So long! さようなら! 17-2
17-2.
隣の部屋でふたりのやり取りを聞いていた修造は、やさしくて
忍耐強い遥ならきっと彼女の言葉通り最後まで自分の手を
離すことはなかったろうと思った。
本当に自分は馬鹿な奴だ、そう反省するしかない修造だった。
遥の言葉は更に続いた。
『不倫した後、反省してせめて子供達の父親でいてくれたら
良い病院に入れて看病に行ったと思うの。
子供達までも捨てて行った修造さんのことをとても両親に頼むことは
出来ないわ。
私は両親にも口では言えないほどつらい思いをさせているの。
私も子供達も私の両親も皆があの時、とてもつらく悲しい思いを
しているのよ。
なのに、あなたのトンでも発言が本当なら私達の悲しさつらさは
一体何だったの?
皆が修造さんまでもがあなたひとりに振り回されたことになるわね。
ほんとにあなたは悪党だわ、酷い人ね』
「ナッ、何とでも言いなさいよ、話にならないわね。
どっちにしても、あいつのことは追い出すつもりだから。
じゃぁ」
言いたいことだけほざいて里子は義姉の家を出て行った。
ヤレヤレだ。
非常識な人間と話したせいか頭痛がしてきた。
隣に義姉と元夫がいる事は知っていたけれど、意識の中では
すでに私の中からいなくなっていた。
さて、私も帰ろう・・子供達の待つ我が家へと。