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シーサーペント

「これでも喰らいなさい。」


みちるが生成した塩酸瓶をシーサーペントに投げる。すると背びれで瓶が割れジュワーッと火傷をおった。

だが、さほどダメージがないようだ。だが傷をつけられたシーサーペントがみちるに攻撃目標をかえ鋭い牙で襲いかかるが、それにいち早く気付いた勇気が銛を投げ牽制する。


「エリアヒール!」


さやかがエリアヒールをかけ傷を負った仲間達を回復していく。


「Yo!Yo!おまえはYo!俺たちの事をYo!知ってるかい?巷で噂のYo!シルバーウルフはYo!何を隠そう俺たちさ!あとでサインをYo!せがんでもYo!やらないぜ!」


隼人は、ひたすらラップを唄い続けている。正直、端からみれば隼人は戦闘を茶化しているようにしか見えないが鑑定に「唄い続けることにより対象の物理及び精神耐性を50%低下させる。」とあった。これでも真剣に戦っているのだ!精神攻撃に関しては大いに納得のいくものがあるし、むしろ範囲外の者にも精神攻撃をしているようにも思えるが・・・。


「しまった!」


田中さんがすでに銛が尽きた事に気付き舌打ちをする。


「田中さーん、これを使ってください!」


「おう!助かるぜ!って釣り竿かよ!」


そう言って受け取った物は釣り竿。戦闘中に釣り竿を使った事がなかったのか酷く動揺していた。もしかして自分のスキルに気付いていないのだろうか?


「僕を信じてください。貴方には素晴らしい才能があります!頑張ってください。」


「お、おう。ありがとな。」


「ちなみに、田中さんはいつも釣りをする前に言うかけ声とかありますか?」


実はスキル発動には決まった言葉や準備は不要だ。最初に発動したときの言葉がきっかけとなりスキル発動の呪文となる。


「あぁ、だがそれは1人の時だけだぞ!普段は言わない。」


「じゃ、試しにそれを今大きな声で叫んでみてください。」


「今、ここでか?ま、命がかかっているんだから出来る事は何でもするが・・・」


「It's a game!」


叫んだと同時に釣り竿が光り出した。


「田中さん、お願いします!」


「お、おぅ・・・」


何の効果のあるスキルかは説明していないが釣り竿だし初めてでも何をするべきかはわかるだろう。ま、まさか魔物を釣るはめになるだなんて微塵も考えていなかっただろうが。田中さんが釣り糸を垂らす。すると浮きがちょんと沈む、静止を繰り返し


「ここだ!」


かけ声とともに浮きが海中の中へ深く沈み竿が今にも折れそうなくらいにしなる。


「お、俺だけじゃもたない、みんなも手伝ってくれ!」


仲間が駆け寄り田中さんの体を必死に支える。5分ほどの格闘の末、抵抗が弱まりシーサーペントを看板に釣り上げた。シーサーペントはぎょろりとこちらを見ているがぴくりとも動かない。


「一斉攻撃だ!かかれー」


皆がシーサーペントに各々の武器で攻撃を仕掛ける。だが刺した剣は固い鱗に弾かれた。唯一みちるの硝酸瓶だけはダメージがあった。スキル効果が切れ始めシーサーペントの尾が小さく動きやがて麻痺が切れたシーサーペントが田中達を鋭く睨んでいた。

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