とある依頼
―ポチポチ―
少年が手慣れた手つきでタブレットを操作する。
『今日の依頼』と書かれたところを入念にチェックする。
時折入る依頼もあるものでそれを主な生活の収入源にしているのだ。
「なにかあった~?」
少女の問いにふと手を止め見上げる少年。
かれこれ二人のペアで行動し始めてどのくらい経っただろうか?
いろいろな依頼をこなしてきた。二人でならいくらでもできると感じ始めてひと月ぐらいは経っている。
「今日のところはま・・・」
言いかけたときふと目に留まった依頼内容に釘づけになる少年。
『犯人を捜してほしい』と書かれた依頼ページを開くと詳細が出てくる。
内容をざっと見て少女にタブレットを見せながら問う。
「これどう思う?」
「他殺のほうが線が濃いんじゃない?ただ犯人までたどり着けるかどうかはわからないわね」
少女の返答に少年は頭を抱える。
時折来るこのような依頼は未解決になることも珍しくない。
それでも依頼だからこなせば金にはなる。
「じゃぁ、この依頼受けるけど大丈夫?」
少年が少女に聞くと少女はこくりと頷いた。
「よしっ!決まりだな!」
依頼受け付けのページをタップして依頼を承諾してから、ふと思い出したように少年は聞く。
「そういえば今日の晩御飯なに~?」