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「秘密の会合」
カイルとの会談の後、エリザは父の旧友たち――共和国の元官僚や軍の高官たち――に呼ばれた。
「エリザ、お前の父は共和国を救おうとした。しかし、それが叶わなかった今、お前に託したいことがある」
彼らは帝国との交渉ルートを密かに確保していた。
「お前の父はかつて帝国の高官と親交があった。その縁を辿れば、和平の席を設けることができるかもしれない」
エリザは驚いた。
「なぜ…なぜ私に?」
「お前はアルトゥールの娘だ。共和国の腐敗に染まっていない。そして、お前ならば、いや、お前の父の肩書が帝国と渡り合うことができる。それをできるのはお前しかいない。」
エリザは深く息を吸った。
(私が…?)
街の惨状、民衆の苦しみ、友の裏切り。
全てを思い返したとき、彼女は心を決めた。
「やります。父の意志を継ぎ、帝国と交渉します」
父の死は無駄ではなかった。そして彼の遺した人脈が、エリザに新たな道を開いていた。
この日、エリザは共和国のために、そして自らの正義のために、帝国と向き合うことを決意した。