So long! さようなら! 30
30.
こんなやり取りでその後、遥ちゃんの新生活に向けての
今後の予定なども聞いた。
来年の夏は歩を連れて別荘に泳ぎに来てね、と誘ってもらった。
遥ちゃん、雲の上の人になってしまうんだ。
たくさんお金があると知ると使いたくなるのが人の常だから
お金のことは弟や歩にはしばらく言わないほうがいいよ、とも
アドバイスされた。
あの2人はお義姉さんだけが頼りだから、お金のことも含めて
お義姉さんの采配で良い人生になるよう、導いてあげて下さい
って言われた。
遥ちゃんは私を信じてお金を託してくれた。
彼女の期待を裏切らないよう、これからを全力で2人を守り
一生懸命生きていこうと決心した。
・・・
入籍日から挙式まで半年もあって完全同居は4月からになる予定だ。
それまでは、今の家と鉄平さんの住む家を行ったり来たりに
なっているが、彼は大らかな人で給与は全部渡してくれて、私に任せて
くれている。
娘や息子達にも思い通りに使うべき時はお金を掛けてくれて
いいと(も)言ってくれる。
自分の望みは家族の幸せそうな姿と、私に毎日自分のことを
見ていてもらうことなのだそうだ。
自分を見つめ、触れ、想っててくれることが最高の幸せなんだと彼は言う。