So long! さようなら! 56
56.
大晦日に歩は、母から大事な話があるの、と切り出された。
まさか! 親父との復縁の話なのか? 今それはないだろう。
親父は若い女とLove Love 真っ最中のはず。
「何? そんなに改まって言われたらキンチョーする
じゃん」
『うん、だけど歩が驚くような話なの』
「どうぞ・・・聞くよ」
『南山さんとお付き合いしてるンだ。今まで黙ってて
ゴメン。歩には自分の気持ちの整理がついてから言おう
って思ってて、遅くなっちゃった』
「結婚すンの? 」
『お付き合い申し込まれた時ね、結婚を前提にって言って
貰ってるの。歩のことも修ちゃんのこともひっくるめて私を
受け止めたいって。
ただ歩が今はそういうの不安なら高校卒業まで待ってくれる
って言ってくださってるの。だから今は、ひとまず付き合
ってることをね歩に知らせておきたくて・・・。
いきなりで歩も気持ちが付いていかないと思うから良く
考えてから感想を聞かせてくれないかな』
「母さん、答えはひとつだよ。鉄は熱いうちに打て。
こんなチャンスそうはないだろう?
再婚すればいいよ。
僕と修叔父さんとで2人イジイジ母さんと南山さんの
Love Love 振りを横から見てるからさっ!
どうせ後少しで大学進学だし、そうなったら独り暮らしに
なるだろうし」
『そうね、そうなるかもしれないわね。だけど、歩、自宅
から通える大学なら私達と同じマンションの部屋を歩と
修ちゃん用に用意してくれるって言ってもらってるから
遠くに行かなくてもいいのよ。それぞれがすぐ側で
プライベートroomを持って気を遣わずに暮らせたらいいな
って考えてるの』
「へぇ~すごいね。この狭いアパートで3人だから修造
おじさんも喜ぶよ、きっと。オレも気兼ねなく友達呼べる
し、いいね、それっ!
上手く南山さんとゴールイン出来るといいね、母さん」