So long! さようなら! 18
18.
翌日の夜、義姉からメールを貰った。
「子供達までも捨てて出て行ったような弟なのにほんの少しでも
引き取れないだろうかって考えてくれてありがとう。
ほんとなら返品お断り、舐めるんじゃない・・が普通だもの。
一緒に一部始終を聞いてた弟は打ちのめされてずっと俯いてたわ。
里子さんの昔の嘘の発言は弟にとってはとてもつらいものだったと思う。
自ら熱烈にアプローチして自分に振り向かせて結婚してもらったあなたを
そして子供達を簡単に捨てて自分の欲を取った大きな罪。
これから弟は全部背負っていかなきゃいけないんだと思うのよ。
修造には私の家に来るように言ってるの。
私達血の繋がった唯一の姉弟だから。
だから遥ちゃんはこれからも自分達の幸せだけ考えたらいいのよ。
何も気にすることない。
遥ちゃんのお陰で保険のほうも出来るだけ上限枠一杯貰える
可能性も見えてきたし、私も一生懸命働く。
夫のいない我が家に男手の弟が住むとなって息子も大喜びなの。
私と息子がwelcomeなの知って弟もほっとしたのか、元気に
なったみたい。
リハビリ頑張って働けるようになるって言ってるわ。
だから憂いなんてなぁ~ンにもないのよ。
本当にいろいろとお世話になってありがとうございました」
義姉からの私を気遣うメールは有難かった。
保険が降りると言ってもこの先どうなるか未知数の弟と
まだ中学生の息子を抱えてパート勤めの義姉はさぞかし心細いだろうに。
同じシングルマザーの義姉に想いを残しつつも、私は何も出来ぬまま
日々を過ごしていくしかなかった。
元夫の生命保険の死亡時の受取人は義姉に変更してもらうことにした。
義義姉はとても感謝してくれたけれど、そんになことくらいしか
私には為す術がなかった。