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ポンコツ

久しぶりの登場!

「お兄ちゃん。次はどこを目指すの?」

「そうだな。にゃぽと会いたいな」

『我も、それがいいと思うぞ。にゃぽとやらも、お主に会いたがっているだろう』

「そう、だといいな」


 それから俺たちは、にゃぽと別れることになったあの街に向かった。


「お兄ちゃん、にゃぽちゃんは何者?」

「ん? あぁ、そうか、ミイナ達は会ったことないから分からないか。にゃぽは猫の魔獣でな、モフモフしてて可愛いんだよな」

「え、そうなの⁉︎ 私もモフりたい!」

「楽しみだな」


 その頃にゃぽは、シャルル王国の中で暮らしていた。


「おーい、にゃぽちゃんご飯だよ」

「分かった。今行くぞ」


 にゃぽは二階から歩いて降りてきた。


「にゃぽちゃんの服装。可愛いわね」

「ありがとう、サリー。それよりも、早くご飯をお願い」

「うふふ、分かったわ」


 そう言って、パンとスープを机の上に並べた。にゃぽはそれをスプーンですくって食べた。


「うまい! やっぱり、サリーのご飯は美味しいぞ」


 スープだけを堪能したにゃぽは、パンを一口サイズにちぎりスープにつけて食べていた。


「そうだ、にゃぽは明日何してるの?」

「明日はダンジョンに潜るつもりだぞ」

「それなら、おつかいを頼んでいい?」

「いいわよ」

「ダンジョン内に存在してる、発光石を取ってきてほしいの」

「確か、四十層下にしか存在してない石だったと思うけど、あってる?」

「えぇ、その通りよ」

「いいわ、任せなさい。あのダンジョンはもう私の庭よ」

「安心して待てるわ」


 次の日、にゃぽはダンジョンに来ていた。


「今日は、何層から行こうかな?」


 にゃぽがダンジョンの入り口で考えていた。そのため、にゃぽに注がれる視線に気づかなった。


「よし、三十層から行こうかな」


 にゃぽはダンジョンの中に入っていった。


「な、なぁ、今あいつ三十層って言わなかったか?」

「俺もそう聞こえたぞ」

「もしかして、今噂になってるのってあいつじゃないか?」

「ギルドに入ってなくて、ダンジョンをものすごい速さで攻略してるやつがいるって噂か?」

「まさか、あんな可愛い子が? 聞き間違えじゃないのか?」

「まぁ、そうか。聞き間違えだよな。さ、俺たちも行こうぜ」


 男たちは、ダンジョンの中に入っていった。


「次の層で、四十階層か。サリーのおつかいは確か発光石だよね。早めに見つけて魔物狩って帰ろうかな」


 にゃぽは、発光石を探すために歩き出した。


「発光石って水中にあるはずだから、四十三層の休憩所にあると思うんだよね」


 にゃぽは、拳に魔力を纏って走り出した。魔物とすれ違う度に、拳を振り、打撃を飛ばして魔物を倒す。ドロップが出た瞬間に収納袋に入れどんどんスピードを上げていく。


「着いた。ここの水中に……あ、あった! よし、ん?」


 そこでにゃぽは大事なことに気がついた。


「私、泳げないけど、どうしよう」


 にゃぽは、泳げないのだ。さて、どうやって水中の発光石を取ろうか、考えていた。この階層に来るパーティはシャルル王国にはいない、そのため、誰かに助けを求める事も出来ないのだ。


「この周りにある物でどうにか出来ないかな?」


 にゃぽは周りを見渡す。周りにあるのはなんかの木が一本。後は雑草が生い茂っている。それだけだった。


「木の枝を少し取って、長い雑草は……お、あった」


 木の枝と雑草を何本か束ねたものを使って、釣竿のようなものを作った。


「これで取れるかな?」


 にゃぽは、それを池に垂らした。だが、そう簡単に行くはずもなく、雑草が浮いて来た。


「お守りをつけないといけないか」


 雑草の先端に石を括り付けた。そして、池に垂らす。が、


「これで、どうやって石を採掘するんだ?」


 そう言って、にゃぽは膝から崩れ落ちた。

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