強盗
僕達はキラーラビットの討伐報酬を貰うためにギルドにきていた。
「はい、キラーラビット討伐及び追加の角21本で合わせて15万5千円。でも、こんなに討伐されたのって随分久しぶりよ。キラーラビットって動きが素早いでしょ。中堅のシルバーランクでも手こずる相手だし貴方達かなり優秀だよ!今後も期待してるからね♪」
実は100羽以上討伐したのだが証拠がないので黙っていることにした。僕達がギルドを出ると数人の男達が後を付けてくる。どうやら討伐報酬を狙った強盗のようだ。路地を曲がると5人の男達が通路を塞いで座り込んでる。後ろに3人だから合計8人。普通なら男の僕がいのりをかばって男を上げる場面だけど手加減が難しいので、いのりに任せることにした。
「最近噂の冒険者だろ。2人で冒険してたんまり稼いでるようじゃないか。俺たちに金貸してくんないかな。返さないけどな。ヒヒヒ」
柄の悪い連中だ。どうせ仕事もしてないだろう。ま、世界を巻き込んだ戦争が始まるって時に、のんきにサラリーマンはできないか。
「こいつ、童顔だけど割と俺のタイプかも。金と女が一緒に手に入るんだから俺たちついてるなー。ケェーケケケ。おい、男は殺しても構わねー。だが女は殺すなよ。」
前にいる5人をいのりに任せ俺は3人の行く手を阻むことに徹した。いのりは手際よく男達を次々と無力化していく。
「この、女はやべー。お前等、男をなんとかしろ!」
俺は3人が、いのりを後ろから攻撃出来ないように通路の真ん中で仁王立ちしているだけだ。だが男達が次々と俺にぶつかってきておまけに刺したナイフが折れてそれが顔をかすり勝手に怪我をしている。ま、男達は思いっきりぶつかってきたからさしずめコンクリートの壁にぶつかったような衝撃があっただろう。腕がぐにゃりと曲がって倒れている者もいた。全員を無力化した僕達は男達を警察に突き出すことにした。ただこの惨状を見たら過剰防衛とも言われそうだったので大声を上げ屋根に飛び乗り現場を後にした。
「ね~ミナ、北海道内に遺跡とか塔がいくつあるか分かる?」
「はい、マイマスター。現在北海道内に6箇所の遺跡と1つの塔が確認されています。ただし政府に入り口を管理されていますから中へ入るのは難しいかと思われます。」
「未発見の場所とかはないの?」
「マスターがそのような発言をされた時のためにナノマシンで密かに探索させておきました。これがその遺跡の画像です。」
そこには森や海、空に隠されるように存在する遺跡の数々であった。これが全て未発見だと言うのだから驚きだ。
「この中で一番近い遺跡はどれ?」
「はい、マイマスター。それはこちらの遺跡になります。」
それは海に囲まれた島だった。
「よし、今日は準備に専念して明日この遺跡に出発だ!」
「何があるのか楽しみだね♪」
いのりも乗り気のようだし初めての遺跡探索に心躍らせる天斗達であった。




