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とてもシンプルで単純な理由

作者: 判屋彦衛門

「今度の実験の様子はどうだい?」


白衣を着たエヌ博士は椅子を回してこっちを向いてほほ笑んだ。


「どうかな、でも面白い結果がでそうな気はするよ」


「今、何の実験やってるんだっけ?」


「おいおい。勘弁してくれよ!」


エヌ博士は頭をかかえた。


「デオキシリボ核酸をつないだ時に水素結合が量子力学によって重ね合わせ状態になる場合、プロトン移動によって何が起こるかという研究だよ」


私はエヌ博士の肩を叩いた。


「わかってるって、で何か面白いことがわかったのかい?」


「そうだね、このデオキシリボ核酸は量子もつれ状態にあるので、「考えられる限り」の全ての組み合わせが起こるはずなんだ。そしてそれはその組み合わせの数だけの「並行世界パラレルワールド」を生むわけだ。その中には面白い世界もあると思うよ」


・・・


そうそれは起こった。


10^40,000分の1分の1という確率。


つまり10^40,000のパラレルワールドの中で1つだけ「自分自身を複製するデオキシリボ核酸」が生まれた世界があったんだ。


それは今「私たちが住んでいる世界」であり、生命と呼ばれている。


そして「何でこんなデオキシリボ核酸の配列が偶然生まれたんだ?」と頭を悩ませている。


逆なんだよ。


10^40,000のパラレルワールドの中で唯一生命が生まれた世界がこの世界なんだよ。

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