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図書館の番人  作者: トリブレイシオ
第一章 祝福の儀式と森の精霊
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第二話 正体不明な職業

本日二話目の投稿となります。

「えぇ~っと、なんなんだ?

 このクラスは」


 自室でステータスチェックをした俺は誰に向かってというわけでもないがそう問いかける。

 もちろん返答はない。

 いや、というかあったら怖い。

 少なくとも、俺の部屋の中には誰もいないわけだからな。

「あぁ、それはね」

 とか真後ろから耳元で言われたら相当怖いと思うんだ。


 まぁ、それはともかくとして、この能力がどんな能力なのかは自分で調べるしかない。

 ここから出て行けば別だが、ここで知ってそうな人はいないし、特殊なクラスだった場合はなんとなく面倒なことになりそうな気がするからだ。


 とはいえ、なんとなく分かるような気がする。

 おそらくなんだが、この能力は目で見た本なんかを完全に覚えることができる能力なのではなかろうか?

 ほら、図書館とかにいる人って「こういう本ってどこにありますか?」って聞いたら「それでしたら」とか言って、検索もせずにその本に案内してくれるわけじゃん。

 普通の職員でもそれなんだから、番人ともなれば、その中にある本の中身を全部覚えていたって不思議じゃないわけだ。

 この場合の中とはおそらくは俺のよんだことのある本の中身であろう。


 映画やドラマ、アニメなんかも覚えていることから考えるとそっちのほうももしかしたら完全に記憶できているのかもしれない。

 おそらく、自分で読んだものを思い出そうとすれば、その内容が全部出てくる感じなのではないだろうか。

 現に今思い出そうとしてみると料理に関しての本の内容が完全に出てくる。

 おぉ~、なんかすごいなぁ。

 なんというか、頭ににそのレシピが浮かび上がってきて、脳内でなら、この料理を完璧に再現できそうだぜ。


 しまったなぁ。

 これなら、農地改革も思い浮かべればいろいろと資料が浮かんでくるんじゃねぇのか?

 あっ、やっぱりだよ。

 なんかもういろいろと出てくるよ。

 つうか、前世の俺はいったいドンだけの本を読んでいたんだ?

 農業についての本とかって、前世だと一般的に読む物だったのかな?

 まぁいい。

 今現在役に立っているんだから何も問題はないではないか。

 そういえば、どうしようかと悩んだときに、ふと頭に浮かんでくる物が前からあったんだが、あれはこの能力による物だったのか。


 あ~、なるほどなるほど。

 そういうことだったわけね。

 道理で、全部うまくいったわけだわ。

 結構あやふやだったのに、いざやってみるとかなりしっかりしているもんだから、いったいどうしたのかと思ってたんだがこの職業の恩恵だったわけね。

 言語の習得もめっちゃ早かったしな。

 読んでくれている本を横から見ているだけで文字とかあっという間だったし。

 いや~、すっげぇ便利だな、この能力。


 まぁ、とは言いつつも、ここでこの能力に頼ってだらけてしまってはダメ人間になってしまうだろう。

 ここはしっかりと気合を入れなおして明日からもやっていかなくてはいけないな。


 ふむ、今仮説を立ててみたんだが、脳は物を忘れるわけじゃなくてそれをどこにしまったかや、その鍵がどこにあるのかを忘れてしまっただけということなのだろうか。

 うん、確かに、この感じで正しそうな気がする。

 なんせ、なんと言うか、いくつか鍵が見つかっていない感じがするしな~。

 イメージで言うならばいくつか禁書庫みたいなのがあって、今の俺じゃあ入れないような感じだ。

 おそらく、レベル辺りが関係しているんじゃないかな~とは思うがこれに関しては調べようがないので保留だ。


 まぁ、ひとまずこれに関しては明日考えることにしよう。

 さすがに今日は疲れたよ。

 前世では徹夜とか余裕だったんだけどな。

 まぁ、精神も体に引っ張られているような気もするし、その関係で、十歳の子供並みになっているのだろうと俺は予想している。

 大人たちはどうやらいまだに酒でパーティーを開いているようだが、今の俺じゃあ飲むことはできない。

 少し残念だな。

 俺の舌は前世での酒の味を覚えているらしく飲みたいと訴えかけてくるのだが残念ながら無理だ。

 この年齢から飲み始めたら確実に何かしらの不調を起こすだろうし、そもそも家の両親にとめられるのは間違いない。


 というわけで、大人たちの飲み会による喧騒を子守唄に俺は眠りに就くのであった。







「ウィルが十歳の誕生日を迎えられたことを神に感謝して、乾杯」

「乾杯」


 ウィルが寝て一時間程度後、スワンソン家では何度目かも分からない乾杯の掛け声がかけられる。

 部屋の中には二人だけ。

 他の従士たちはすでに帰ってしまい、現在部屋に残っているのはウィルの父親のアランとここの領主であるアンドリュー=アリンガムが残って酒を飲み交わしている

 二人とも多少酔っているようであった。

 少し前までは他の従士たちもいて、騒がしく飲んでいたのだが、彼らは自分の子供の面倒を見るためなどで帰ってしまっていて、幼い頃からの友人同士(今は上司と部下の関係である。)であった二人だけが残りしみじみとお酒を飲んでいるのであった。

 こういう子供に関するお祭りの際は祭られる本人よりも他の大人たちが盛り上がるというのはまぁ、様式美なのであろう。

 とはいえ、さすがに今日は子供を祝う日であるため話題は子供が中心のようであったが。


「それにしても、ウィルももう十歳になるわけか。

 子供の成長というのは早いもんだあなぁ。

 家の娘も後十日ほどで十歳になるわけだしな。

 だが、ウィルに比べてしまうと家の娘は子供っぽいし、なんだか少し心配だなぁ」

「そんなことないと思いますよ。

 クレアちゃんも凄くいい子じゃないですか」

「いや~、確かにいい子だしとても可愛いとは思うんだけどさ、それでもウィルと比べちまうとどこか不安なんだよなぁ~」

「親って言うのはそういうもんですよ。

 誰だって自分の子が可愛いし、心配になるもんです」

「お前もウィルのことが心配か?」

「そりゃぁそうですよ。

 あの子は自分は成長したら、旅がしてみたいといっているんですが心配で心配で」

「あぁ、なるほど、そりゃぁ、心配にもなるわな」

「それに、まだ七、八歳の子が急に畑がどうとかいろいろ言い出すものだから、ほんとにいったいどうした物かとあの時は妻と一緒に心配したものです」

「だが、結局ウィルの言うとおりにしたら成功したわけだろ。

 現に今年も凄い豊作じゃねぇか」

「まぁ、そうなんですけどね。

 ただ、まだ一桁台の子があんなことを言い出すんですよ?

 さすがにびっくりしますって」

「まぁたしかにそうかもしれんな。

 だが、子供っつうのは大人の予想よりも早く生長するもんだって自分でも言ってたじゃないか」

「それにも限度がありますって」

「まぁ、本物の天才って言うのはウィルみたいなやつをさすんだろうよ」

「そうかもしれませんね」

「あぁ、そうだとも。

 あいつは別に誰が教えたわけでもないのに、計算がこの村で一番はやいわ、あの年で読み書きは完璧だわ、狩猟や薬草なんかの採取でも大活躍するわで、とにかく飲み込みが早い早い。

 俺にもあんぐらいの頭がほしかったもんだね」

「ありがとうございます」

「それに、家のクレアも懐いているみたいだしな。

 いじめたりせずに、優しくしてくれるんだといって凄く嬉しそうに俺に言ってくるんだぜ」

「ウィルもあんな可愛い子に思われるなんて、男冥利に尽きるってもんですね」

「あぁ、泣かしたりしたら相手が子供だろうがとっちめてやるぜ」

「ですが、ウィルは成人したら旅に出たいといっていますがどうするんですか?」

「たぶんクレアは一緒についていくって言うだろうさ」

「いいんですか?」

「いって止めるんだったら止めさせるさ。

 だが、あいつは言っても止めやしないさ。

 全く、誰に似たんだか。

 それに、おそらくアルマン(アルマン=ペリシエ。従士の内の一人。)の所のソフィーもついていくっていうだろうしな。

 ソフィーがいくなら私も見たいな感じでおそらく結託して食い下がってくるだろうさ」

「なるほど」

「あまり強くとめて喧嘩別れなんていうのはごめんだからな」

「なるほど、いい父親ですね」

「はっ、俺はただ娘に嫌われたくないってだけの小心者だよ」

「はははっ」

「おいおい、上司を笑うったぁどういうことだい?」

「うるせぇや、そんなこと気にする玉じゃねぇだろうに」

「はははっ、そりゃ違ぇねぇな」


 酔いが深まって少しずつ口調が砕けていく二人。

 そんなこんなで二人の酒を飲みながらの談笑は二人が酔いつぶれるまで続くのであった。

ヒロイン二人が他人の会話の中ではありますが出てきました。

タグを見れば分かるとは思いますけどハーレムですからね。

他にも加わっていくのかもしれませんね。

ちなみに、内政方向にはあまり振らないと思います。

是非振ってくれぇという方がいたら感想に書いてください。

まぁ、生産系には振るつもりであります。

とはいっても、メインに据えるつもりはありませんけどね。


お気に入り登録がすでに三件になっていました!!!

凄く嬉しいですね。

これからも、できる限りの更新速度でがんばって生きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

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