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So long! さようなら! 17
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『あれから私もいろいろと考えたのよ。
まず第一にあなたの夫であって今は赤の他人になった私が
修造さんを引き取るっておかしいことじゃないかしら? 』
「だから、それは・・・。」
『あなたの言うように確かに私は正社員で働いていて収入はあるわ。
だけど子供達もまだ中学生と小学生よ、2人も養育してるの。
この6年間養育費だって貰ってない。
独りで頑張ってきたの。
物理的にも金銭的にも無理があるわ、残念だけど』
「それは引き取らないってことなのね! 」
『いいえ、それは少し違う。
引き取れるものなら引き取ってもいいかなと考えなかった訳じゃないから。
引き取らないんじゃなくて引き取れないの。
意味合いが大きく違ってくるからそこは間違えないで』
「ほんとっ、頭の良い女って嫌い!
綺麗ごとばかり言うから」
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グダグダ言い募る里子を前に私は更に話を続けた。
『不倫などせずに私や子供達を大切にしてくれていたなら
両親に土下座してでもお金を工面してどんなことをしてでも
修造さんの病気を治したと思うの』