもね」
セーレが言う
セーレが言うような事は無くはないが、あったとしてもAクラスは教えてはくれないだろう
「ゼアル先生今回はありがとうございました、アルス君は流石に強いですね」
「えぇ、ありがとうございました。次は公式な場での対戦になるのでしょうか?」
「そう……ですね、その際は宜しくお願いします」
「はい、宜しくお願いします」
アルスの謎の親善試合が終わり、Sクラス内で軽く手合わせをして授業が終わった
次長くしようかな




