3話
「よしっ、次はいよいよ魔法が使えるのかどうか、試してみよう」
ここで重大なことに気が付く。
(俺、魔法の使い方知らなくね!?)
そう、ジュンイチは地球出身の為、魔法なんてもの使う以前に使い方すら知らなかった。
(こんな所で躓いている場合じゃないぞ・・・、とりあえず魔法はイメージとネット小説でよく書いてあったからな・・・)
指先からライターみたいに火が出るイメージをして、指の先に力を込める。
すると指先から何かが抜けていく感覚がして。
「おっ?おっ?」
瞬間、指先から勢い良く炎が噴き出す。
「魔法キターーーーー!!!」
初めての魔法に、ついテンションが上がってしまう。
「・・・魔法が使えたのは凄く嬉しいけど、これはちょっと威力が強すぎるかなぁ・・・」
ライターをイメージしたのに対し、実際出ているのはガスバーナーみたいな青白い炎。
「で、どうやって止めるんだろ、コレ」
今も勢い良く青白い炎が噴き出している。
「さっきからずっと指先から何か抜けていってるな、もしかしてこれが魔力なのかな?とりあえず止められそうだし止めてみるか」
そう言って指先から何かの流失を少しずつ止めてみる。
すると段々炎の勢いが弱まっていった。
「おぉ」
完全に流失を止めると、炎が消えた。
(どうやら流失してたのは魔力で間違いなさそうだな。今ので感覚がつかめたし、手に力を込めなくても魔力だけ込められそうだ。次はうまくいくかな)
そう言って次は手のひらに、テニスボール位の火の球が出るようにイメージし、手のひらに魔力を込める。
「よし、今度はちゃんとイメージどうりだ」
テニスボール位の火の球が手のひらに浮いている。
「そういえば、他の属性を試してないな。全属性魔法適正なのを忘れてた。あ、鑑定するのも忘れてた。とりあえず”鑑定”」
スキル:全属性魔法適正
火属性、水属性、土属性、風属性、雷属性、光属性、闇属性の他に精霊属性や元素属性、時空間属性魔法の全てを使える。
(エグいくらいのチートだな・・・、とりあえず火属性は使えただろうし、次は水属性を試そう)
手のひらに、テニスボール位の水の玉をイメージし、手のひらに軽く力を込める。
「水属性も問題無し、この水飲めるのかな?」
そう言って手のひらに浮かぶ水の球をジッと見つめる、覚えていない人もいるかもしれないが、彼はまだ寝起きだ。朝食も食べていないし、それ以前に水すら飲んでいない。
「ええい、当たって砕けろだ!」
そう言って、水球を飲み干す。
「うんまあああい!!なんだこれ!こんな旨い水飲んだことないぞ!!」
この世界で魔力は味覚にも影響している。彼の作り出した水球はとても高純度の魔力を含んでいて、とても美味しかった。
この後、残りの土属性から闇属性までの属性を試したが、特に問題なく使う事が出来た。
が、しかし。
「腹減ったぁ」
今の今まで異世界に夢中になっていてあまり気にならなかったが、ついに腹も限界に達したらしく、誤魔化せない程ジュンイチに空腹を訴えてくる。
「・・・とりあえず食料を探しながら、他の属性も試すか」
彼は歩き始める。
あとから手直しもあるかも