So long! さようなら! 7
7.
無駄と思いつつ・・もしかしたらそんな遠くない日の為か
ずっと先の日の為かは私にも判らないけれど、将来夫の心に
響くようなことがあるかもしれない事柄を申し渡すことにした。
『あなたは彼女に責任を感じているようだけど、私や実の子を
捨てでもあの女のところに行くっていうの?
そして他人の子を育てるっていうの?
誰が考えてもおかしい選択をあなたはするって言うのね』
夫は返事をしない、下を俯いたまま。
それが夫の真意なのだと察した。
泣いて縋ったりしない女が強くて、何度も声高に愛の言葉と縋る想いを
書き連ねた女は守ってやらねばならない弱い女だというのか。
不倫相手のことばかり一日中慮っている夫の姿にもういいや
こんな夫、父親、私達にはいらないって改めて思えた。
『ねぇあなた、浮気と思って許そうとした私を振り切って
不倫女のところへ行くのだから、もう二度と私や子供達には
会えないものと覚悟してるわよね。
養育費もいらない、いいよ。
あなたの給料で2家族の生活の面倒なんてみれないものね。
出て行っていいよ、別れて自由にしてあげる。
離婚届は後日、会社のほうに送るわ』
・・・
夫は3日後に身の回りの物だけ持って家を出て行った。
夫は給与が低く、またほとんど預貯金もなく、分けるのに揉めるような
財産もなかっので、その後私達は本当にあっけなく離婚した。
仲良しの義姉は、馬鹿な弟でごめんなさいと、謝って
くれた。