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So long! さようなら! 16
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『引き取るとか引き取らないとかの話の前に、あなたに聞きたい。
私達とやり直そうとしていたのに、あなたが離婚してしまって
修造さんは仕事を持たないあなたの暮らしを支えてやりたいと言って
あなた達、親子の元へ行ったの。
あなたはその後もずっと働きに出ることもなく、子供共々
修造さんに生活費を全て頼ってきてますよね?
その支えてきてくれた人を、まだ怪我をしてから1ヶ月も経たないのに
もう放り出すことしか考えられないなんて人としてどうなのかなぁ
良心は痛まないの? 』
「良心って何?
そんな口当たりの良い言葉を紡いで良い人ぶらないで!
私はね、あの人から貰ったメールのせいでうちの人にバレて
家を放り出されたの。
修造とのことはほんの火遊びだったのよ、元々ね。
夫と離婚する気なんてさらさらなかったの」
『私があの頃修造さんから聞いた話とは随分違うのね。
それにしても随分と愛を囁くメールをたくさん彼に送って
来てたと思うけど、じゃあそういうのもただの方便で本心
ではなかったってことね。
ただ金蔓を逃したくなかっただけのことだったって
ことなのね』