71/93
So long! さようなら! 46-2
46-2.
それまで深く考えていなかったのに孝則の指摘でそれ以降
順子は自分の気持ちを自分に問い掛けるようになった。
歩が好きなサッカーがキッカケで、そのことがなければ二度と
会うはずのない相手と交流が続いている。
いつも歩と南山との3人で会っている。
試合を3人で観戦したり2人の練習を見ていたり。
その都度、食事に誘ってもらっている。
歩と南山はサッカーを通じて、大人と子供というより
先輩後輩のような付き合いに見える。
快活で楽し気に語らう歩の姿に、幸せな気分になるから
南山からの誘いを自分も歩と一緒で心待ちするようになっていた。
だが、孝則が嫉妬するようなものではない。
遥ちゃん繋がりで親切にしてくれているだけだし・・・
子持ちアラフォー女にそんな気もおきないと思うし・・・
そうは思うものの孝則の言葉でそれ以降、順子は少し南山の
ことを異性として見るようになっていった。
孝則は自分の不用意な嫉妬で逆に自分の首を絞めることに
なったのかもしれなかった。