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眠るもの2

昨日の続編です。

「ここは?」

「フフフ、やっと来たわね」

「誰だ!」


 後ろから声が聞こえた。そっちを振り向くと、そこには角が生え、黒い羽根を生やした、悪魔がいた。


「私はあなた。あなたは私」

「どういうことだ?」


 俺の問いには目もくれず、悪魔は手のひらに真っ黒な光を集めだした。


「覚醒しなさい」


 その光が俺を包む瞬間。それは現れた。


「待ちなさい!」


 その声が聞こえる方を見ると、輪を頭の上に浮かべ、純白の羽根を生やした、天使がいた。


「ちょっと邪魔しないでくれる」

「それは、私のセリフです!」

「えっと、あなたたちは?」

「いづれ分かるは」

「ったく、しょうがねえな」

「力は、一緒にあげるって約束でしょ!」

「ふ、悪魔に約束を持ちかけても意味ないぞ。ま、バレたんならしょうがない。やるぞ」

「ええ」


 二人は、手のひらに光を集めた。悪魔は黒い光を、天使は白い光を集め、俺に向かって放ってきた。


「「待ってるぞ。主様」」


 そして俺は戻ってきた。


「ん、んん」


 起き上がり回りを見るとそこには何も存在していなかった。さっきまでいた場所は、超巨大なクレーターと化していた。


「一体何があった?」


 その時、俺の中で何かが渦巻いていることに気づいた。


「この力は、一体」


 その時、遠くから俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「ご主人様!」

『お主、おるか〜』

「居るぞ」


 呼びかけに応えると、ルガーノとにゃぽが、走り寄ってきた。


「無事ですか! ご主人様!」

「おう。大丈夫だ」

『無事でよかったぞ。それよりも、さっきのはなんだ?』

「ん? さっきのってなんだ?」

「……あんなに暴れてたら、記憶も曖昧になるのは仕方ないですね。さっきあったことを話しますね」


 にゃぽと、ルガーノの話によると、俺が、このクレーターを作った犯人のようだ。巨大なクレーターの中心が、村の地下だった場所で、今はない村も俺が消してしまったようだ。


「ご主人様の魔力が暴走した時、この世の力とは別物の力がご主人様から感じました」

『それなら、我も感じたぞ』

「それが、次第に大きくなって、このあたりを黒と白の光が包まれました。ご主人様を中心に地面が平らになって行き、その光が天井に着いた時天井が消えて行きました。私とルガーノはそれに気づいて、ミイナを助け出しました。それからは、逃げに逃げ、光が収まった時ご主人様を探しに来たんです。ついでに、キャスはその光に包まれた時、一瞬で消えてしまいました。多分死んでしまったんだと思います」

「そうか。ありがとうな、ミイナを助けてくれて。ありがとうな、俺を見捨てないでくれて」


 そう言って、俺は2人を抱きしめた。


『我も、人の姿で抱きしめられたいんだが』

「そうだな。「人化」」


 ルガーノは美少女に早変わりし、再び抱きしめた。そんなことを長い時間続けていたら、人がやって来た。


「一体ここで何があった」


 そう言って来たのは、1人の冒険者だった。


「お前、そんなところで何をしている」

「え、いや、別に」

「ここには、村があったはずだが? もしかして、お前が村を消したのか? ん、お前には見覚えがあるぞ。確か、キャスが魔族であることを見抜いたやつか? なぜ、こんなことした!」

「……」

「答えないか。まぁ、いい。ギルドに報告するだけだ」


 そう言って、俺は数日後、全世界のお尋ね者になってしまった。

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