171B 没バージョン
申し訳ありません。
私事と都合により先週分からの続きは明日のこのくらいの時間にさせていただきます。
今日は、先週分で書きかけて没にした展開を掲載して代理原稿に。
競馬で儲けた一千万円をファーシェガッハに置いて、端数だけを持って戻ったシュヴァルベさん。
一口に端数と言っても、十万円以上あるそうだけど。
危なっかしい……
「了大くん、大金を持ち歩くのは危なっかしいとでも思っている顔だね。フフッ……考えてもみてほしい。そこらへんの普通の人間が、私たちや私の持ち物をどうにかできるとでも?」
「まあそうなんですけど、でも、やっぱり一般庶民育ちとしては」
周りに知られなければいいだけのこととはいえ、おすすめできないよねえ。
小市民的思考とも言うか。
「そこらへんの普通の人間は無理でも、アタシたちならどうかしら?」
「まったく、賭博でマクストリィの金銭など稼いでどうするのかと考えていたら!」
「あ!」
シュヴァルベさんの後を追って来たんだ。
フリューに、アウグスタも!
御三家が勢揃いだよ。
「私たちが次の手を考えている間に、抜け駆けしてリョウタ様と逢瀬だなどと……」
「逢瀬って、フフッ、そんな大袈裟な。食事くらいしたっていいだろう?」
「よくないって言ってんじゃないのよ。アタシたちも呼べって言ってんの!」
「来るなとは言ってないよ。声をかけなかっただけで」
「それを抜け駆けって言うんじゃない!」
こういう言い合いを見るのも、なんだか久しぶりなようで、ほっこりする。
癒される気がするなあ。
「というわけで、スシよ! スシを食べに行くわ!」
「焼肉はつい最近食べたばかりとなれば、避けて考えて、スシですよ」
寿司か。
まあ、回転寿司なら一皿百円で、そんなに高くは……
「金はあるんでしょうが! 安物なんてダメよ!」
「シュヴァルベ、君の奢りだからね」
「フフッ、わかってる。支払いは問題ないよ」
……回らない寿司にするつもりか。
さすがだな、一千万円パワー。
「支払いは問題ない。問題は……そういう高級なスシの店を知らない、ということだ」
「趣味のついでにでも調べておこうとか、考えなかったのか?」
「まあまあ」
ここは人類の英知の行使、スマホで検索と行こうじゃないか。
行ったきりの異世界転移じゃなく、ここは元々生まれ育った世界だからね。
そんなわけで四人で繰り出して、上等な寿司をごちそうになった。
「いやー。ごちそうさまでした」
「フフッ、私も充実した食事だったよ。満足だ」
「それじゃ、僕はこれで」
帰ろうと思って、近所の公園まで《門》を開けようとしたら……
アウグスタに肩をつかまれた。
「は? 『これで』って何ですか? ここからが楽しいんでしょう?」
「え……まさか」
「まさかも何も、随分ご無沙汰だったアタシたちに、これで帰れって? 冗談でしょ?」
そうか、今回は『無し』っていうのはファーシェガッハ組には伝わってないのか?
ヴァイスが伝えてくれてたと思ってたのに。
言祝座ケモミミルートとして具体的に候狼やらなんやらも専用展開にしてあげないととは思っています。
それに対して悪魔キャラ分が強くなりすぎるなと没にした展開でした。