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図書館の番人  作者: トリブレイシオ
第一章 祝福の儀式と森の精霊
1/36

第一話 祝福の儀式をうけよう

異世界ものですね。

定番といえば定番になるのかな?

 やぁ、皆さん始めまして。

 俺の名前はウィリアム=スワンソン。

 現在は十歳の男の子だ。

 

 前世での名前は残念ながら思い出せないが、いた国の名前は日本という国だったはずだ。

 具体的な名前は覚えていないのだが、そこそこ友達もいたはずだし、会社で働いていたりもした。

 休日が出勤になると、あぁ、なんで今日まで仕事しなくちゃいけないんだ、なんて思っていた。

 それでも、勤めていた企業はそこまでブラックではなく、損する可能性のほうが高いにもかかわらず時々宝くじなんかを買ってはあぁ、外れてしまったと家族で一喜一憂していたような記憶が残っている。

 

 あぁそうそう、前世(もしかしたら違うのかもしれないが、名前が出てこないだけで他の知識はかなり豊富なようだからおそらくは前世といえるであろう。)での俺はそこそこ大きな企業に勤め、しっかりとボーナスももらい(休日出勤の代金はもらえなかったけれど。)、二十と少しぐらいの頃に結婚をして子供を二人(息子と娘の兄妹)授かり、幸せな生活を送っていたはずだ。

 まぁ、残念ながら長男が大学受験に合格したときの記憶以後はないのだけれど、その時点で少なくとも五十位までは確実に生きていることになるので、かなり幸せな生活であったといえよう。

 

 読書が好きで、様々な物、ライトノーベルから世界名作全集などといった本までいろいろと読んでいたようでそのいくつかの知識が鮮明に脳に焼き付いている。

 テレビなんかもそこそこ見ていたようであり、特にアニメや海外ドラマや映画なんかを重点的に見ていたようで、そのなかでもお気に入りだったのは地球以外からやってきた使徒と呼ばれるやつらから地球を守るために一人の少年が機械に乗ってそいつらと戦っていくようなアニメや、全身真っ赤なタイツのような物を着た蜘蛛の糸を出したりする男がアメリカのとある町を強敵から守るお話、新人類なんてよばれる超能力者がいろいろと大暴れするお話などであり、その物語の内容がこれもまた脳にしっかりと焼き付いているようだ。

 

 前世の俺はそこまで記憶力がよかったのであろうか。

 まぁ、確かに入った大学もかなりいいところのようだし、企業も昔の四大財閥の内の一つの名前がついた会社だという時点でかなり能力が高かったことがうかがえるのだが、ここまではっきりと覚えている物なのだろうか?

 残念ながら、これに関しては比較対象がないので分からないな。

 ほかにそんな人がいれば誰か教えてほしいものだ。

 

 まぁ、別にこれは対して重要なことなのではない。

 そう、別に対して重要というわけではないのだ。

 所詮は過去の話なわけだから。

 過去が重要でないとは言わないが、今考えなくてはいけないのは現在のことだ。

 

 今現在、俺ことウィリアム=スワンソンは前世で言うところの『異世界』にいると思われる。

 あぁ、異世界だろうさ。

 少なくとも、俺の知識の中にゴブリンなんてものがゲームの中以外でいたという話は聞いていないし、魔法が使えるよなんていう話もどっかの額に傷のある少年の物語のような物以外では聞いたことがなかった。

 

 おそらく、日本という国ではそれが普通だったといえよう。

 が、しかし、俺が今いるこの世界ではそれらが普通にある。

 よく分からないモンスターや植物、魔法なんかがたくさんあるのだ。

 更にはスキルやクラスなどといった物まであるらしい。

 まぁ、なんだ、所謂ゲームの世界のような物という考えでそんなに差はないだろうさ。

 

 というわけで、今現在俺は教会にいる。

 いや、何がというわけでなんだという話なわけだが、この世界では十歳になると教会で神からの祝福という物を受けることになっているのだ。

 どういうことかというと、この世界の宗教は前世の頃とは違って明らかにこの世界に影響を与えている。

 それが所謂、『加護』だったりとか、『天罰』だったりであり、恵みをもたらす神に対して、この世界の住人はみな神を信じ、その恩恵に預かっているのだ。

 まぁ、そんな感じのことがあって、俺は教会で祝福を受けているわけだ。

 

 この祝福というのは神から与えられた職業などを確かめるための儀式であり、一般の人であれば、次のような形で現れるのだそうだ。

 ちなみに、これは、教会に飾られている見本のような物で、ここの教会初めて建てた人の物らしく、実際は他人には見えず念じるとそれを見ることができるという物らしい。

 

 名前:トンマーゾ=ダクイーノ

 年齢:五十四歳

 種族:人族

 レベル:八十七

 クラス:聖職者

 所属:教会

 賞罰:聖人・教会博士・救世主・神に愛されし者

 スキル:一覧▼

 

 まぁ、こんな感じで、スキルのところをみようとすると更にそれについて詳しく見ることができるという物らしい。

 まぁ、俺の説明じゃ分かりにくいと思うので神官さんが教えてくれた物をそのまま引用するとしよう。

 

「まず、名前ですがこれは別にいらないと思うので飛ばしますね。

 年齢についても同様です。

 

 さて、まずは種族についてですが、これは人族なのでこういう出方をしますが、例えば、獣人の方は『獣人(猫)』と、エルフの方は『妖精族エルフ』のように出るそうですね。

 人によって千差万別なわけです。

 

 レベルはその人がこれまでどれだけがんばってきたのかということを表すものでこれが高い人ほど強い人ということです。

 上限は分かっていませんね。

 

 クラスというのは基本的にその人の職業をあらわす物ですね。

 基本的には一人一つですが、いくつか持つ人も中にはいるそうですね。

 こういう人は本に書いてある英雄って呼ばれている人たちだね。

 有名な英雄の内の一人、ブラッドリーなんかは三つの職業を持っていたといわれていますね。

 残念ながら、最初の一つしか確かめるすべはないので本当かどうかは分かりませんけど、おそらく本当だろうといわれています。

 

 所属というのはその人が所属している村や組織などが表示されます。

 これも複数の場合がありますが、これは複数ある場合はそのうちのどれを表示するかを自分で選べるようですね。

 

 賞罰というのはその人のよい行いや悪い行いによってつくもので、よい行いのほうは自由に隠すことができますが、悪い行いのほうは隠すことができず、必ず表示されちゃいますので悪いことはしないようにね。

 あぁ、十歳までの悪いことはつくことはないから、今日からいい子になれば大丈夫だよ。

 

 最後のスキルというのは自分が持っている能力のことだね。

 一つ一つにレベルって言うのがあって、それによって能力の強さが変わるんだ。

 これは、表示させるのは自分で選べるから、冒険者なんかでも、自分の手札をしっかりと隠すことができるんだよ。

 

 ちなみに表示できるのは教会なんかにあるこの大きなオーブでできるんだ。

 小さい物もあるけど、そういうのは見ることのできる物が限られてしまうからね」

 

 とこんな説明を受ける。

 神官さんはその後に続けて、これはあくまでとっても得の高いお方のものだから、普通の人は、これよりも全然低い物だよという風に伝えてくる。

 ちなみに、このスキルというのは多すぎてよく分からなかったが、一つ一つにレベルがあるらしい。

 最高で百まで到達するのだそうだが、普通は五十前後まで。

 すごい人でも八十位が限界なのだそうだ。

 

 まぁ、これだけ種類が多いとなると育てるのも大変なんだろうな。

 

 そんなわけで、全員が受ける祝福の儀式を受け終わって今俺はオーブの前に立っている。

 後ろには神官さんと両親が立っている。

 両親は二人目の子供なはずだが、祝福の儀式を行うのはかなり久しぶりなためか、とてもドキドキとしながら見守っている。

 俺もドキドキだ。

 だが、ここで勇気を出して触らなければ意味はない。

 勇気を出して少しずつそのオーブに近づき、そして、それに触れるとオーブがとてもまぶしく、さらに神々しく光り輝き、その中から文字が浮かび上がってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前:ウィリアム=スワンソン

 年齢:十歳

 種族:人族

 レベル:非表示

 クラス:非表示

 所属:非表示

 賞罰:非表示

 スキル:一覧▼

 

 

 

 何も分からねぇじゃねえか!!!

 いやいや、なんだよこれ。

 なんかせっかくのドキドキ感が完全に台無しだよ!!

 そうおもって後ろを見ると両親は少し呆然とした感じでこちらを眺め、神官さんは少し申し訳なさそうにこちらを見ていた。

 

「すみません、すっかり言うのを忘れていましたね。

 表示しよう、表示しようって思いながらそのオーブをもう一度触ってください。

 怖がりながら触ったりすると、時々その状態になってしまうんです」

 

 あぁ、なるほどね。

 なんだよ、びっくりしたじゃねぇか。

 というわけで今度は表示、表示と思いながらオーブにむかっていく。

 前世ではそんなに動揺したりすることもなかったわけだし、精神が体に引っ張られているのかな~なんて思いつつ、オーブに手を触れる。

 するともう一度オーブが光り輝き文字が中から浮かび上がってきた。

 

 

 

 名前:ウィリアム=スワンソン

 年齢:十歳

 種族:人族

 レベル:五

 クラス:狙撃手

 所属:スワンソン家

 賞罰:特になし

 スキル:一覧▼

 

 

 

 あぁ、よかった。

 ちゃんと出てきたようだ。

 両親も少しほっとした顔を見せている。

 おそらくこのクラスというのは俺が父親とともに近くの森で狩猟をしていたのでこうついたのだと思われる。

 レベルもこの年代にしては高いほうなので十分だし、俺は次男なので家を継ぐ必要もなく、成人したら旅にでも出たいなぁなんて考えていた俺からすると、このクラスというのはとても有用であろう。

 そんなことを考えていると両親が神官さんにお礼を言っているので、俺もお礼を言う。

 特にチートな感じはしないが、これならば少なくとも、この世界で幸せに暮らしていくことができそうだなそう思いながら家に帰ることになったのであった。

 

 

 

 我が家は割りと裕福な家柄なため(領主に使える従士の家)、しっかりと部屋が一つ与えられている。

 まぁ、とてもお金持ちというわけではないが、俺からすれば十分といえる部屋だ。

 こういう世界ってもっとひどいと思っていたので全然問題はなかったし、はじめは少し戸惑ったりもしたけど、今ではもう慣れた。

 とまぁ、そんな感じの部屋の中で、眠りにつこうとベッドに入る。

 今日は俺の十歳の誕生日だということもあって、領主の一族や、他の従士たちからもお祝いされ、いろいろな品をもらったり、パーティーをしたりでかなり疲れてしまったのだ。

 まぁ、楽しかったし、嬉しかったわけだから特に問題があるわけではないのだけれど。

 というわけで眠りにつこうと思ったのだがそういえば自分でステータスを見ることもできるんだったなということを思い出し、一度実際にやってみようと思い起き上がる。

 やはりこういうのは一度やっておかないといざというときにできないと困ることもあるだろうからな。

 起き上がった俺はステータスよ出ろ~と念じつつ目を閉じハッと目を開けるするとそこには空中の、それも何もないところに文字が浮かび上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前:ウィリアム=スワンソン

 年齢:十歳

 種族:人族

 レベル:非表示

 クラス:非表示

 所属:非表示

 賞罰:非表示

 スキル:一覧▼

 

 

 

 そのネタはもういいわ!!!

 自分でやったことなのにもかかわらず若干切れる俺。

 いや~、同じ失敗を二度繰り返すとは思わなかったわ(笑)。

 というわけで、もう一度やり直す。

 出ろ~、出ろ~と念じて目を閉じハッと目を開けると今度こそ出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前:ウィリアム=スワンソン

 年齢:十歳

 種族:人族

 レベル:五

 クラス:狙撃手   図書館の番人   

 所属:スワンソン家

 賞罰:特になし

 スキル:一覧▼

 

 

 

 あれ?

 何か増えてるぞ?

別の作品も投稿していますのでそちらとの兼ね合いになりますが、更新は毎日は無理かもしれませんが割りと更新頻度高めでいこうと思っています。

最低でも一週間に一回……いや、三日に一回は投稿していきたい所です。


次回からは少し過去の話も交えつつ進んでいくこととなりますので皆様どうかよろしくお願いいたします。

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