今
血の描写が多くなると思われます。それに耐えれる人々だけついてきてください!
あ
僕はヒーローが好きだ。
子供の時から特撮や漫画、アニメを見て思っていた。
ヒーローみたいにかっこよく生きたかった。
ヒーローみたいに皆を助けたかった。
でも
無理だった。
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2021年7月25日(金曜日) 午前11時31分
三紋慈高校 1-こ 3階
僕の名前は早武大和。三紋慈高校のほっかほかの1年生だ。
「なあなあ、次の科目なんだっけ?」
そして彼は山門寺門。寺門は所謂金髪イケメンで高身。まさにモテる男みたいな感じだけど…彼は記憶力に難がある…というより好きでも無い事をわざわざ覚えようとしないというか…前には一緒にHしたって言う女子を全く覚えてないとかで、その女子とけっこうな修羅場になっていた。
「ねえ…もう今年は半分も過ぎてるんだからそろそろ覚えてよ。次は幽世学だよ。」
面倒くさいがこれでも小学校からの腐れ縁なのだ。お節介な僕の性格もあるかもしれないけど、彼は根は優しいし、細かい事に気を配ったりできる男だ。さっきの話と矛盾してる?…まあ、記憶力に関しては生まれ持ってそういうものだったと割り切るしかない。
「幽世学!?嫌だ…あれは嫌だ〜!」
幽世学というのはこの学校独自の教科だ。幽という漢字には、人の容易に知りえない深みがある、という意味がある。その漢字を含むこの科は…正直言ってこの学校最難関の教科だと思う。ある時は深海について、ある時は宇宙について…そのまたある時は生命とは何かについて。我々人間では計り知れないこの世の中について学ぶのが‘幽世学’だ。毎回違う分野の話をするし、苦手な人はめっぽう苦手だろう。僕は好きだが。
ふと教室の時計を見る。すると午前11時2分を指していた。授業開始は5分である。
「ッあ!あと2分しか無いじゃないか!早く行くよ!」
幽学には専門の教科書はない。スクリーンの映像を見るだけだ。だから何も準備が要らないのは好都合だ。急いで教室から出る。
「そうだ、俺と競走しようぜ!どっちが先に幽世学室に着けるか勝負だ!」
寺門が満面の笑みでこちらを見ている。彼は走るのが好きだから事ある毎に走りたがる。僕は彼に付き合わされて結構走らされているので、体力自体はある…けど彼はそれ以上に足が速い。とてもじゃないけど追いつけはしない。でもそれで大人しく負けてやる程僕はやわじゃない。
「分かった。はいドン!」
「あ!おいずりぃぞ!待て!」
彼が全速力で追いかけて来る。正直言って恐怖を感じる程の速さだ。まあ自分達のクラスからは幽世学室はそう遠くない。何とか今回は勝てる…そう思っていた時に違和感を感じた。走っても走っても中々先に進めていないのだ。ふと後ろを振り返ってみたら誰もいない。
「…ね、ねえ寺門君?どこに行っちゃったの?」
誰もいない廊下に僕の声が響き渡る。怖くなり思わず横を向いてしまったのだが、そこには見た事も無い‘幽選室’があった。僕は引き込まれるように…恐怖を誤魔化すかのようにその教室に入って行った。
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無年無月無日(無曜日) 無時無分
???
その教室はあまりにも暗かった。何処かに電灯のスイッチはないだろうかと壁を手探りで触っても何も無い…というか壁が変な感触がする。少なくともコンクリではない。柔らかいし、それに…血 の 匂 いがする?
「だ、誰か…居ませんか?…」
勇気を振り絞ってそう言ってみるが何も返ってこない。そろそろ僕も限界だ。僕はただでさえ一人が怖いのに既に寺門も見失って、こんな暗い、しかも血の匂いがする所にいて怯えない訳がない。恐怖が僕の頭の中でぐるぐるしている。もしやここに殺人鬼でも居るんじゃないかとすら思ってしまった。早く出よう、僕は急いで入って来たドアを開けようとする。が開かない。
「な、なんで!誰か!誰か!」
そんな、僕はここで終わり?不安で頭がいっぱいになると、居るかも分からない殺人鬼が頭の中で僕に笑いかけてくる。
「だ、だ、だ、だ誰か…助けて…」
涙も溢れてきた。もう嫌だ…だれか…
もはやこれまでと思った時、部屋の中央?に光が突如として現れた。その光は線を引くように動き出した。その光はやがて魔法陣?の様な物を描き出し更に大きく光った。だけどそんな物よりもっとショッキングな事があった。その光に照らされて周りの視界が少し澄んで来たおかげでよく見えてしまったのだ。人の死体を。人の血を。
「う…ぉぉぅ、えぉ…」
吐きそうだった。全ての死体から頭だけ切り落とされていてそこから大量の血が滴っている。人の死体を見るのは初めてじゃない。でもいつ見てもやばい。それにあの死体は日本の者じゃない。衣服も西洋の物だ。ここは日本、それに本来なら学校の教室内なのだ。何故?その謎が余計に恐怖を煽る。もはや声すら出ない。
「……君は?」
「ヒうッ!?」
いきなり教室?に響く別の人…女の子の声が聞こえて驚いたあまり、変な声が出てしまった。
「この声…………君は……ひょっとして大和と言う名前かい?」
声の主は光る魔方陣の上に立っていた。辺り一面に広がる死体や血には目もくれずに暗がりからこちらを見ていた。
「……そ、そうですけど何で知っ、知、知ってるんですか?」
「………すまないが……顔をよく見せて欲しい…」
彼女?の声を聞くと妙に安心する。安心する者の声の元に体が惹かれて行く。そして彼女にじっくりと顔を見られる。
「……なんと……いう…………」
何かに驚いているみたいだ…あれ?そういえばなんで僕の名前を知っていたんだろう。そんな疑問を悠長に考えてしまっている間、彼女は無言だった。そして長い沈黙の後…
「………フ……ッフフ…………ハッハ………ハ………そんな……神というのはそこまで腐っているのか…?」
何の話かさっぱり分からない。
「……………ぐ……ぁぁぁああああ!!こんな!こんな!こんな事があって良いものか!いやあってはならぬ!」
いきなり暴れだした。その性で辺りの死体が肉の塊となって吹き飛ぶ。偶然か僕には当たらなかった。
「だ、大、じょ、丈、夫、で、で、すか?」
震えていて上手く喋れない。
「…………お前というのは本当に……………いや、すまん…助かった。私ともあろうものが淑女らしくもない…」
彼女は指で目元を抑えている。涙が出ている様な気がする。
淑女だったのか、そう思い彼女の服装を見てみるとお嬢様感が凄い。小紫色のドレスに紺のフリル。頭には白い花が髪飾りとして刺さっている…でも1つだけ見た目にそぐわないものがあった。それは背中に背負った大きな槍だ。
「…その槍は何、ですか?それにその……魔法陣は?…後僕の名前を知っ、知っているのは何故、なんですか?」
「そうか…そうだな…なら君の家で後は話そう…」
え、と言う間もなく意識がだんだんと混沌としていく。ああ…
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血が足りない…血が足りない!と思ってしまった。後は人に読める文だろうかが気になります。何かあったらドシドシ言ってください。なんとかします。
読んでいただいた人に幸あれ!