表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

異変

ニュースを見るとあの日見た女神エリスは日本だけでなく中国やアメリカ、フランス、ドイツと言った世界各国で目撃されたようだ。徐々にスキルを持つ者が増え人類はスキルを持つ者と持たざる者に分かれた。1年後、メビウスが地球侵略に来ることを知った各国首脳は国連を通じて今後の対策を議論した。その結果、今よりも軍事力強化が必要であると結論付け各国でギルドを立ち上げることとなった。一方街の人々は1年後戦争が起きる事を危惧し不安な毎日を過ごす者、犯罪に手を染める者、仕事を辞め訓練する者等に分かれた。


天斗(てと)、もうすぐ締め切りだから気合い入れて頑張ってよね。あそこのクライアントはとにかく厳しいことで有名なんだから・・・」


「分かってるてばー」


同僚の姫野いのりがはっぱをかけてきた。いのりはショートカットで性格が男勝りなところがあるが気立てもよく気さくで姉御肌であるため異性はもちろん同性からも慕われていておまけにこの会社の社長令嬢だ。俺の会社の先輩達はもちろん他社の営業マンもすれ違う際に、いのりに対して深々とお辞儀をしている。そんな子と気兼ねなく話せているのは僕達が幼馴染みだからだ。俺も先輩達を見習って入社当時に敬語で話そうとしたが


「知らない仲じゃないんだし今更敬語なんてやめてよね。もし今後、敬語なんか使ったら絶好するから!」


と言われてしまった。


「よし!今日はここまでだな。」


仕事を終え帰宅途中に気になっていたことを尋ねてみた。


「なぁーいのり、女神が現れて一部の人は何かのスキルを授かったようだけど、おまえは何かスキルを習得したかー?」


「私の職業は社長令嬢。スキルは使役を覚えたわね。私、なんでこのスキルを習得できたんだろう?あまり人を使うの得意じゃないのに・・・そういう天斗はどうなのよっ?」


いずれ会社のトップにたつ立場だろうから納得のいくスキルだった。


「僕の職業はプログラマー。スキルはカスタマイズを覚えたけど全然戦闘向きじゃないけどね。これで1年後どうしろって言うんだ・・・」


「ふーん、ねー今からあんたん家言ってもいい?スキル使って見せてよ!私も見せるからいいでしょ!」


「ま、いいけど笑うなよ!」


「うん、楽しみにしてる♪」


いのりは上機嫌に鼻歌を唄いながら俺の家へと向かった。


「適当に座ってて。」


「うん、分かった。」


いのりは特等席だと言わんばかりに僕のベッドに座った。テレビをつけてから2人分のお茶とお菓子を用意し台所から戻る。


「早速だけど私のスキルを見せるから窓空けるね。」


「あぁ。」


「おいでピッピ♪」


「ピッピー♪」


すると1匹の白い小鳥が、いのりの右肩に乗って羽を休めている。


「おまえん家って、鳥飼っていたか?」


鳥を飼っていたとしても俺の家まで呼ぶだけで来るものなのか不思議だった。


「これが私のスキルよ。小さな生き物を一匹だけ使役できるの。人にも試してみたんだけど今の所スキルが効いたのはこのピッピだけみたい。どこにいても私が念じるだけで来てくれるの。凄いでしょう♪」


確かに従順な小動物は可愛くて少しだけ羨ましいけど1年後の戦争には役に立ちそうにない気がしないでもない・・・しかし人にスキルを使った?一体誰に使ったんだ?凄く気になるところだ。


「次は天斗の番よ!」


「あぁ、分かってる。さっきも言ったけど絶対に笑うなよ、振りじゃないからな!」


「カスタマイズ!」


天斗が叫ぶと一瞬にしてスーツから海パンへと着替えた。


「天斗凄い!熱湯コマーシャル出てもきっと困らないよ♪」


熱湯コマーシャル?なんだそれ?次に野球のユニフォームになったり学生服に着替え最後にパジャマに着替えると、その度にいのりが懐かしいとか可愛い♪とはしゃいでいた。


「で、感想は?」


「ま、あれだよ・・・」


いのりが目線を逸らし挙動不審な行動をしていた。


「何が?」


「寝坊して早く着替えなくちゃいけない時とか・・・」


「他には?」


「お風呂に入りたいとか・・・」


「どれもスキルなくても良くねぇ~?」


今の所スキルの恩恵を全く感じていない。もしもレベルが上がったとしてもどこまで役に立つのか今から不安しかない。


「ここで緊急ニュースです!各国で突如、塔や遺跡が現れ突然変異したと思われる動物達が世界中で目撃されています!これがその映像です。」


そこには天に届かんばかりの高い塔や地面から盛り上がってきたような洞窟が映し出されていた。次に猪の群れだと思われたのだが異様に牙が鋭くて大きく突然二足歩行で歩き出す個体が現れ徐々にその数を増やしていく映像を間のあたりにしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ