So long! さようなら! 58-2
58-2.
私達の結婚式一ヶ月前になって元夫の孝則から連絡が入るよう
になり、以前のように再びLove Callが始まった。
連絡が途絶えていたのは仕事が忙しく、しばらく遠方へ赴任
していたとか、なんとかカントカと説明する元夫。
地の果てに行こうが通信機器の発達で今はそんな言い訳通じ
ないのよお~って思ったけれど、黙って言い訳を聞いた。
歩は孝則さんがどんなに言い寄っても二度と部活の送迎を
頼むことはなかったし、学校の前に車を止めて待ち伏せされて
も、友達の家に寄るからと言って車には絶対乗ろうとしなか
った。
完全なる拒絶だ。
私はマメに来るメールや電話に適当に対応した。4月27日が
孝則さんの誕生日だったのだけれど当日はどうしても都合
が付けられそうもなくて二日前の25日に我が家にご招待して
お家ごはんをふるまうことにした。
一足先に転居した弟に続いて私や歩、そして南山さん、皆が
新しい門出をする為の新居に引越しする直前のことだった。
もちろんその日は、奥の部屋で歩や弟も居る中でのイベント
決行。
孝則さんにはお家ごはんを食べてもらった後で現状を伝え
はっきりとお別れしようと思う。