仲良くなってはみたものの
衝撃的な自己紹介から一ヶ月。何故か私は例の彼女達と仲良くなってしまった。今ではこの私にも別名というものが定着してしまっている。若いって怖い。その場と雰囲気でこの厨二病達を何事も無く受け入れているのだから。
ちなみに私の別名は『保護者マコト』···らしい。
「マコト、血。今日体力測定だから。ボクを助けて」
そう言いながら抱き着いてくる由来ちゃん。悔しいが、可愛いから断れない。
「はい。搾りたてだよ」
「やった。ありがとうマコト」
私から受け取った紙コップで由来ちゃんは生き血をすする。まぁ勿論、コップの中身が生き血な訳が無い。入っているのはトマトジュースだ。
なんというか、赤くてドロッとしていれば何でもいいらしい。そんな馬鹿な······。
「くっくく。吸血鬼が聞いて呆れる。貴様は生き血を取らねば動く事も出来ぬとは。所詮、その程度。我の足元にも及ぶまい! なーっはっはっはっ!!」
「高笑いしてるとこ悪いけど、風亜ちゃん?」
「む? どうしたのだ? 我が眷属よ」
「荷物に体操バックが無いみたいだけど、ちゃんと体操服は持って来てるの?」
「え·········無い···!?」
大悪魔が聞いて呆れる。
「マコトぉ〜···たぢゅげでぇ〜!!」
「あー、もう泣かないの! 体操服の替えなら保健室にある筈だから。先生に言って借りておいで?」
「うぅっ。うん。ありが-······ずずずっ。ゴホン! 流石は我が眷属。その働きに対し、貴様に褒美を-」
-ドスッ
「ぁいたっ!! マコト! 暴力反対!!」
「いいから早く行きなさい!!」
「ひぃ!? わ、分かったから! そんなに怒んないでよォ〜!! マコトのばかああああ!!」
走り去る風亜ちゃんを見送りながら溜め息を吐く。こんな事をしているから『保護者マコト』-なんて別名がついてしまうのだ。勘弁して欲しい······。
「ふふ。うふふふふっ。人間がゴミのようですね」
おいコラ天使。自己紹介の時の発言はどこ行った。
窓の外、校庭を見つめながら黒いオーラを発している瑠宇さん。最近はよく、こんな風に堕天使化している気がする。
「瑠宇さんも、早く行くよ?」
「ふふふ。マコトさん? わたくしは大天使ミカエル。ミカエル様···とお呼びくださ-」
「あーそう。ならもういい。絶交ね」
「あんっ! ぐへへ···。マコト様の冷たい視線、頂きましたぁぁ〜! あ、待ってくださいマコト様!」
そしてドMだということも最近知った。