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図書館の番人  作者: トリブレイシオ
第二章 幼馴染たちの祝福と村での生活
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第三話 森と村と過去の英雄

遅れました。

最新話が後半に入っているのでお願いします。

「う~ん、ほどほどの水分に栄養豊富な土。

 水はけもよく、日当たりもいいようだし、いい畑だ」


 村のとある一角にある畑で畑の土を触りながら俺はそう呟く。

 まぁ、形だけで、おれ自身この土がいいのかどうかなんて全く分からないんだけどな。

 ちょっとかっこいいかもなんて思ってやってみたのだが、一人でやってもむなしいだけであった。

 でもまぁ、少なくとも悪い土ではなさそうなので安心した。

 う~ん、でもまぁ、実際に確かめてみるとするか。

 そういえば一度も実際に確かめたことはなかったわけだしな。

 恐らく、表示で「栄養豊富な土」とか、「良質な土」見たいな感じで出してくれるだろうさ。

 いくぜ、『参照』スキル。




 畑の土(pH6.3)


 アリンガム領の村の内部にある畑の土。

 窒素やリン酸カリなどをを豊富に含む土である。

 土にの三相で表すと割合は気相、液相、固相の順に、

 28%、29%、43%となっている。


 所有者 バルブロ(43歳)

「私の畑です。(写真つき)」




 ……。

 バ、バルブロさん!?

 お、お久しぶりです。

 ここで作っていらっしゃっていたのですね。

 そして、ほんとにこの写真はいったいどこで撮っているんだよ。

 少なくともこの世界にカメラはないと思うのだが。

 あるとしても、すごい大都市に一つあるかないか程度だろ?


 そしてだな、いや、確かにこの表示はすごく丁寧だよ。

 恐らくはそのとおりなんだろうし。

 だがな、俺にとってはこれじゃあ全然わからないんだよ!!

 土の三相ってなんだよ!!




 土の三相


 気相(空気)、液相(水)、固相(土の粒子)の総称。

 土というものが土の本体(土の粒子=固相)とその隙間(空気=気相、水=液相)でできているため、この三つの要素をあわせて『土の三相』と呼ばれる。

 一般に野菜などを育てる際に最もいい割合とされているのは気相、液相、固相の順に

 30%、30%、40%程度といわれている。



 お、おう。

 検索機能さん仕事速いねぇ~。

 なんだよって思ったら次の瞬間出てきたよ。

 ふむふむ、まぁ、これによればこの土はなかなかいいラインなんじゃないか?

 よし、これなら今年も大丈夫そうだな。

 ちょっぴり上機嫌になった俺はいつものようにコレットさんのところへ遊びに行くのであった。




「ウィルにクレア、ちょっといいかい?」

「はい、師匠なんでしょう」

「なに、おばあちゃん」

「ちょっと、材料が足りなくなっちゃったから採ってきてくれないかい?」

「何が足りなくなったんですか?」

「これさね」


 そういって紙を渡される。

 きのこが三種類か。


「分かりました。

 クレア、行こ?」

「全く、しょうがないわね。

 じゃあ、おばあちゃん。

 行ってくるから」


 こうして俺たちは一度自分たちの家に戻って武器を取り、その後森へと向かっていくのであった。







弓を担いだ俺と剣をぶら下げたクレアは近くの森に向かっていた。

 今回に関してはそこまで奥に行かなくても大丈夫な素材だけなため、武器も必要ないかもしれないが、念のためだ。

 村の近くにある森であっても絶対に安全といえる状況ではないというのがこの世界の実情だからな。

 そんなところに子どもだけで行かせるなよという意見もあるかもしれないが、この世界ではそんなに珍しいことでもない。

 もちろん、三歳の子どもを森の奥にとかいうことはよっぽどのことがない限りはないと思うけどね。

 この世界のどこかではあるのかもしれないが、少なくともこの村にはない。


「えっと、これであってる?」


 森の中、村に程近い場所で採取を行っていた俺にクレアが問うてくる。

 手に持っている籠の中にはいくつかのきのこが入っている。


「え~っと、うん、全部大丈夫だよ。

 あってるあってる。

 流石クレア。」

「ま、まあね、これぐらい当然よ。」


 クレアを軽くよいしょして機嫌をとりつつ俺は数を数える。

 その結果、俺のとあわせて必要なものがすべてそろったことが分かったので、俺たちは森から村へと戻ることになった。


「ねぇ、クレア」

「ん?

 なにかしら?」

「クラスだったりで『進化』とか、『昇格』っていうのって聞いたことがある?」

「ん?

 当然知っているわよ。

 クラスって騎士とかそういうもののことよね?」

「うん、そうなんだけど。

 やっぱりしらな……、えっ?」


 よくよく考えてみればまだ子どもなんだし、知っているはずもなかったかななんて思ったのだがまさかの知っているとの答えだ。

 別にこのクラス特有のものではなかったのかな?


「だから知っているわよ」

「そうなんだ。

 ちなみにどこで知ったの?」

「『英雄伝』の中で何度か出てくるじゃない。

 新たなる祝福とかいって、新しい力を手に入れて、更に強い敵と……みたいな」

「そ、そうだったな」


 そういいつつ、『英雄伝』についてを思い返す。


「そうよ。

 特にあのシーンがいいのよ。

 アルベルトは魔将カティアとの戦闘で戦えない状況。

 そんな中で、魔将キュラ率いる軍勢が王都への侵攻を開始して、他のみんなももう瀕死寸前、町も落とされかねない絶体絶命の状況。

 そうなれば町の中にいるアルベルトも……。

 それでね、そのときティーネが思い出すのよ。

 子どもの頃からずっと一緒に住んでいたおばあちゃんがもう直ぐ死んじゃうっていうときに

『いい、ティーネ。

 この指輪はあなたが本当に窮地に立たされたときに守ってくれる聖なる指輪なの。

 あなたが誰かを守りたい、そう願ったときに必ずあなたの助けになってくれる。

 だから、この指輪はいつも必ず身につけていなさい。

 これは私の最後のお願いよ、ティーネ』

 って言われたことを。

 それでね、ティーネはその指輪に願うの。

『どうか、どうか私に力を、大切なみんなを守れるような、そんな力をください!!』

 って。

 そしたらその指輪が光って……」


 くっ、しまった。

 止められなかったか。

 こいつは子どもの頃からずっとそういう話が大好きだったせいで、こういう話をしだすと止まらないんだよな。

 へたしたら、俺よりも勇者なんかが出てくる物語については詳しいんじゃないかって思うぐらいに。

 でもそうか、そういえばそんな話はあったな。

『進化』とか『昇格』みたいな言葉で書いてなかったから分からなかったけど、よくよく考えてみれば勇者たちなんかが受けていた新たなる祝福って、このことだったのか。

 俺の今の実力だと、こういう曖昧な感じになってしまうと調べられないからな。

 なるほど、やはり他人の意見を聞いてみるとこういう発見もあるんだな。

 自分の能力の身に頼ったりすると視野が狭くなってしまいそうだし、ちょっと気をつけることにしようかな。

 こんなことを考えつつ、クレアの話を聞いていくのであった。


 クレア、長いよ。

 そろそろ帰らないと……。







クレアの長い長いお話がやっとのことで終わり、俺とクレアは村へとたどり着いた。


「よし、それじゃあ早速だけど、師匠の家に渡しにいこっか」

「そうね」


 そんな話をしつつ、師匠の家へと向かう。

 その道すがら、前を行くクレアにスキルを使い、昨日のことについての検証をはじめる。




 騎士(昇格可能)




 さて、まずはここからだな。

 ええと、どうすればいいんだろうか。

 進化可能のところを詳しく見たいんだけど……。

 そう考えた次の瞬間、表示がいきなり変化した。




 騎士⇒上位騎士(昇格条件を満たしています。)




 ふぅん、上位騎士に昇格できるのか。

 ただ、上位騎士って何だ?

 そう思うと更に画面が変化する。




 騎士⇒上位騎士(昇格条件を満たしています。)


 上位騎士


 騎士の完全な上位互換となる職業。

 騎士団などのリーダーは基本的にこのクラス。

 基本的には騎士となんら代わることはないが、騎士のときに比べて、能力のプラス補正が若干増加する。


 昇格条件

 ・武術系スキルのレベルの総和が三十以上で昇格可能。

 ・レベルが五十を超えた場合無条件に昇格する。




 ……、なるほどねぇ。

 ということはあれか?

 すでにクレアの武術系スキルのレベルの総和は三十を越えているって事か?

 あれ、この子すげぇな。

 俺もまだ二十位だろ?

 なんと言うか、センスがあるんだろうな。

 そんなことを考えているとクレアが声をかけてくる。


「ねぇ、ウィル?」

「なんだい?」

「前に大きくなったら旅に出たいって言っていたけど、それっていつぐらいのつもりなの?」

「なんだい、急に?」

「いいから答えて」

「え、うん。

 えっと、十五歳になったらこの村を出ていこうかなって思ってるよ。

 それまではこの村で過ごしていこうかなって。

 今のまま出て行っても何もできないだろうから、成人するまではこの村でじっくり力をつけていこうかなって思ってるんだ。

 旅に出たいっていっても、何の力もない子どもが出て行って無事なわけはないからね」

「そ、そうなんだ。

 それだったら……」

「ん?

 なんていったの?」

「う、ううん、なんでもない。

 じゃあ、さっさと届けないと」

「えっ、どうしたの、クレア~?」


そういうとクレアは先にかけていってしまう。

俺の返事に対しても全く反応を返さない。

そんなこんなで俺とクレアは師匠の小屋へとたどりついたのであった。

ただ、その間、クレアは一度も後ろを振り返ることはなかった。

小説の編集を行っていたせいで遅れてしまいました。

まぁ、他の理由としては、どうでもいい閑話なんかをなんとなく書いていたせいですね。


『英雄伝』のストーリーをなんとなく書いていました。

勿論全部ではなく、クレアが話していたところだけなんですけどね。

ただ、なんというか、まさに子どもが憧れそうな感じになりましたね。

クレアはきっとこの人に憧れたんだろうなぁ、見たいなことが分かるような話かもしれません。


投稿するかどうかは未定です。

見たい方は感想にそう書いていただけると投稿する確率が上がります。

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