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図書館の番人  作者: トリブレイシオ
第一章 祝福の儀式と森の精霊
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第八話 精霊からの贈り物

本日二話目の投稿。

微妙に宗教的な用語が入っています。

嫌いな方は申し訳ない。

ただ、今回に関してだけは許してください。

この弓の名前的にこうせざるをえなかったんだ。(主にネタ的な意味で)

気になる方は

「カラー 花言葉」

で検索するとよいかも。

「うっ、ここは……?」


 目が覚めた俺はあたりを見渡す。

 周りは依然として森なのだが、先ほどとは様子が違う。

 そう、『精霊の住まう川』がなくなっていたのだ。


「う~ん、あの情報はガセだったのかな~。

 まったく、まぁ、精霊に魔力を与えたんだし、いつか恩返しとかしてくれるかもしれないしな」


 地面に倒れていた俺は起き上がり、そう呟く。

 そもそも若干おかしい気はしたのだ。

 なにせ気を失う直前に聞こえた最後の言葉が


「承りました~」


 だからな。

 何が承りましただよ。

 ていうか、この声を出したの誰だよ。

 そんなことを思いつつ俺は自分の服についていた泥を落とす。

 そして、お祈りをする前にはずして横においておいたリュックサックと弓のほうを見て少し顔色を変えてしまった。


「俺の弓が壊れ……、あれ?」


 一瞬パニックになりかけた物のよくよく観察してみると問題はなさそうである。

 形状は前と比べて明らかに変わってしまっているのだが、決してどこも壊れているわけではなかった。

 どういうことかと思ったが、そのすぐ後にリュックサックの横に袋が落ちていることにも気がついた。


「これは……、なんだ?

 ずいぶんときれいな石だが……」


 中に入っていたのは色とりどりの石ですべて透き通っている。

 さらに、弓のほうにも同じ色の石が嵌っているようだ。


「う~ん、もしかしてこれが御利益だったりするのかな?」


 そう思い『参照』スキルを俺の弓に対して使ってみる。

 ちなみに、前までの俺の弓はこう表示されていた。




 和弓 カラー


 現在ごく一部の者のみが使用している弓の形態で、かなり長いため持ち運びなどには不便な一方で威力の面では他の弓に比べはるかに高い。

 作成者により精霊がつきやすい様な細工がされている。

 原材料は竹の中でも大陸最東端に位置する霊峰ベルフルーヴにのみ存在している碧竹ひゃくしつが使用されている。


 スキル① 六根清浄

 効果:使用者の六根(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・意識)を清らかにし、邪をはねつけることができる。


 スキル② 清浄付与

 効果:放つ矢に浄化作用を付与することができる。


 スキル③ 発火能力

 効果:気分によって放つ矢に熱が乗ることがある。


 スキル④ 精霊加護

 効果:精霊からの協力を得やすくなる。




 とまぁ、こんな感じだ。

 いや、なんと言うかめっちゃ強力な武器だということに気づかされたよ。

 まぁ、わかってはいたんだけどね。

 持ったときの感触からしてこの武器はやばいって。

 しかも和弓って所謂日本式の弓だろ?

 いや、これは間違いなく俺向きだと思ったね。

 精霊魔法のスキルも持つ俺にはスキル④もなかなかいいしな。

 ちなみに、スキル③は「怒り」みたいな感情によって発動するようで、矢を放ち着弾するところが焦げるという効果を持っていた。

 本気で怒ったらなかなかやばかったと思う。


 さて、ここからが本題だ。

 新しい弓についてみてみるとしようか。

 という訳で『参照』スキルを発動させてみる。




 和弓 カラー


 現在ごく一部の者のみが使用している弓の形態で、かなり長いため持ち運びなどには不便な一方で威力の面では他の弓に比べはるかに高い。

 精霊により多彩な加護を受けた弓でありその分だけ多彩な属性が付与されている。

 もともとの性能は殺さずに更に強化を遂げた新型。

 精霊魔法のスキルを持つものが使用した場合、周囲の精霊の力を借り受けることができる。

 但し、この効果は精霊魔法のスキルのレベル依存。

 元の弓の性能を可能な限り引き出し、更にそこに新たな力を付与させている。

 もし仮にこの弓の素材が別の物であったらおそらくは耐え切ることができなかったであろうほどの能力を持つ。

 また、精霊視の能力を持たないものからすればそこらの弓と対して変わらないように見える隠蔽のスキルを持つが、精霊視のスキルを持つものには数多の精霊がこの弓の近くに集まることにより隠蔽の効果は殆どないといえる。


 スキル① 六根清浄

 効果:使用者の六根(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触角・意識)を清らかにし、邪をはねつけることができる。


 スキル② 属性付与

 効果:放つ矢に様々な属性を付与することができる。効果は地形や気候などの自然条件と本人の精霊魔法スキルに依存する。


 スキル③ 完全隠蔽

 効果①:その価値を他人から隠すことができるが、精霊視スキルを持つものには効果はない。それは完全なのかという突っ込みは禁句。

 効果②:スキル『隠密』にプラス補正。


 スキル④ 精霊加護

 効果①:矢を放つとき周囲の精霊から力を借りることができる。効果は精霊魔法スキルのレベル依存。

 効果②:自らの周囲にいるものに対して精霊の加護を与える。また、自らは精霊または精霊王の加護を受ける。効果は精霊魔法スキルのレベル依存。

 効果③:周りの精霊を実体化させることがある。


 スキル⑤ 熱源探知

 効果:スキル『気配察知』に熱源探知を追加。距離は本体の気配察知スキルのレベル依存。




 おぉ、なんと言うか、だいぶ進化しているじゃないか。

 っていうか、これは普通の子どもが持っていてもいいレベルの物なのか?

 下手したら国宝となっていてもおかしくないレベルだぞ、これは。

 いいのかなぁ、これは。

 とはいっても手に入れてしまったわけだし、存分に使うんだけどな。

 さてさて、これはなかなかいいものを手に入れてしまいました。

 どうしましょうか……。


 というか大変申し訳ない。

 少し前まで特にご利益とかないのかなんて思っていたとは。

 祈りをささげておかなくてはいけないな、これは。

 えっ、手のひら返しが早いなって?

 何を言っているんですか、君たちは。

 俺は最初から信じていましたとも、ええ。

 う、嘘じゃないよ、本当だよ。

 精霊様、ありがと~。


 よし、これできっと怒らせたりなんてことはないはずだ。

「承りました~」って言ったのが精霊だとすれば結構軽いっぽいしな。

 さてと、それじゃあもう一つの贈り物、袋のほうを見ておくとしますかね。

 そう思った俺は袋の中から赤い石を取り出してみる。

 う~ん、見た感じただのガラス球だな。

 しいて言うなら若干熱を持っている程度かな。

 なんとなく予想はつくが調べてみるとしよう。



 -------

 赤いビー玉


 赤い色がついたガラスの玉。

 特に何の効果もない、いうなればただの装飾品。


















 ------




 っておい!!

 何の効果もないのかよ。

 てっきり何かしらの効果があると思ったじゃないか。

 若干熱も持っているしこんな状況が整ったら普通は「火の精霊の~」とかそういうアイテムなんじゃないのかよ。

 ちょっぴり頭にきた俺は参照の画面を閉じた。

 全く、役に立たない物を渡しやがって。

 まぁ、とはいえ弓のほうだけでも十分な価値のあるものだし、贈り物としては十分だろう。

 ついでにいえば、これはクレアとソフィーの誕生日プレゼントにもちょうどいいしな。

 一応参考までにもう一つだけ見ておくとするか。

 そう思った俺はもう一つの玉も参照してみることにする。

 今度は青い色の物だ。




 -------

 青いビー玉


 青い色がついたガラスの玉。

 特に何の効果もない、いうなればただの装飾品。


















 ------




 ふむ、同じみたいだな。

 まてよ?

 この妙な余白はなんなんだ?

 今までの画面にはなかったと思うんだが。


 ……(考え中)……


 ……(考え中)……


 ……(考え中)……


 あっ、これってもしかして裏の色と同じ色にするっていうあのテクニックか?

 という訳で余白部分をドラッグしてみた。

 すると、




 -------

 青いビー玉


 青い色がついたガラスの玉。

 特に何の効果もない、いうなればただの装飾品。


 という風に思うかもしれないが実態は水の精霊が好む特殊な鉱石でできている。

 装着者は水系統の耐性、および水系統の魔法などの能力にプラス補正がかかる。

 青いビー玉は通称であり、正式名称は魔法石(青)。

 装備品として使うほかにそのほかの装備品へ属性を移すという効果も持つ。

 その場合、武器に移せば装備品として使用した場合と比べ攻撃に関しては二倍、防具に移せば耐性に関しては二倍の効果をもたらす。

 ただし、その場合の武器に関しては耐性、防具に関しては攻撃のプラス補正は消える。

 基本的にはダンジョンでのみとることができるが、出る階層はかなり深い階層であるためそこにたどり着ける者は現在ゼロに等しい。

 一方で迷宮の比較的浅い階層(とはいってもそこに入れるのはトップレベルの冒険家のみ)の宝箱でも手に入ることはあるが、非常に稀であるためその絶対量は少なく、流通は殆どしていない。

 本当にごく稀にオークションに出品されることもあるが、その際の額はとても一般人が払える額ではなくなっている。


 関連項目▼


 ------




 ちくしょう、めっちゃ貴重な物じゃねぇか!!

 精霊様本当にごめんなさい。

 なんか、いろいろと不満を言っていましたがどう考えても不満なんていえるものではなかったですね。

 というか、この『参照』スキルはいったいどうなっているんだ?

 どう考えても使用者のことを全く考えていないだろ。

 というか、図書館のスキルなのにこの技法はネット系じゃないのか?

 いいのかよ、全く。

 そんなことを思いつつ、俺は関連項目を開いてみる。

 すると……。




 関連項目▲

 ・魔法石

 ・ダンジョン

 ・魔剣

 ・聖剣

 ・属性(色)




 おおっと?


検索してみましたか?

ちなみにどうしてこの名前にしたのかというと、

色・多色という意味のカラーと花のカラーをかけてみたかったから、それだけなのです。


もし、宗教が出てくるのか、いやだなと思った方、次回からはほぼ一切出てこないのでご安心を。

ただ、筆者の無知の影響で知らず知らずに使ってしまうことはあるかもしれません。

そのときは優しく教えてくださるとありがたいです。


ちなみに、今回使っている用語も若干意味を変えて用いています。

仏教に申し訳ないんじゃないかって?

知らんわ。

筆者はクリスマスも祝うし、正月にはお参りにも行くし、葬式なんかはお寺でやるような典型な日本人だ。

そんなところまで気を使ってはいられないのですよ。

それにそんなことを言ったらこの世界にある神が出てくる物語の内の殆どはキリスト教やイスラム教からすればけしからんわけですからね。

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