テストの結果は中の上
テストの結果、私は学年で中の上だった。言い訳がましいかもしれないが、あの駄天使と愚悪魔と······いや、この二人のせいで勉強どころでは無かったのだ。その上での評価をして欲しい。
おかしいなぁ。今頃達成感と優越感で拳を突き上げていた筈なのに······。
「えっと、一位の人って誰なんだろう?」
学年別順位表第一学年
一位-未華江 瑠宇
二位-漆 風亜
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「·········おいコラ。貴様らちょっと待て」
「「ギクッ!」」
私に気付かれないように、この場から立ち去ろうとしていた二人の首根っこを捕まえる。本人達も自覚があるようで、首筋に物凄い汗を流している。という事で、拷も······コホン。尋問の開始だ。
「やったわね······二人とも」
「まぁ! マコト様からお褒めの言葉を頂けるなん-」
「褒めてねえよ!! やらかしたな-って意味だコラ!!」
「ひゃいぃぃ!!」
いつもの駄天使ならヨダレを垂らす程の状況だが、それ以上に私の怒りが伝わったらしい。瑠宇さんは珍しく涙目で土下座をしている。
「くっくっく。哀れなものだな? その姿、絶景だぞ? 大天-」
-ズボゴッ!!!
「ぅぶっ······ちょ···なっ···なんか出ちゃう······」
「今は私が喋ってんだよ愚悪魔!!」
私のボディーブローを喰らった風亜ちゃんは一撃で撃沈した。ピクピクと地面に這う愚悪魔と土下座状態の駄天使。そんな二人に溜め息を吐きながら、私はゆっくりと振り返った。そこにはマジマジと順位表を眺める由来ちゃんの姿があった。
「由来ちゃん、どうしたの?」
私が問いかけると、由来ちゃんは満面の笑みでピースサインを披露した。
「マコト! 見て見てっ! マコトと同じ点数だよ! えへへっ。嬉しいなぁ〜! ボク、頑張って良かった!」
-ヒシッ。
「おっ? マコト? どうして抱き締めるの?」
「ほんっとにおめでとっ!」
「うん! ありがとーっ!」
いや、もうホントにこの子が一番悪魔的に可愛い天使だと心の底から思った。