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28 『厭』と頭を縦に振る

ルブルム攻略の続き。

どんどん調教していきます。

さらに翌日、四日目。

昼食のすぐ後、ヴァイスが僕のところに来て様子を尋ねてきた。

揺らいでいるようだけど完全には堕とせていない、という状況を説明する。


「なるほどなるほど。それでは、追加のテクニックはいかがですか?」


僕が聞いていないテクニックが、まだまだたくさんあるらしい。

さすがサキュバス。

その中でも今回は『一本調子ではなく、焦らしてみせるのがいい』という話をされた。


「イマイチよくわからない、ってお顔ですね? では……私から、実際に了大さんを焦らしながら責めてみましょう♪」


今日もヴァイスのおっぱいに挟まれる。

でも、すぐには出させてもらえない。

あと少しというところで、ヴァイスが責めを緩めたり止めたりしてしまう。

これは……ヤバい……!


「も、もう……出させて……ヴァイス……」


体がおかしくなりそうで、頭がどうかしそうで、情けなくヴァイスにねだってしまう。

焦らしの効果を嫌というほど体感させられた。


* ヴァイスがレベルアップしました *


「イきたくてもイけなくて悶えてる了大さんも、いっぱい出しながらイッて(とろ)けてる了大さんも、すごくカワイイ……♪」


ヴァイスにまんまと手玉に取られながら、今日もたっぷり『授業料』を取られた。

僕もこんな風に、ルブルムを手玉に取らなきゃいけない。

それは、堕とす意思を持つ僕の意地に他ならない。

疲れを取りながら夜を待って、ルブルムをベッドに誘う。


「……まだ、認めてないんだから……」


僕を見たルブルムの対応に、冷静さがなくなってきた。

もう少し押してみるべきと感じたところで、薄い本で見た台詞を試しに使ってみることにした。


「今は『まだ』でも、近いうちにその『(とき)』が来る……君の心が折れて、僕に屈服する刻が」

「そんなの……認めないから……」


効いてる実感がある。

まだ認めないなら、認めるまで続けるだけだ。

ヴァイスに教えてもらった焦らしを試す。

突き止めた弱点を重点的に責めたり、手を止めて焦らしたりして、昂らせる。


* ルブルムがレベルアップしました *


弱点と見ても、いつも責めるのではなく『届きそうで届かない』という止め方をするのも焦らしのうちとヴァイスから聞いたので、それも試す。

今のルブルムの反応はとても敏感だ。

いい声で鳴いて、激しく燃え上がる。


* ルブルムがレベルアップしました *


「は、あ……ああっ……や、だ……認め、たく、ない……」


二度目でもずいぶん燃え上がっていた様子だったのに、まだ認めたくないと言い出す。

もう説得力なんかないのに。




五日目。

ルブルムの体は、日ごとに反応が良くなっている。

認めたくない心と抑えられない体とでバランスが取れなくなって、対応も弱気になってきた。


「……い、やっ……」


なんともしおらしい。

『小さい』とか『お子様』とか言っていた最初の強気が嘘のようだ。

薄い本の台詞が効くようなので、また使ってみよう。


「本気で嫌なら、僕を突き飛ばして離れればいい。抵抗しないのは……嫌じゃないからだよ」


結局、ルブルムは抵抗しなかった。

ここまで来れば、あともう少しかもしれない。


* ルブルムがレベルアップしました *


もうルブルムの体は思うままだ。

優しく責め上げて、激しく懲らしめて、寸前で止めた後、一気に焼き尽くす。

もちろん、一度懲らしめただけで休ませはしない。

今日は止まることも離れることもなく、立て続けに二度目。


* ルブルムがレベルアップしました *


これまで一日に懲らしめるのは二度までにしていたから、二度目が終わった後のルブルムの顔に油断が見えた。

だからこそ、そこを責める。

今日三度目。


「……嘘っ……や、やだぁ……だ……め、ダメ、ダメなのぉ……」


安心してしまっていたルブルムの顔が、驚きと戸惑いに彩られる。

ヴァイスから教えてもらった超必殺技も、毎日繰り返してきたおかげで効き目が上がってきたように思う。

決定権を握った確信で、心の準備をしておいた薄い本の台詞をぶつける。


「認めたら、やめてあげるよ。それとも……やめてほしくないから、認めないのかな?」


* ルブルムがレベルアップしました *


もう言葉にならない声で今まで以上に鳴くルブルムを見ているうちに、自分でも不思議になってきた。

どうしてこの女はいつも、僕をその気にさせる反応ばかり見せるんだろう。

最初は単なる意地だと思っていたのに、知らない間にどんどん熱中してしまう。

今はもう、この女が堕ちる瞬間が見たい。




六日目。

もうルブルムは僕と視線を合わせようともしない。


「どう? まだ認めない?」


赤くなった顔を逸らしたまま、弱々しくうなずく。

……それでいい。

むしろ、昨夜のあれで堕ちられたら、今日の作戦が無しになるところだった。

堕とせば勝ちではあるけれど、もうそれはそれで物足りないとさえ思う。


「そっか」


そこで、わざとそっけない返事をした後、ベルリネッタさんを呼ぶ。

実はそろそろ、今週は元の次元に帰らないといけない。

いくら時間の流れが歪むとはいえ、それを利用しての長居にも限度がある。


「ベルリネッタさん、帰り支度をお願いします」


それを聞いたルブルムが、拍子抜けしたような顔をする。

日数を空けるタイプの焦らし。

これもユリシーズの薄い本で見たのと、帰るとなると実際に日数が空くのとで、試してみる。

効かないかもしれないし、日数が空くとせっかく揺らいだのが持ち直してしまうかもしれないし、不安ではあるけど……どっちみち帰るしかないからね。


「まあ、続きはまた来週ってことで」


納得できないような満足できないような、そんな複雑な表情のルブルムを放置して、愛魚ちゃんと一緒に元の次元に帰った。

宿題をやるのを忘れてたので、それは家に帰ってから大急ぎで済ませた。

それと一応、ファイダイにもログインだけ。

珍しく、りっきーさんはオフラインだった。




人類の英知の行使、検索エンジン。

真魔王城にいると使えないので、学校の休み時間にスマホであれこれ検索。

(いや)(かぶり)を縦に振る》という諺を見かけた。

ちょうど今のルブルムみたいだな。

それと、ヴァイスが言っていたおっぱいの横と腋の下の境目付近のカーブは『スペンス乳腺』と言って、現代社会でも医学的に解明と実証がされているテクニックだというのがわかった。

半端ないな、サキュバス。

これは今後も超必殺技を使わざるを得ない。

そしていよいよ、学校では定期テスト。

日頃の成績は悪い方ではないし、それなりに対策の勉強もしていたし、こんな物は怖くない。

確実にやっつけて勝利。

……ルブルム相手にもこんな風に、優位に立てたらなあ……

まあ、ここまでのことで手応えは充分あるから、もっと頑張ろう。




定期テストと一緒に今週が終わって、また真魔王城へ。

着替えて、愛魚ちゃんと一緒に深海御殿から移動して、到着……と思ったら、常設の《門》を出てすぐのところに、ベルリネッタさんとルブルムがいた。


「お待ちしておりました、りょうた様」

「……そろそろ、来るかなと思って」


ベルリネッタさんは割と、いつも通りの落ち着いた感じ。

対してルブルムは、なんだろう……なんとなく、そわそわしてる?

日数を空けたのが効いてるんだろうか。

ちょっと揺さぶってみよう。


「ねえベルリネッタさん、膝枕してほしいな」


ルブルムは放っておいて、ベルリネッタさんに膝枕を頼んでみる。

もちろんベルリネッタさんは拒まない。

命令すればベッドの上にも喜んで来てくれるどころか、僕に積極的にねだってくるほどの人だ。

そこで。


「ルブルム、今日はいいや。僕のことは考えずにゆっくりしてよ」


ベルリネッタさんとの仲を見せつけながら、わざとルブルムを突き放してみる。

何もしない日を作って焦らした効果がどうなっているかを見極めつつ、さらに揺さぶる作戦だ。


「そ、そう……まあ、お子様の相手は? 疲れるし? そうさせてもらおうかな……」


これも薄い本で見た手口だけど、ルブルムには不思議と……

いや、必ず効く。


「そうですね、りょうた様にはわたくしがおりますものね」


ナイス援護。

『君が認めなくても困らないんだよ』という態度を見せておいて、ここは放置プレイだ。

夜もルブルムには一切関わらないようにして、ベルリネッタさんをベッドに誘う。


* ベルリネッタがレベルアップしました *


ルブルムに意地になっていた分だけ、放っておかれて熱を持ったままのベルリネッタさんを愛でる。

ベルリネッタさんにもサキュバステクニックが効いて、これまでより激しく燃え上がったのは嬉しい誤算だった。

明日もルブルムは放置しておこう。




翌日。

愛魚ちゃんと過ごす。

そしてルブルムとは、今日はあえて顔も合わせないようにする。

ヤキモチ妬いて拗ねた愛魚ちゃんをなだめるのは一苦労だけど、ヤキモチというのはどうでもいい相手には妬かないものだ。

だから、そのヤキモチこそが可愛い。


* 愛魚がレベルアップしました *


埋め合わせは主にベッドで。

愛魚ちゃんの初めてをもらった身としては、愛魚ちゃんのことは大事に愛でてあげないといけない。

そして愛魚ちゃんにもサキュバステクニック。

男を知らなかった愛魚ちゃんが少しずつ大胆になってきているのも、嬉しい誤算だった。

明日はそろそろルブルムの様子を見よう。




そしてさらに翌日。

ここ最近ずっと放置されていたルブルムは、僕が探しに行ったり呼び出したりしなくても、自分から話しかけてきた。

ベルリネッタさんは日数が空いても表向きは冷静にしていたけど、ルブルムは見るからにもうダメになってる。

よし、最後の仕上げだ。


「ルブルム。今日、はっきりしてほしい」


日の高いうちからルブルムを寝室に連れ込み、服の上から体をまさぐり、昂りを手だけで確かめる。

ルブルムは抵抗もせず、僕にされるがままになっている。


「もし、君が僕を認める気になったのなら……今、ここではっきり認めてほしい。でも、もし君がどうしても僕を認めないなら、こんなことは嫌だって言うなら、今すぐやめるよ。僕はもう二度と君に関わらないようにする」


弱点を突き止め、快楽の味を覚え込ませ、蕩けた心身をあえて放置し、日数をかけて追い込んだ。

その上で、一番最後の決定権はルブルムに渡す。

ルブルムは……


「…………認める……認めるから……だから、して……」


……とうとう、堕ちた。

懲らしめるのはもうやめだ。

今日からは懲らしめるのではなく、愛でる。


* ルブルムがレベルアップしました *


「ねえ……『りょーくん』って呼んでも、いい……?」


いいよと即答して、ルブルムのすべてを貪る。

僕に屈服した現実を認め、すべてを僕に委ね、ルブルムが物欲しそうに股を開く。

これが生意気を言っていたあのルブルムかと思うと、なぜかたまらなく興奮して、激しく燃え上がってしまう。


* ルブルムがレベルアップしました *


りょーくん、りょーくん、と僕を何度も呼ぶルブルムにその興奮をぶつけて、淫らに狂わせる。

やっぱり不思議な女だ。

単に堕ちるだけではなく、僕をその気にさせるように、僕の好みにぴったり合う反応ばかり見せながら堕ちる。

このままではどんどんのめり込んでしまう。

危険な女かもしれない。




また翌日。

自分の頭を冷やす時間が欲しくなった。

ベルリネッタさんに用意してもらって、のんびりとティータイム。


「……りょーくん」


ルブルムが自分から近寄ってきて、あっという間に距離を詰めてくる。

近い。

試しに腰に手を回してみても、嫌がらない。

堕ちたルブルムは、完全に僕を認めている。


「認めたら……もう、我慢できなくて、でも……我慢できない女は、嫌い?」


ここで嫌いだと言えば、我慢できる女の方が好みだと言えば、ルブルムは我慢するように振舞うだろうか。

全部僕の思い通りになるように堕ちてなお、さらに僕の好みに変わろうというのだろうか。

一瞬の気の緩みが、失言を生んでしまった。


「……最高だよ」


気づいたのは、それを口にした後だった。

違う。

堕ちたのは僕の方だった。

そう気づいた瞬間、僕の右肩に冷たい闇が降りた。


「りょうた様」


振り向くと、ベルリネッタさんが僕の右肩をつかんでいる。

口元は微笑みを貼りつけているけど、瞳は少しも笑っていない。


「わたくしはメイドです。りょうた様が誰をベッドに誘おうと、それはわたくしが口出しすることではございません。しかし」


ダメだ。

これは怒ってる。頭に来てる。

そしてそれを、肩をつかむ手に込めた力でアピール。


「わたくしだけならばまだしも、純潔を捧げたまななさんをも差し置いて、ルブルム様が『最高』というのは……どういったことでしょう?」


怖い。

やっぱりベルリネッタさんには勝てない。


「それと、ルブルム様も……そろそろ、カラクリを聞かせていただきましょう。りょうた様に何をしたのか」


僕は何かされているのか?

何かされたから、ここまでルブルムに熱中してしまったのか?

自分ではまったく思い当たる点がない。


「まななさんも交えて、別室でお話しましょうか」


結局『ちょっと体育館裏に来いや』みたいな展開になってしまった。

調子に乗りすぎた……失敗だ……!




◎厭と頭を縦に振る

うわべの態度と本心とがまるで違うこと。

口ではいやだと言いながら、首を縦に振って内心では実は承諾しているという意から。


了大の態度が豹変しすぎのような描写には、次回ですぐ説明を入れております。

今週は2話更新としましたので、そちらもあわせてごらんください。

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