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プロローグ

結構本気で設定を考えた作品です。多分面白いと思います。


2019.3.20 あらすじを変更しました。

 俺は今、森の中を彷徨っていた。


「はぁ、はぁ、くそったれが!」


 俺は、悪態をつきながら歩いていた。


「俺は、このまま死ぬのかな?」


 誰もいない森の中で独り言を呟いている。俺は、少し前に起こった不思議な体験を思い出した。


 時は遡る。


「おら!」

「ぐはぁっ! や、やめ……て」


 俺はいつも通り教室で虐められている。


「サンドバッグの言うことなんて誰も聞かないぞ!」

「そうだぞ、サンドバッグ。俺たちの足に触れられることに感謝するんだな。オラァ!!」


 二人は俺の腹と背中を同時に蹴った。俺はいつも通り行われる日常に我慢をするしかない。以前反抗したことがあった。しかし、この学校に俺の味方は誰一人と居ない。その為、クラスの全員で俺のことをサンドバッグにしてきた。どれだけ助けを求めても、どれだけ血を流しても奴らは止めることはしなかった。


「ふー。いい汗かいた」

「あ、授業始まるぞ。席に座ろうぜ」

「あいよー」

「サンドバッグも早く席につけよ」


 俺は、立ち上がりふらふらになりながら席まで歩いていく。すると、足元に足が出てきて転んだ。


「おいおい、痛いなぁ。あー、足折れたかな?」

「うわぁ。こいつまた怪我させたのかよ。サンドバッグの癖に最低」


 誰がどう見ても足を出してきた奴が悪いのに全て俺が悪いことになってしまう。

 そして、奴の足が俺の頭の上に乗った。グリグリと頭を潰そうとしてくる。


「早く立ち上がらないと先生来ちゃうぞ? さっさと立て!」


 そいつは、俺の頭を蹴ってきた。反対側の机の足に俺の頭が当たる。


「うわっ、汚ねぇ」


 それでも、立ち上がり席に着いた。丁度先生が入ってきた。


「お前、まだ生きてたのかよ。この屑! えー、授業始めるぞ。日直ー!」

「起立。礼。着席」


 それから、一時間目が始まり、放課後になった。俺は、四人と共に校舎裏に来ていた。


「ほらほら。サンドバッグ、俺達のストレス発散に手を貸してくれよ〜」

「そうそう。私達に話しかけられて、それに触れてもらえるなんて、学校の頂点に立つ私達のファンは相当貴方に恨みを持っているでしょうね」

「俺達も、そんな奴らの目があるからいい子ぶってて疲れてるんだよ。ストレス発散頼みますよ」

「そんなこと言ってないで、さっさっとやっちゃおう!」


 俺は、身体を縛られ、口に縄を咬まされ、抵抗も喋ることすら出来なかった。そして、そいつらが俺をなぶろうとした瞬間。光が視界を支配した。


 そして、次の瞬間目を開けると、さっきの校舎裏ではない宮殿のようなところに瞬間移動していた。


「ここどこだ?」

「……なに、これ?」

「「……」」


 四人は周りを見渡していたが、窓がないこの空間では、目に見える今が情報の全てでしか無かった。

 俺は、ここに来た瞬間から、空気が澄んでいることが気になっていた。


「あ、あそこ! 扉があるよ!」

「ほ、本当だ、行ってみようぜ」


 奴らが、扉の方に足を一歩踏み出した時、その扉が勢いよく開いた。


「っ!! 勇者様の召喚に、せ、成功した!!!」


 こちらを見るなりそんな事を言っていた。


「え? 勇者?」

「誰が?」


 勢いよく扉を開けた一人がそう言った後、ぞろぞろと数十人の人間がこの部屋に入ってきた。


「勇者様。お初にお目にかかります、私、宮廷魔術師術長のマジック・ミラーと申します。ミラーとお呼びください」


 そう自己紹介したのは、白いローブを羽織った茶髪のお姉さんの綺麗な人だった。


「え、あ、どうも。俺は、裕二強丞(ゆうじきょうすけ)と言います」


 そう言ったのは学校の頂点に立つ四人のリーダーだ。髪は黒く身長は178cmの長身で頭もよく運動もできめっちゃモテる完璧な男だ。野球部のピッチャーのキャプテンで、選抜にも選ばれたやばい人材だ。


「俺は、鈴木大海(すずきたいかい)だ」


 こいつは、強丞の親友で幼馴染だ。髪は金色で身長は165cmと低く、頭は悪い。だけど、運動は強丞よりも少しだけ上だ。こいつもモテる。特に年上にね。サッカー部に所属しており、足の速さとボールコントロールで相手を挑発して遊んでいる。


「私は、結城南(ゆうきみなみ)って言います。よろしくね」


 この女は強丞と大海の親友で強丞のことが好きだ。髪はロングで茶色。身長は大海よりも大きい168cmで頭は普通だ。けど、努力家な為先生達からの評判は物凄く良い。陸上部と弓道部に所属しており、どちらも国体に出るほどの実力者だ。


風見雪菜(かざみゆきな)です。雪菜って呼んでください。ミラーさんこれからよろしくお願いしますね」


 こいつは、高校に入って初めて三人と出会った奴だ。髪は短くて、ボーイッシュな感じの黒髪の女の子だ。身長は163cmで、まだ中学校の幼さが抜けていない感じがする。全てが平均的な奴だ。顔はこの四人の中でも一番だろう。テニス部の部長をしている。平均なので強さも平均だ。ただ可愛いから部長になった人だ。


「そうか。強丞、大海、南、雪菜。よろしく頼む。そ、それで、そこで縄で縛り上げられているあの子は?」

「あいつは、縛られるのが好きな変な奴でな、解いてやってくれるか?」

「分かった。そこの勇者様の縄を切ってくれ」


 一人の騎士が腰にかけている剣を抜いて縄を切り始めた。俺は、それをビクビクしながら終わるのを待っていた。


「それで、貴方は?」

「僕は、ミリアルタ・菜津芽(なつめ)です」


 俺は、いじめられっ子だ。黒髪で髪は少しふわふわしている。別に根暗って訳じゃない。けど、なんでか虐められている。あと、妹もいるな。それぐらいだな俺の紹介できることは。


「ミラー術長」

「どうした?」


 あちら側の男がミラーに耳元で囁いていた。


「……それは本当か?」

「はい。文献できちんと確認しました」

「そうか。ま、あれをやれば分かることだ。今は全員を勇者として迎える」


 その会話は勇者達には聞こえていなかった。


「では、勇者様方。王に謁見してもらいます。付いてきてください」

「分かりました」


 強丞は、そう言ってミラー術長の後ろに付いて行った。それを追うように他の三人も付いて行った。


「僕も行かないと」


 廊下を歩いていると分かる。そこら辺に飾っている装飾たちがどれだけ高いかを嫌でも分かってしまう。

 それから十分程歩いた。この王宮? 城? 城でいいか。城はめちゃくちゃ大きいのだ。あっち行ったりこっち来たり、兎に角広かった。

 ミラーは一つの扉の前で止まった。


「ここに王がいる。階段の前で膝をついてこうべを垂れてくれ」

「分かったよ〜」


 南の返事にミラーは頷いて扉を開けた。

 両扉を開け中に入ると左右に兵士らしき人たちがいる。丸い部屋には壁際にえらく豪華な格好をした貴族と思われる人たちがいる。そして、扉の真ん前に二、三段の階段の上に豪華な椅子がありその右に剣を持ち、鎧で身体を固めたでかい人がいる。左には今はいない。

 俺たちはミラー術長に言われた通りに階段の手前まで歩いていき膝をついた。ミラーさんは王の左側に付いた。


「顔を上げよ」


 静かに、しかし迫力ある声で王は言った。俺たちは無意識で顔を上げた。


「お主たちが勇者で間違いないな?」

「は、はい」

「ふ〜む。若いな」

「は、はい。みんな十七歳ですから」

「そうか。説明は受けているか?」

「説明、ですか? まだ何も受けていないです」

「そうか。宮廷剣士長説明を頼む」

「お受けしました。王よ。俺は、宮廷剣士長を任されているスラス・アーリーだ。アーリーさんと呼んでくれ。それでだな、この国は今……」


 話を聞く限り、ってか、三十分ぐらいずっと同じことを繰り返している感じだったな。てことで、まとめるとこんな感じだ。


・この世界は魔王の侵略を受けていて瀕死の状態

・作戦を立てるために本を漁っていたら古い文献を見つけた。そこに勇者召喚について書かれていた

・四人の剣、槍、弓、杖の勇者が魔王を打ち倒したと書かれていた。その為の魔法陣も書いてあり、それを使ったら俺たちが出てきた

・勇者はその力で魔王を打ち倒したこの世界に平穏な日々が戻ってきたと書いてあった。

・魔王はその力で人間を虐殺してこの世界はもう残すところこの国と残り三つの国しか残っていないらしい。

・俺たちに魔王を倒してほしい。


 これがアーリーさんが三十分も長々と永遠に言っていた内容だ。実際どうかは分からないが、嘘も混じっていると思っている。こいつらめっちゃ良い服着てるだろうし、太ってるから良いものも食べているんだと思う。

 もつ一つ気になることがあるがこれは後で分かるだろう。


「そうですか。分かりました。俺たちは魔王を倒します!!」

「へっ! 強丞ならそう言うと思ってたぜ! もちろん俺もやるぞ」

「私も、少し怖いけど私もやるわ!」

「私もやるわよ〜」


 その言葉に王様も他の貴族の人たちも嬉しそうにしている。


「そうか、やってくれるか! では、勇者様をあの部屋に連れて行く。誰がどの勇者かを見極めるぞ」

「「「はっ!」」」


 俺は、返事をするタイミングを逃しそのままとある部屋に通された。


「ここだ」

「ここは?」

「あれを見ろ」


 大会のその言葉に全員が指を刺された方を見た。そこにあるのは床に刺さった、剣、槍、弓、杖の四つだ。


「なにあれ? なんか引き寄せられる?」

「本当だ。身体が勝手に動く」


 俺以外の強丞、大海、南、雪菜はそれぞれ引き寄せられる武器の前に立った。


「文献は本当みたいだな。それぞれが武器の前に立った。あれを引き抜くことが出来れば晴れて、本当の勇者様だ」

「俺たち、歴史的瞬間に立ち会ってるんだな」


 俺は、その会話を聞きながら俺だけ何も感じないことに不安を感じていた。


「みんな、行くぞ」

「おう」「「うん」」


 そして、強丞たちはそれぞれの武器の柄を握る。そして、引き抜いた。

 それを見た周りは、どよめいていた。


「この国の誰も引き抜けなかった武器をあんな簡単に引き抜くなんて」


 やら、


「これでこの世界は平和になる」


 とか、言っている。


「これが、俺の武器。力がみなぎってくるようだ」


 大海のその言葉に三人は頷いていた。俺はと言うと、それをただ見ていただけだった。


「おい、一緒に召喚されたあいつは勇者じゃないのか?」

「なんだ、それじゃただの一般人かよ」

「戦えないクズだな」


 俺の耳にはそんな言葉しか聞こえなかった。


「流石だ勇者。そなたらは今日はいろいろあって疲れているだろう? 一人一人部屋を用意した。明日また食堂で待っている」


 そう言って王様は部屋を出て行った。俺以外の四人はメイドに連れられこの部屋を後にした。その後も余韻を味わった貴族たちも部屋を出て行って、後は俺だけだった。最後の一人が出て行く時やっと現実に戻った俺は、その人に声をかけた。


「あ、あの!」

「ん? なんだクズか」

「っ! お、俺はこれからどうしたら」

「ふっ。戦えない奴はいらないだろうな。死刑だろうな」


 その言葉に俺は絶望していた。


「う、嘘だろ? 勝手に召喚して役立たずだったら殺すのかよ」


 そんな言葉を無視してそいつは話を続けた。


「しかしだ、召喚にされた者なら追放で済むかもしれんぞ。俺がお前と王との間になってやろうじゃないか」

「い、良いのか!?」

「あぁ。男に二言はない。では、付いて来い」


 俺は、そいつに付いていき王のいる部屋に着いた。そいつがドアをノックする。


「王よ。私、ナタル・メールです。お時間よろしいでしょうか?」

「あぁ。大丈夫だ。入れ」


 中に入ると王はさっきと同じ服装で、でかいソファに腰を下ろしていた。


「どうした? ん? お前はクズの方がどうしてここにいる?」

「失礼しました。王よ。先程は勇者誕生で浮かれていまして、こいつの処遇を決めていませんでしたので、それをどうするのかを聞きに来た所存です」

「そうだったな。では、死刑。と、言いたいところだが、金貨十枚を持たせて王都から放り出せ」

「かしこまりました。では、失礼いたします」


 俺の意見を言う隙間が無いほど早くに追放が決定してしまった。部屋を出て少し歩くとナタルさんが話しかけてきた。


「良かったな、死刑じゃなくて」

「貴方は、何者なんですか?」

「ただの指揮官だよ」

「……そうですか」


 それからナタルさんに着いて行くと、物々しい扉の前で止まった。


「あ、あのここは?」

「宝物庫だ。ここで、お前の武器を探すんだよ」

「え? さっきは金貨十枚って言ってませんでしたっけ?」

「さぁな。知らないなそんな事。ほら、入った入った」


 俺は、背中を押されて中に入る。中はそれ程広くないようだ。体育館の倉庫ぐらいの広さだ。そこに武器やらなんやらがいっぱい置いてあった。


「ここから、好きなものを一個だけ持って行っていいぞ」


 俺は剣など握ったことなどない。握っても包丁ぐらいだ。何か、地球にいた時にやっていた事と紐付けて何かないかな?

 それから、ひたすら考えながら探していると、ふと目につくものがあった。


「これは……魔道書?」

「ほぉ、いいものに目をつけたな。ちょっと見せてくれ。中々に面白い」

「僕、これがいいです」

「分かった。では、その魔道書と金貨十枚を持って行ってくれ」


 そして、俺は城を出た。門の前にいた兵士に王都の出口を聞き、王都も出た。

まさか、五千字も行くとは思ってなかった。まぁ、一気に追放まで持って行けたので良かったです。グダグダと二、三話も追放されるまでを書いてもつまんないですからね。

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