桜の花びら
これはなんとなく書いたので誤字などありましたらスミマセン。
ふと上を見上げると桜の花びらが一枚降って来た。
桃色の花びらは僕の手の平に収まったかと思うと、そよ風に乗ってまたひらひらと落ちてしまう。
桜とは不思議なものだ。暖かくなると美しく咲き誇り、見る人の心を和ませるがそれは一瞬で儚く散ってしまう。
そう、まるであの人のように・・・・
「なぁ、桜空。」
僕は空に向かって今は亡き人の名前を呟いた。
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「桜空入るぞ。」
僕は病室のドアを叩きながら言った。
「いいよ。」
中から聞きなれた声が聞こえ中に入る。中には白い服を身に纏った桜空がベッドの上で微笑んでいた。
「毎日来なくてもいいのに・・・・大変でしょ?」
「小さい頃からの習慣になってるからいいんだよ。病人なんだから細かいこと気にすんな。」
僕はそういってベッドに近くにある椅子に座り桃の皮をむき始める。
桜空は「そう」と静かに言った。
「だいたい桜空は気使いすぎ。僕たち幼馴染なんだからさ、桜空は病気が良くなることだけを気にすればいいんだよ。」
そう言うと桜空はふんわりと笑っていった。
「ありがと・・」
そう言われ僕の心は不覚にもときめいて、桃を落としそうになった。
「どうしたの・・・?」
「べ、別に・・・なんにも・・・」
「ふ~ん・・・」
―あ、危ない危ない
昔からあの笑顔や、言葉には弱いのだ。
桜空と僕は幼馴染で小さい頃からずっと一緒に過ごしてきた。しかし桜空は小さい頃から体が弱く病を患っていた。病状は年をおうごとに酷くなり、小学生になる頃には入院して気がする。今では殆どベッドから起き上がれない状態だ。
僕は桃の皮を剥き終わり、綺麗に盛り付けて桜空に渡した。
「ちゃんと食えよ?」
「うん・・・・ありがとう。」
桜空は少しずつ食べていき、十五分ほどかかりやっと食べ終わった。食べ終わった後の桜空の口の周りを拭いてやり、時計をみた。
「やべ、もうこんな時間じゃん。じゃあ桜空また明日な。」
「うん、また明日・・・あのさ・・・」
「なんだよ?」
「私のこと忘れないでね。」
「? 何言ってんだよ?忘れるわけないだろ?」
「うん・・・また明日・・」
「おお・・・」
この時桜空は分かっていたのだろうか?自分がもう長くないことを・・・・
次の日の学校の授業中、僕は先生に呼ばれた。
「先生どうしたんですか?」
「実は・・・・君の知り合いの木元桜空さんが亡くなったそうだ。」
「えっ・・・・」
―嘘だ嘘だ嘘だ!!!
昨日はあんなに元気そうだったじゃないか!どうして突然死んでしまったんだ!?
僕が大急ぎで病院へ向かうともう先に桜空と僕の両親が来ていた。
「嘘だよね?ねぇ・・・・母さん・・・・」
僕がそう尋ねると母さんは泣きながら首を振って言った。
「最後にお別れを言ってきなさい・・・」
「!!」
病室に入ると、桜空の顔には白い布が被せてあった。
「さ・・・・くら・・?」
僕は試しに腕を揺すってみても桜空はビクともしない。
「目を覚まして・・・・ねぇ・・・・お願いだから・・・」
いくら僕が呼びかけても、桜空は反応しなかった。
その時僕の目から一筋の涙が零れ落ちた。
「どうして!・・・・どうして僕を置いて逝ったんだ!?」
僕の言葉に桜空からの返答はなく、開いた窓からはたくさんの桜の花びらが落ちてきた・・・・
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あれから僕はかなり衰弱し、最近やっと普通の生活を送れるようになった。
もしかしたら僕は桜空に『恋』という感情を持っていたのかもしれない。しかし桜空が死んでしまった今では自分でも良く分からなかった。
「そろそろいくか・・・」
桜を見るのをやめ立ち上がろうとすると、どこからか声が聞こえた。
「忘れないでくれてありがとう・・・」
僕は急いで振り返ったがそこにあるのはただただ舞い落ちる桜の花びらだった。
最後ら辺主人公ちょっと女々しいですねw
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