So long! さようなら! 29-2
29-2.
『お義姉さん、私ね同じ会社に勤めてる人と結婚が決まって
て、詳しいことは省くけど結婚する時の取り決めで私に財産の
一部を譲渡してくれることになってるの』
「ねぇ、だとするとそのお相手の方は億万長者で遥ちゃんは
玉の輿に乗ったってことなのね。
すごいわぁ~。
おめでとう!
だけどこんな大金、私に受け取る資格・・・・」
『あります、お義姉さん。
幸運をお義姉さんと分かち合わせて下さい。
歩くん女手ひとつで育てて、おまけに修造さんまで引き受けて
お義姉さんみたいないい人がひとりで苦労するなんて間違ってます。
私も同じシングルマザーなんですよ。
私のLuckyは大山さんという男性と出会ってこの先
一緒に人生を歩めるようになったこと。
お義姉さんはそんな私と義理とはいえ姉妹で繋がってるのですから
私からのLuckyを受け取っていいんですよ』
「遥ちゃん、ありがとっ。
普通は本当の姉妹でもそんなこと、なかなかないことなのに。
受け取る資格があるなんて、無いのは判ってるけど、正直助かります。
なので、有難く好意としてお受けします。
本当にありがとう」