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わが家の末の娘ちゃん  作者: よしあき煎餅
1/1

誰が教えたの


 結婚記念日にケーキを買ってきた。チョコレートでコーティングされた黒一色のシンプルなケーキ。

 飾りはチョコレートのプレートに白文字で「結婚12年目」だけ。


 帰宅したケーキを待ち受けるのは末の娘ちゃんを筆頭に3人の子供検閲官たち。


 軽い尋問から始まる。


長兄:「本日は誕生日(今日は誰の誕生日)予定はないが(でもないけど)なぜケーキを(何でケーキを)所持しているのか(買ってきたの?)


父:「……」


長兄:「怪しいぞ(分かった)。|何かやましいことがあるのか《結婚記念日でしょ》」


父:「す、鋭いね」


長兄:「他には何を(だってバラの花も)所持しているのか(買っているし)全部だしなさい(間違いないね)


 所持品の検閲が始まった。


長姉と末の娘:「この黒い(上に乗ってる)プレートはなんだ(チョコ食べていい?)怪しいぞ(あーずるい)検分する(みんなでわけよぉ)


 ほどなくして検閲を通過して無事に冷蔵庫へ収まった。


─────

────

───

──


 食事が終わり、記念写真も撮り終えたらケーキカットのお時間です。

 ナイフを見つめ譲り合うなか、長兄が渋々の体で立候補した。


 一筋、二筋いれたあたりでニヤついた。最後の一筋が明らかに逸れて、大きめのカットが二つできあがった。

 切り終えたナイフを置くとすかさず指差したのは長兄だ。


長兄:「僕これ」


 自分で切って自分で選ぶ。満面の笑みを見せる長兄、とそこへもう一声かかる。


長姉:「あたしはこれ」


 長兄の思惑に乗っかった長姉。してやったりの澄まし顔。


 自分の時間とタイミングで生きている末の娘ちゃんは、体と年齢に合わせて少し小さめを選択する。


 甘いもの、おやつ、アイスクリーム。別腹いっぱい、夢いっぱいの末の娘ちゃんはなぜかケーキには興味が薄い。


 周りが食べはじめたのを見て、真似するように一口パクリ。突然、全開食べ進む。


末の娘:「ヤッベ…ヤッベ…ウマウマ」


 一口ごとに「ヤッベ」を繰返しご満悦。サムズアップでどや顔キメポーズで父にウインクする。


母:「いくつよ…」


 ボソッと呟く母の声に、真顔で答える末の娘ちゃん。


「さんさいです」


 家族全員、大笑い。

澄ました態度でケーキを完食してました。

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