初級クエスト
「ミシェルさん、なにかいいクエストありませんか?」
ミシェルと言うのはギルドの受付嬢の名前だ。まだ2人とも登録したばかりなので討伐クエストを受けることはできず採取クエストを探している。ちなみにランク分けはブロンズ、シルバー、ゴールド、ダイヤ、グランディディエライトの5つに分かれる。先の適正検査で能力がいのりよりも劣っていたことに落ち込んでいると
「天斗は頭がいいんだし手先が器用なんだから何とかなるよ!天斗ならそのうち攻撃できるロボットなんかも作れるんじゃない?」
いのりは鋭かった。俺は自分の能力を過信してないし弱い事も自覚している。自分だけならいいがいのりだけは絶対に守り抜くと心に誓った俺としては危険だけはどうしても避けたい。
「天斗、鉄鉱石の採掘依頼があるよ。危険は少ないしどう?」
「分かった。それを受けよう。」
僕達は掲示板から依頼書を剥がしミシェルさんに渡した。
「はい、これで受付完了だよ。気をつけていってらっしゃい。」
ギルドにいる他の冒険者が何だかざわざわしている。
「なーあいつが前に話をしていた使えねースキル所持者の奴か?」
「えぇ。規則だからスキルについては話せないけどメンバーを探しているなら、あの子だけは止めといた方がいいわよ。」
「そうなのか!そういえば奥から悲鳴が聞こえてきたのはなんでだ?」
「実はスキルチェックをしていたバイトの子がそれ依頼トラウマになって男性恐怖症になっちゃったのよ。だから男性冒険者をみると悲鳴をするか泣き出して困ってるのよ・・・まじめに働くいい子だったのに残念よ。」
ミシェルさんと男が話をしている。
聞こえるか聞こえないくらいの声で話をしている。
「ありがとうございます。じゃ行って来ます。」
ギルドを後にし鉱山へと向かった。
「ミナ、お待たせ。出てきて良いよ。」
「やはり外の開放感は格別ですね、マイマスター」
やはり鞄の中は窮屈なようだ。
「ところでマイマスターに質問です。マスター達はこの周りにある緑色をした光が見えていますか?」
「緑色の光?俺は全くだがいのりはどうだ?」
「私も全然見えないよ。それがどうしたの?」
「はい、実は分析の結果これらはマナもしくは魔素と言われるもので本来地球には存在しない物質でした。なぜこれらが急に出現したのかは不明ですが少しづつ地球の生命体に影響を及ぼしているようです。それが証拠に生命体の周囲にはこの緑色の光が体を覆っていてより光を強い個体の身体能力が高い事が分かりました。身体能力が向上したことやスキルの発現はおそらくこれらが関与していると思われます。」
もしも身体能力があがる手段があるのなら是非知りたいと思っていたので一旦ここで休憩しミナの話を聞くことにした。




