表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられ少女とお間抜け男-1-  作者: もこねこ
1/1

姫と男の物語

雨の中、捨てられていた(ひめ)

その姫を拾ったのが、(だん)

そして、雨が止むまで家にいさせる、という約束を交わすが…?

・・・・・・・

男「うわ~・・・ゲリラ豪雨ってやつだな・・・」


土砂降りの雨の中コンビニで買ったビニール傘をさしながら帰路についていた


ブロロロロロ・・・


バシャッ!!


車が水たまりの水を俺に引っ掛けて去って行く


男「ちっ・・・!まぁ、この天候じゃしょうがないか・・・」


すれ違う通行人もみんな早足でお互い無関心だ


その中で水を盛大にかぶった俺だけ堂々と雨の中を歩いていた


男「もう雨なんざ関係ないな・・・」


ザー・・・


前から自分と同じように傘もささずに歩いている猛者がいた


男「やるなぁ・・・まだ小さい女の子なのに」


とぼとぼと今にも転びそうな足取りで雨の中を歩いている


ドンッ


バシャッ


すれ違ったサラリーマンに肩がぶつかって女の子が倒れた


サラリーマン「・・・・・」


サラリーマンは何事も無かったように歩き去った


男「ひっでぇ・・・」


なんだか同志がやられたような気がして俺は駆け寄った


男「大丈夫か?」


女の子「・・・・・」


ザー・・・・


何か言ったのか雨音で聞き取れない


ただ・・・女の子の顔はこの世の全てに絶望したようにやつれていた


男「おい・・・!大丈夫かよ!?」


ザー・・・


雨音に負けないくらい大きな声で話しかける


男(泣いてる・・・?)


雨水なのか涙なのかわからないが女の子は泣いてる・・・気がした


男「家は・・・!?なんで傘もささないんだよ!?」


傘をさしていないのは自分もだが


女の子「・・・・ない」


男「なんだって!?」


よく聞き取れなかった


女の子「帰るとこ・・・ない・・・」


今度はしっかりそう聞こえた


・・・・・・

男のアパート


男「ひどい雨だったな・・・」


何とか家にたどり着いた


女の子「・・・・」


男(連れてきちゃったよ・・・)


あのまま無視も出来なかったのでとりあえず雨が止むまでということで家に連れてきた


男「とりあえずあったまんねぇと・・・!」


急いでレトロなストーブに火をいれ風呂を沸かす


男「ほらよ、ちゃんと拭いときな」


ファサ・・・


タオルを渡すとゆっくりと髪を拭き始めた


女の子は小学生・・・もしかしたら中学生かもしれないくらいだ


男「ほら、お前もあたれよ。あったかいぞ」


ストーブの前に座らせると女の子は素直に火にあたった


男「とりあえずこの雨が止むまでな・・・なんっも変な気とかないからな!」


自分に言い聞かせるように宣言する


状態を見れば十分にアウトだ


男「そろそろ風呂いいかな・・・?」


女の子はびしょ濡れの服を一生懸命さっき渡したタオルで拭いていた


男「おいおい、そんなんじゃダメだって・・・したの階に乾燥機持ってる先輩がいるから乾かしてもらってくるよ」


言ったあとに自分がとんでもないことを口走ったことに気がついた


男「別に・・・変な気とかないし・・・!雨が止むまでだし・・・!」


すると、女の子はその場で服を脱ぎ始めた


男の俺が見ているのに全く抵抗がないようだ


男「バカバカバカ!!!せめて脱衣所いけ!!」


脱衣所に女の子を押し込むと深呼吸をして落ち着く


男「なんだあの子は・・・?」


バタン・・・


風呂場に入ったおとが聞こえたので脱衣所にある女の子の服をかごに入れて


男「じゃ・・・服乾かしてくるからな」


一応ことわっておく


無断で持ち出したらただの変態だから


ふと服をみると所々に赤黒い染みがある


男(・・・血?)


・・・・・・

先輩に乾燥機を借りると伝えると自分と女の子の服を先輩に見られないように乾燥機に放り込む


先輩「おう、男!ちと呑んでけや!」


男「いや・・・今日はいいす・・・」


先輩「んん?お前また新しいの借りてきたな!?」


男「何がですか?」


先輩「お・と・な・・・のDVDだ!」


バタン!


男「あとで洗濯回収にきまーす」


この先輩は結構いい人なのだが無駄に寂しがり屋なのだ


・・・・・

ガチャ・・・


男「ふぃ~・・・」


部屋に戻ると・・・


女の子「・・・・・」


ほぼ全裸で部屋の真ん中に女の子が立っていた


男「ヴぁ・・・!バカ!何かきr・・・」


服は自分がさっき持って行ってしまった


女の子はさっき自分が渡した濡れたタオルで申し訳程度に身体をおおってる


男「あ~・・・悪かったな。そこまで気が回らなかったわ・・・。いや、本当に変な気とかないから」


必死に言い訳をならべる


女の子「雨が・・・止むまで・・・」


やっとまともに出た言葉がそれだった


男「そうだ、雨が止むまでだ」


クローゼットから自分のTシャツとパーカー、ジャージのズボンを取り出して女の子に渡す


男「下着はどうしようもないから・・・とりあえずこれ」


女の子がゴソゴソと着替え始めたので後ろを向いて素数を数えた


終わったともなんとも返事がないので


恐る恐るふりかえると・・・


女の子「・・・・・」


早速ストーブに当たっていた


男「あ・・・寒かったのね」


隣に座ると女の子はちょっと怯えたような顔でこっちを見ている


男「なんもしないよ・・・」


警戒されている・・・とは違う何か妙なものを感じた


女の子はまた元どおりにストーブにあたる


男「・・・名前は・・・?」


女の子「・・・・・」


またおなじようにこっちを見ている


男「名前わかんないと・・・会話も出来ないじゃん?」


女の子「・・・姫・・・」


男「ひめ・・・?」


変な名前だが・・・名前が分かっただけでも前進だろう


男「姫か・・・珍しい名前だな」


姫「・・・・うん」


なんとか会話になってきた


男「俺はだんって言うんだ。男って書いてだん」


姫「・・・だん?」


男「・・・・・」


姫「・・・・・」


男「いま変な名前って思ったろ?」


姫「・・・だん・・・男・・・」


よくわからんが覚えようとするように何度も名前をとなえる


男「覚えやすいだろ?親父がつけてくれたんだぜ」


姫「・・・へえ・・・」


男「姫はお父さんかお母さんは・・・?」


姫の表情が固まった


姫「あ・・・あ・・・」


顔がみるみるさっきあった時のように恐怖と絶望にそまる


男「あ・・・いや、別にいいんだ!ちょっと聞いただけだから・・・!」


なにかいけないことを聞いてしまったようだ


姫「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」


何度も何度も呪文のように何かに謝り続けた


男「ああっ!!悪かった!もうその話はいい!!」


つい自分まで取り乱してしまう


姫はどんどん恐怖に飲まれガタガタと震えはじめた


男「どうしたんだよ!?くそっ・・・!!」


どうしたらいいか分からない


とっさに姫を抱きしめていた


男「ごめんっ・・・ごめんな・・・!」


俺も訳がわからず謝った


腕に中で震えていた姫はゆっくりと落ち着きを取り戻し・・・


姫「・・・・・」


男「もう大丈夫か・・・?」


姫「・・・苦しい」


つい力がこもってしまっていた


男「あわっ・・・いや、ごめんな。別に変な気はないんだ・・・」


姫「雨・・・止まない・・」


ザー・・・


男「だな・・・」


雨が止むまでという約束をやけに大事にしてるな・・・と思った


男「何か食うか?俺腹減った」


姫「・・・・・・」コクン


食うらしい


冷蔵庫の中には何も無かった


男「何もねぇし・・・あ、カップ麺あったな」


丁度二つカップ麺があった


男「カップ麺でいい?」


姫「・・・・・」コクン


いいみたいだ


お湯を沸かして3分待つ


パカ


ズズーッ・・・


二人で麺をすすった


・・・・・


男「ほら、乾いたぞ」


先輩の部屋から乾かしていた服をとってきた


姫「・・・今は・・・着替えたくない」


だぶだぶのジャージとパーカーは以外と楽なのだろうか・・・?


しかし、流石に下着はきてもらわないと困る


男「せめて下着だけでも・・・」


その時さっきまで気がつかなかった姫の異変に気がついた


手や足に傷が沢山ある


引っ掻き傷から叩かれたようなアザまで


男「これ・・・どうしたんだ・・・?」


姫「・・・・・」


男「もしかして・・・虐待とか?」


一番に思い浮かんだのはそれだった


姫「ぎゃく・・・たい?」


しかし、この時は気がつかなかった


彼女はもっと辛い仕打ちを耐えてきたことに


男「虐待・・・もしかして知らない?」


姫「知らない・・・」


驚いた


まさか虐待を知らない人がいるなんて


男「その・・・乱暴されたりとか・・・」


乱暴という言葉を出した途端にまた姫の表情が強張る


やはりなにかトラウマがあるのだろう


男「まぁ、いいや」


姫「・・・・」


男「姫はいくつなんだ?中学生?それとも・・・小学生だったり?」


予想外の答えが帰ってきた


姫「わからない・・・」


男「わからないことは・・・ないだろ?学校はどこ行ってるんだ?」


姫「学校・・・行ってない・・・」


不登校か・・・?と考えたが続く姫の説明で合点がついた


姫「お母さん・・・いなくなってから学校行かせてもらえない・・・」


とても苦しそうに姫は教えてくれた


男「お母さん亡くなったのか・・・」


姫「違う!居なくなっただけ・・・!」


強く否定され少し戸惑ってしまった


そりゃそうだろう。まだ死んだと決まった訳じゃない母を死んだ扱いされて


男「そうか・・・お父さんは・・・?」


姫「・・・私が知らない時に死んだ」


知らない時・・・つまり物心つく前に死んだのだろう


姫「新しいお父さん・・・嫌・・・」


男「嫌・・・?」


ひどい目にあわせたのはこの新しいお父さんって人だろう


男「そうか・・・大変だったな」


そっと姫の肩を抱いてやると姫はまた違和感のある不思議な視線でこっちをみてきた


男「ん?俺どうかした?」


姫「なんでも・・・ない」


気がつくともう日付をまたいでいた


ザー・・・


雨は止まない


男「ゲリラ豪雨じゃなかったのかよ・・・」


姫「・・・・・・」


男「そのお父さんのところに帰りたく無いのか?」


姫「・・・・・」コクン


なんだか危ない気もするが・・・一日だけなら


男「雨が止むまでって約束だしな・・・泊まってくか?・・・・いや、もちろん変な気はないぞ?純粋に可哀想だからだ」


姫「・・・・泊まる。雨が止むまで」


男「そろそろ寝ないと・・・。で、寝る場所なんだが・・・」


ベッドは一つ布団はない。


寝る場所は一つしかない。


ここでアニメとかのカッコいい紳士は「フッ、君はベッドで寝たまえベイビー。僕はソファーで十分っさ」というところだろう。


しかし、この季節でそれをやると・・・死ぬ。凍死する。


男「我慢できるか・・・?俺なるべく小さくなるからさ・・・?」


姫「大丈夫・・・慣れてるから」


男「慣れてる・・・?」


一応歯磨きをしていざ寝ようと思った時のことだ


姫がおもむろに服を脱ぎ始めた


男「お、おい!バカ!何やってんだ!?」


脱ぐことに全く抵抗が無いようだ


下着だけになると床に土下座の体制になり


姫「今日は美味しいご馳走と暖かい部屋をありがとうございました・・・」


俺は絶句した・・・・


傷だらけの小さな背中


完全に仕込まれたような感謝の言葉


そして自らこんな格好に・・・


その事実が新たな事実を浮かび上がらせた


男「いつも・・・こんなことやらされてるのか・・・・?」


仕込んでいるのは恐らく新しいお父さんとやらだろう


そしてそいつは・・・とんだゲス野郎だ


下着姿でベッドに登ってくる姫に服を着せながら・・・


男「お前っ・・・もしかして・・・」


うまく言葉にできない・・・


こんなこと実際にあるなんて・・・


こんなか弱い女の子に・・・・


怒りと悲しみともうよく分からない感情が頭の中を支配した


すると、自然に涙が出てきた・・・


男「お前・・・・こんなこと・・・・」


考えたくなかった・・・


姫「どうして・・・お父さんはこうしないともっと痛いことする・・・」


痛みと恐怖でこの子を支配する奴が


許せなかった


無我夢中で服を着せる


男「そんなこと・・・しなくていいんだ・・・!そんなこと・・・しちゃダメだ!!」


姫「男も・・・私のこと叩く?」


行為をしなければ暴力


完全にそう仕込まれている


男「叩かないよ・・・。絶対に・・・怖い思いなんてさせないよ・・・」


人はここまで鬼畜になれるのだろうか


それも、義理とはいえ自分の娘に・・・


姫「男は・・・優しくしてくれた・・・。そのお返しは・・・?」


なんどか感じ取った不思議な視線


それは俺が優しくした見返りを求めていると考えたからだろう

男「お返しなんて考えるな・・・。」


顔すら知らない姫の義理父に男は人生最大の怒りを覚えた


男「そのまま寝ていいんだよ・・・。もう誰も怖いことも痛いこともしないから」


姫ははじめて安心したように笑った


・・・・・・


次の日


警察署


警官「あ~どうも、児童相談係の担当の者です」


男「どうも・・・」


姫「・・・・・」


とりあえず二人で警察に来た


警察「私安岡と申します」


男「安岡さん、早速なんですが・・・」


今までのいきさつを説明した・・・・


もちろん姫の虐待のことも


安岡「ひっどい・・・」


男「もちろんなんとかしてくれますよね!?」


しかし安岡さんは・・・


安岡「その傷しか証拠が無いとなると・・・難しいですね・・・」


男「そんな・・・!」


安岡「一応こちらで保護もできるんですが・・・」


男「それだと・・・?」


安岡「多分現状だとまたお父さんところへ・・・」


姫「・・・・・!」


姫の表情が暗くなる


男「それじゃダメなんです!」


安岡「・・・・そこで提案なんですが・・・」


・・・・・・・


ザー・・・


警察署をでるとまだ雨が降っている


安岡さんの提案


それは俺が姫を保護しその間に警察が証拠を固めてくれるというもの


もちろん公式には出来ないが、俺が手ぶらで虐待があるみたいだと通報し


密かに男が姫を匿うという作戦だ


男「安岡さんを信じよう・・・」


姫「・・・・・・」


バサッ


傘をさすとふたりで家に歩いて帰った


姫は手を繋ぎたがるので二人て手を繋いで歩いた


男「なんか兄妹みたいだな」


姫「・・・・兄妹・・・」


もう昼近かったので近くのコンビニに寄った


適当に弁当を物色していると姫は後ろにピッタリくっついてくる


男「・・・なにか欲しい物あったら買ってやるぞ?」


姫「・・・・」


またあの視線だ


男「見返りなんて考えちゃいないよ。俺を信じろ」


姫「・・・・」コクン


頷いたが相変わらず後ろをついてくる


男「お菓子買うか?」


お菓子コーナーに行くと色取り取りのお菓子が並んでいる


男「どれがいい?」


姫「・・・・・・」


困ったような顔をしてこっちを見ている


男「どうした?」


姫「・・・どれが・・・わからない」


お菓子を与えて貰えない環境で育ったためどのお菓子か選べないのだろう


男「そっか・・・じゃぁどんなのがいい?甘い?しょっぱい?」


姫「甘い・・・のがいい」


男「そうか、チョコレートとか?」


姫「・・・・うん」コクン


嬉しそうに笑顔で頷いた


男「じゃチョコレート買って行こう」


適当にガラガラとカゴに入れるとレジに並んだ


レジのおばちゃん「あら、兄妹そろって良いわね~」


勘違いされた


男「ええ、まぁ」


姫は照れているのかずっとうつむいている


家に着くと先輩に見つかった


先輩「だれその子?」


男「えっと・・・」


姫「・・・・」


先輩「もしやお前ロリコンだなぁ~?」


男「ち、違いますって!」


急いで階段を上がって部屋に入る


姫「・・・・男、ろりこんって何?」


男「・・・・知らなくていいよ」


姫は昨日と比べれば少し明るくなった気がする


適当にチャーハンを作ると姫が


姫「男は・・・料理人?」


と聞いて来た


男「これくらいだれだって出来るって」


そしてあっという間に昼になった


雨は止まない


男「そうですか・・・」


安岡『でね、姫ちゃんの戸籍も無いのよ・・・』


男「だから学校にいってなくてもなんとなかったんすね」


電話で今朝あった警察官も安岡さんから父親と姫についての調査結果がきた


安岡『親戚もなし、身よりもなしの可哀想な家族だったみたいよ?』


男「で、母親は?」


安岡『亡くなってるわ・・・7年前に』


姫は母親がいなくなってから学校に行っていないと言っていた


7年前となると・・・少なくとも小学1年から行ってないとしても今中学1年か2年ということになる


男(食事もままならなかったからきっと成長が遅いんだな・・・)


中学生にしては姫は小柄すぎた


安岡『父親なんだけどね。表向きはすごく真面目なサラリーマンみたいよ』


男「あの、住所教えていただけますか?」


安岡『ごめんなさい。流石にそれは無理よ。』


男「守秘義務ってやつですか?」


安岡『そう。また伝えられそうなことがわかったら電話するわ』


男「お願いします・・・」ピッ


ガタン・・・


姫「上がった・・・・」


姫は風呂に入っていた


男「なぁ・・・?」


姫「ん・・・?」


男「・・・・お菓子くうか?」


姫「・・・・・うん!」


いい笑顔だ。


よく昔親父が子どもの笑顔が一番の明かりだと停電時に言っていた


何となく分かった気がする


姫「・・・・男?」


男「ん、ああ!さて、どれ食べる?」


さっき買ってきたコンビニの袋の中身をテーブルにぶちまける


姫「・・・・これ」


細いスティック状のクッキーにチョコレートをコーティングしたポッ○ーといお菓子だ


男「じゃ俺は風呂言ってくるから食ってな」


服を脱いで洗濯機へ放り込む


先に姫の服が入っていた


男「そういや服ってこれしか無いんだよな・・・」


いつまでか分からないが一応服は何着かあった方がいいだろう


男「妹のやつって家にあるかな・・・?」


家とは実家の事だ


ここから電車で1時間ほどかかる所に両親と妹が住んでいる


男(明日休みだし・・・行ってみるかな)


湯船に浸かった瞬間にまた一つ不安が・・・


男(・・・家族にどうやって説明すっかな・・・?)


その日の夜もまた姫は服を脱ぎそうになったが、寸前で恥ずかしそうに留まった


男「それ・・・もうやんなくて良いんだからな?」


姫「・・・・うん」


危なっかしい奴だ


もし保護しているのが先輩だったら・・・


そこまでで妄想はやめた


姫はスルスルと俺の腕の中に入ってくる


男「そこでいいのか?」


姫「・・・あったかい」


男「まぁ狭いからな・・・落っこちないようにこうするのもしょうがない」


完全に半分言い訳だがそんなこと気にしない


姫「・・・・昔、お母さんとこうやって寝た・・・」


なるほど、これはお母さんとの思い出の睡眠スタイル?なのか


男「そうか・・・なら。」


男「今晩だけは私の事お母さんって思っていいわよ(裏声)」


姫「・・・・・え・・・」


変な顔された・・・


男「・・・冗談だが、半分マジだ」


姫「男は・・・女じゃないよ?」


男「細けーこときにすんな~!」


脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる


姫「う、くあふふっ・・・!!」


くすぐりは有効らしい


男「明日はちょっと遠くに行くぞ」


姫「・・・遠く?」


男「泊りがけでな」


幸い大学の授業数は余裕がある


実家で一泊してもいいだろう


男「だからもう寝る。早起きしないとおいていくからな」


姫「・・・・寝る」


目をつぶって俺の胸に顔をうずめる


姫「いい匂い・・・・」


男「おなじ石鹸使ってんだから変わらねーだろ・・・」


と、思ったが目の前にある姫の頭からは今まで嗅いだことのない


いい匂いがした


ザー・・・


雨はまだ止まない


雨やまないで欲しいな


・・・・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ