適正検査終了
「じゃ場所を移します。案内よろしくね。」
横に控えていた小柄な女性が部屋まで案内してくれるようだ。
「こちらです。必要な物があれば言って下さい。できるだけ用意致します。」
「2人とも特に用意する物はありませんので続けてください。」
「はい、分かりました。では天斗さんからお願いします。」
「分かりました。カスタマイズ!」
私服からスーツに着替えさらに学ランに着替えた。
「えっと・・・早着替えが特技だと分かりましたが、これはあくまでスキルの検証ですので次は真剣にお願いします。」
女性が言葉に詰まっていた。こうなったらやけくそだ!
「カスタマイズ!」
「きゃーーー!」
海パンに着替えた。しかもブーメランパンツだ。悲鳴を聞いて駆けつけたギルド職員達が僕を取り押さえる。事情を説明しなんとかこの場は丸く収めてもらった。
「はー、気を取り直して、天斗さん、まだ何かできますか?できませんよね。次はいのりさんお願いします。」
「分かりました。お願い、ピッピ!」
何処からともなくピッピが現れ、いのりの右肩に降り立った。
「ピッピ、旋回からの滑空でお願い!」
「ピッピーーー♪」
前に見ていた時よりも少し大きくなったか?ピッピが滑空すると凄まじい突風がきた。自由に空を飛ぶピッピを使役できるアドバンテージは非常に高い。
「他には何ができますか?」
「ピッピの見えている視界を共有することができます。」
「それをここで見せて貰っても良いですか?」
「分かりました。私はどうすればいいですか?」
「そうね、貴方はこの部屋を出て後ろを向き、今から私が地面に書く文章を視界共有で見て答えて下さい。」
「分かりました。」
審査員の女性は、わざと小さく文字を書いた。しばらくしていのりが部屋に戻ってきた。
「王子様、早く迎えにきて・・・絶賛彼氏募・・・もごもご」
審査員の女性の手でいのりの口が塞がれてしまった。どうやら正解だったようだ。
「後ほど適正検査の結果用紙を渡しますのであちらの部屋で待機していてください。」
30分後検査員の女性が戻ってきた。
「用紙を渡しますので1人づつこちらに来てください。」
用紙を貰った2人は検査員からいろいろとアドバイスをしてもらい無事にギルドバッジと免許証を受け取り冒険者となった。