第7話 イベリア歴620年 にゃんこ
今、あーしは神社の前で深く祈る。
強く、激しく……そして意識を失った。
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「……あれから二十年ぶりですね。健康で楽しくやっているみたいで、安心しました」
「あの~、SK-11飛んでましたよね。どういう事~~~~~~?」
「アレは、あなたの故郷『地球』の船ですね。この星の文化レベルを調査して、国に報告すると思われます。多分、この星とコンタクトを取らないでしょう」
「え~~~~~~~なんで!」
「未開の地にテクノロジーは毒です。文化破壊に繋がるからです。貴方が二十歳までに通信機器を完成させていたら、コンタクトの可能性はあったと思いますが……。あなたの手にはヘパイストス(鍛冶と火の神)の力が宿っています。頑張れば可能だったと思いますよ」
「だってさ~、前の世界みたいになる頃には、ババァ~になってしまうし。だから諦めて楽しく生きようと思ったの~よ~。わかるっしょ!」
「そうですね……その気持ち分かりますよ。ただ貴方がその力を使ったのは、ブルーノ君のちん〇を掴んだ時だけですからね! 彼は気の毒に、子供なのに強制的に射精させられてしまったのですから」
「マジっすか! ハンパねー」
「時間が来ました。コンタクト終了します」
「ちょ、にゃんこ! 二十年ぶりだからもう少し……」
「今日の夢の中でコンタクトします……では」
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気を失って目を覚ますまで、日の高さが変わらないから数分も経っていないと思う。
「ブル吉に悪い事してしまったな~」
少し優しくしてやろうか……やっぱ止めた。
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その夜、夢の中で再び“にゃんこ”と繋がった。
「聞きたい事は……私、作れるの? 通信機」
「簡単なものなら大丈夫です。半年もあれば……。そもそも、急に目覚めましたね? 女性なら化粧や服に関心があって、そちらを製作するかと思ったんですが」
「あ……忘れてた。そーだよね! メイク用品とおしゃれな服って、作れるの?」
「……作れます。データにアクセスしてください」
「やーだー……早く言ってよ……」
「…………」
「あーし……バカかも……」
「新しい人材を派遣します……この人に…………」
あ、切れた……。
あと十年後か……。
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にゃんこと話してからデータにアクセスした。これから冬だから、手始めに簡単そうなストーブを作り、この隙間だらけの作業小屋の暖房にしよう。
十分ほどでロケットストーブが完成した。
「オレって天才か? 天然だけど天才……天然の天才。これだ、あーしは天然の天才!」
あーしは巫女を辞めた。
父には「家の為にものづくりに専念する。よろしく!」と言って、小屋にこもって作業をしている。
爺さんは「何代か前に鍛冶の名工がいた。先祖返りか?」と言っているらしい。
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数日後、訪問者が現れた。
「こんにちは、村長のマリオ・ペレスさん宅ですか? 私、アントニオ・サンチェスという者で、行商人をしています」
男はうやうやしく頭を下げた。
「ここに珍しいモノを作るイザベルさんが居ると聞いたのですが、いらっしゃいますか? ……えー、商品を拝見したくて参りました。」




