教室の三竦み
更新ペースは特に決めてません!
気分で書いたものなので、気軽に気楽に読んでくださいっ。
春の日差しが校庭の桜を鮮やかに輝かせる。今日から私はこの美咲女学園で青春を過ごすのだ。部活動に文化祭、体育祭に修学旅行。期待に胸を踊らせてこれから始まる学園生活の第一歩を踏み出す。
-筈だった。
「我こそは混沌の支配者、闇を統べし大悪魔、漆 風亜である!」
「はい。漆さん、個性的な自己紹介をありがとう。だからその鎌のような物はしまっておいてね」
「ふむ。良かろう」
左斜め前の座席に腰掛け、カチカチカチッ-と鎌のような物を小さくして机の隅に丁寧に置く。キラキラと瞳を輝かせているのは何故だろう。そんな彼女は漆 風亜さん。別名『大悪魔ルシファー』? だそうだ。
「······(きっと、厨二病ってやつだよねあれ)」
「っとと」
「はい、漆さん」
なんて言っている傍から漆さんは筆箱を地面に落とした。もしかして緊張しているのだろうか···。
「ごめんね? ありが-······ゴッホん! くっくく。貴様、人間にしては中々に使えるようだ。良かろう! 我の眷属として忠実な下僕に-」
さて次に行こう。
「初めまして。わたくし、神の愛子である皆様を正しく導く為、天界より舞い降りました。大天使、未華江 瑠宇と申します。気軽に瑠宇様とお呼びくださいっ」
「あらあら。今年は変わった子が多いですね。悪魔さんの次は天使さんですか?」
気軽に様付けを要求って···。
今度は天使と名乗る未華江 瑠宇さん。この人にも別名があるらしく、その名を『大天使ミカエル』というらしい。
って、別名って流行ってるの!?
右斜め前の席で神々しく光を放っている······気がする彼女に漆さんは熱い視線を送っている。もしかして一目惚れ···とか! なんてちょっと興奮してしまいそうになったが、違う。漆さんの右手に先程の鎌がしっかりと握り締められている。
「はぁ······(やっぱり天使と悪魔って仲が悪いのかな)」
······じゃなくて!! そもそも天使でも悪魔でも無いでしょうが!
何故だろう。精神的に疲れて来た······。次!
「ども。道羅喜 由来です。よろしく」
「はい。よろしくお願いしますね」
私の前の席、道羅喜 由来さんの自己紹介は普通だった。いや、むしろ素晴らしかった。私の席の周りだけトンデモ娘が密集したのでは!? -と気が気じゃなかったのだ。
うん。彼女とは上手くやっていけそうな気がする!
なんて、世の中甘くはないみたい。
「あっ、あと一つだけ。ボク、吸血鬼なので血を提供して貰えないと直射日光に当たれないので、用法と用量を守って正しく扱って下さい」
「·········」
己は薬かッ!!
さしもの先生も言葉を失っていた。
そう、これがこの教室の三竦みと呼ばれる厨二病達である。