俺ギャグ 第二話
「な、なんだお前!!」
「私は、ショウモ・ナインだ!」
「しょ、しょうもないん・・!?」
「お前の自堕落な生活を、終わらせに来た!!」
「なんだと!何処が自堕落だ!」
そんなことを言いながらも、彼は自分の生活に対し、危機感を感じていたのだった。
「お前のような何のセンスもないつまらん男に、チャンスを与えると言っているのだ!」
「つまらない・・・だと・・・!!」
「そう言っているだろう。ジョセフィーヌ。」
「黙れ!!拙者はこれでも小学校の頃は、"しけフィーヌ"と言われて、皆を笑顔にしていたんだぞ!!」
彼の中に閉じ込めていた黒い過去の記憶が蘇る。
「拙者は・・・人気者だったんだぞ!」
まるで自分に言い聞かせるように叫ぶジョセフィーヌ。だがそれはかえって彼の心の穴を広げるものになってしまった。
「それは虐められているのだよ。自分でも気づかないのか?」
「虐め?そんなものではない!毎日拙者のギャグを聞きに、皆が僕のところに集まって来るぐらいだったぞ!」
思い出したくない記憶を必死に塗り替えようとするジョセフィーヌ。
しかしそこへショウモ・ナインの言葉が突き刺さる。
「ふっ、おめでたいやつめ!そいつらはな、お前のギャグのしょうもなさを面白がって、馬鹿にしているだけなんだよ!」
自分でもわかっていた。確かに、あれは本当に面白がった笑いではなかった。自分のギャグを聞きに来たわけではない。と。
だが、彼はそうは信じたくなかった。いや、信じさせなかった。自分のギャグセンスに過剰な自信を持つ、彼の、"プライド"が。
「拙者のギャグを、馬鹿にしたな!!!」
「ほう、では、私とギャグで勝負するか?」
「望むところ!拙者のギャグセンスを思い知らせてやる!」