So long! さようなら! 32
32.
今となっては修造さんが里子さんに走ったことも、私が大山さんと
出会う為のステップだったのだと前向きに捉えることができる。
人間万事塞翁が馬とはよく言ったものだわ、とひとりごちる。
人間死ぬその時まで、何が良いかなんて判らないってことだものね。
今の私は女性としてなかなか上昇気流に乗ってると思うし
世の独身女性、ううん女性全般から見ても羨まれる存在と
いえるだろう。
だがそれは、今は・・・のことであり、この先のことなんて
誰にも判りはしない。
だけど生活に対する保険は掛けてある。
だから思い切りこれからの人生を楽しみたいと思っている。
大山さんを大切にする、出来る限り仲良く暮らしていけたら
いいなって思う。
子供達とも今まで通り支え合って大切な時間を一緒に
暮らしていけたらと願っている。
入籍しただけでお式を挙げてないので、まだ完全同居
で暮らしてないけれど先日、土曜日は家族全員で過ごし
日曜日の朝はお味噌汁を作って各自アツアツのご飯に
卵の黄身とおかかとねぎを混ぜて卵かけご飯にしたら
一番喜んだのが鉄平さんだった。
おいし過ぎると言っておかわりして3杯食べた。
大好きな家族と卵かけご飯で朝食を摂るひととき、幸せ
だなって思えた。
だから私はお家ご飯が好きっ。
気取らずに過ごせるっていいよね、とニマニマしながら
ひとりごちる。
しかし、子供達以上に鉄平さんと私が猫に嵌ってしまって。
モフモフちゃんの居る暮らしは本当に素敵だ。
ここのところ気を引き締めている。
あんまり幸せすぎて幸せボケしないようにね、毎日この
幸運に感謝している。
ありがとうございますって、感謝して暮らしている。
こんな風に鉄平さんと職場恋愛で結婚し、私が順風満帆に
人生を歩んでいた頃、義姉もまた弟のことがあったものの
落ち着きを取り戻して暮らしていたようなのだが、ここにきて
心をざわつかせることがあったようだ。