初戦闘2
ゴブリンは持っている剣を上方から振り下ろした。さっきに比べると断然遅く感じる。
動体視力もよくなったのか?これなら簡単に避けられる。
剣の軌道を読み相手を挑発するように躱した。ゴブリンの剣が地面にあたり砂埃が舞った。「おのれぇ。ふざけた態度ぉ許さないぃ」
ゴブリンは怒って腰につけていた剣をもう一刀取り出した。今度は二刀流でめちゃくちゃに振りまくっていた。雑に振っているとはいえ剣が風を着る音が聞こえる。当たったら真っ二つに切られるだろう。目で捉えられる速度ではあるが踏み込む勇気をもてないでいた。
『汝に与えた力はあの者と力比べをしても負けない。試してみるがいい。』
武史の持っていた魔剣が武史を急に前に引っ張った。武史は慌ててゴブリンの一撃を魔剣で受け止める。ゴブリンの力を抑えきれず押されるかと思ったが相手の力が全く弱く感じた。「おのれぇ。人間の分際でぇ。」
ゴブリンは本気を出しているが一切武史を押すことはできなかった。
武史はゴブリンの隙をついてパンチした。
ゴブリンを3mくらい後ろに飛ばした。
(オレってこんなに力あったっけ?)
『愚問。私の加護のおかげだ。』
ゴブリンたちは3匹で同時に攻撃して来るようだった。
三匹だと数で分が悪い。さっきまでのように遊んでいるとこちらも深手を負いそうだ。
『汝に与えたのは力だけではない。神経を研ぎ澄ましてみろ。力に気付くはずだ。』
武史は言われた通りに神経を統一させた。ゴブリンの行動がイメージできる。一匹目が左肩を狙って来る。武史は半身になり攻撃を躱し後頭部にチョップをした。次に二匹目が背中をついて来る。武史はジャンプをして躱しゴブリンの頭を蹴った。そのあと三匹目が頭を攻撃して来る。武史は身体をかがめてゴブリンの顎にアッパーを食らわした。
「オレって強い。けどさっきのイメージはなんなんだ?」
『私の与えた力の一部だ。時を先読みすることができる。汝の力では10秒くらいか。』
「お前そんな力があんの!?超強いじゃん!」
『私の固有スキルは最強だ。だが力を過信するな。溺れるぞ。』
「わかった、わかった。」
ゴブリン3匹を置き去りにしてこの場を去った。
戦利品 10000G
(お金は奪ったわけではない勝手にポケットに入っていた。)