表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4 その後


あれから家に帰って風呂に入ってベッドでボーっとしていた。


茜さんから着信が何件も入ったが出る気にならなかった。


茜さん…。僕はね、他の誰から何を言われても耐えられたよ。


仲間外れにされても、陰口を叩かれても、茜さんとの時間を邪魔されても。


だけどね?茜さん本人からの関係の否定には耐えられなかったよ。


わかってはいるんだ。茜さんが僕のことを心配してくれているんだってことは。


……本当に僕の事を心配していたのかな?


付き合ってないって言われて僕が傷つかないと思ったのかな?


他の人に嫌がらせされる方が僕にとっては辛いことだと思ったのかな?


本当は僕が茜さんの彼氏だという事が恥ずかしかったんじゃないのかな?


僕の事を心配してるんじゃなくて、自分を守るためだったのかな?


小学校5年生の頃言っていた、本当の茜さんってどの茜さん?


僕と付き合っている茜さん?僕とキスした茜さん?


僕と付き合っていないと言った茜さん?生徒会長の茜さん?


僕との約束よりも生徒会の打ち上げを優先した茜さん?


相馬先輩に肩を抱かれていた茜さん?


色んな嫌な考えが浮かんでは消える。


とりあえず


『僕と別れて下さい。いままでありがとう。さようなら。』


連絡だけはしておこう。







翌日、学校に着き、放課後を迎える。


すぐに、生徒会室に向かった。


「生徒会を辞めさせてください。僕では力が足りず申し訳ありませんでした。」


「おう、冬木。もうストーカーみたいな真似は二度とすんなよ!」


「はい、ご迷惑をお掛けしてすいませんでした。」


「まっ、待って!大介!ごめんなさい!」


「大介?あぁ、冬木の事か。なんで名前呼び?」


「わ、私と大介は実は付き合ってた!今まで隠していたんだけど、本当なの!」


「「えぇ?!」」


「ははっ、そんなわけないじゃないですか!僕と生徒会長が付き合ってた?冗談にしては飛躍しすぎですよ!」


皆信じないですよ。ずっと隠してきたんだから。そんなそぶりを見せない様頑張ってましたよね?茜さん。


「大介!ごめん、ごめんね?もう隠さないから!」


「ちょっと何を言ってるかわからないです。とにかく僕は生徒会は今日限りで辞めます。失礼します。」


「まっ待ってよ!大介!」


そのまま生徒会室を後にする。


なんで今更バラすのかな。誰も信じないのに。


その日のうちに茜さんとの連絡はブロックし、何度か家に来たりもしたが、居留守を使い、茜さんとの関係を切った。


そのまま会う事もなく、茜さんは卒業していった。



僕はと言えば長年の付き合いのあった茜さんとの別れを経験し、軽く人間不信に陥っていた。


仲のいい友達もいないし、彼女なんて作ろうとも思わない。


このまま寂しく生きていくんだろうな…。


いつものように一人で帰宅していると、後ろからコツコツとヒールの音がする。


振り向いても誰もいない。気のせいか…。


今日も一人で寂しく家への道を歩く。

最後までお読み頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 続編でもう一度付き合いそう&子供が出来そうだけれど、付き合って無いと言われた状況を考えたら100年の恋も冷める様な別れ方だよね。
[一言] それでメンヘラヤンデレ女になるわけですね 復縁するかどうかは別としてもうホラー 作品は良かったです
[一言] なんて表したらいいのかわからないけど良いわ、、
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ